第39音 「百花斉放」
学祭1日目
まさにお祭り騒ぎだ。
…
「さぁ、今年もとうとうこの時が来ました!!」
…
「ドラムロール!!」
ドゥルルルルル、ドン
「ミス調国コンテストのスタートです!!」
……
おっ、やってるやってる♬
やっぱりうちの学校はレベル高いなぁ。
…選挙じゃねぇんだから、ポスターって。
「ねぇ、お兄。あたしたこ焼き買ってくる!」
「あ、俺ビールな!」
「高校生に酒買わすな!!」
「ちぇ、俺ここにいるからな」
「はぁ〜い!!」
結局夕夏のやつ昨日から泊まりに来やがった。
急に来ると、ホラ…片付けが。
…
…
「さぁ、エントリーナンバー17番。
『草薙 葵』さんの登場でーす!!」
ん!!??
「草薙さんは飛び入り参加です。
構内にお友達がいるようで他薦での参加となります」
あれ?
「さあ、ステージの中央でぇ。
水着披露だぁーー!!」
「「うぉおー!!!!」」
お、おいおいおい!!
…
「うわぁ、めっちゃ可愛いねあの子!!」
「おぉ、夕夏、おかえり」
「黒髪で清楚なんだけど…ちょっぴり猫っぽい!
はぁ、一日中愛でていたい♡」
「ははは…」
「何、お兄知ってる子?」
「知ってると言うか、知らないと言うか…」
…
「以上、エントリーナンバー17番『草薙 葵』さんでしたー!!」
「ここで、残念なお知らせです。体調不良の為、エントリーナンバー18番…」
「…」
アイツ、何やってんだ??
…葵って
まんまスパイの時の設定じゃねぇか!!
……
「さて、ラストは昨年のミス調国、エントリーナンバー19番『君塚 由希子』さんだぁ!!」
「「せーの」」
「「ゆきこ〜〜!!!!!!」」
の、野太い声がこだましてる。笑
「おおっと、観客の声援に手を振る君塚選手。
余裕だ、余裕のパフォーマンスだぁ!!」
いや、選手って!!
……
「…夕夏??」
固まってるな…
見た目だけなら、そんじょそこらの女優や
アイドルなんて足元にも及ばないからな。
ホント、見た目だけなら。
……
「ね、ね、ね、ねぇ誰あの人!!芸能人?
うわ、すっげ。脚長っ!!顔ちっさ!!」
あ!由希子!!あのやろ〜
「わ、わ、わ、ウィンクした!」
「こっち見てウィンクしたよ!!」
「お、お兄の知り合い!?
友達…なわけないか!!」
「はぁ、推せるわぁ…写真撮りたい…」
「…あとでいくらでも撮れるよ…」
「マジ!!でかした、お兄!!」
は、はは、ファンの皆さんの視線が熱いよ…
……
「さぁ、以上総勢18名。
本年度のミスを厳正なる審査のもと、決定したいと思います」
「おおっと、席を立つのは早いですよ〜お客さん」
「ミスの結果が出るまでの余興はこちらだ!!」
……
「ミスター調国コンテストォォ!!」
「「きゃー!!」」
黄色い声援に変わったな…笑
「さぁ、新設のイベントのため、参加人数が5名と少ないですが…ん?…はいはい」
「飛び入りで一名参加が決定しました」
「全6名で
ミスターの称号をかけて争って頂きます」
「では早速、エントリーナンバー1番…」
…
酔狂な人もいるもんだな…
「あ、いたいた。斗真くん!!」
「おぉ、まどか。どうした?」
「あっ、コレ妹の夕夏」
「はじめまして、夕夏です!
よろしくお願いします!!」
「あっ、はじめまして。私は北見まどか。
よろしくね夕夏ちゃん♬笑」
「ちょっと、ちょっと、お兄!
何よめっちゃくちゃ可愛いじゃない!!」
「男子校から大学デビューか…
サッカー辞めて良かったね!!笑」
ゴス!
「ちげえよ」
「あ痛!!」
「斗真くん、早く早く!!」
「ん?」
「ステージ!準備して!!」
「…」
「俺!!」
「えっ、いや、ちょっと!!」
「あっ、夕夏ちゃん。また、後でね!!笑」
「は、はぁ〜い」
「えっ、お兄出るの!!」
◇
「ホラ、水着に着替えて!!」
「いや、まどか。俺、いや、誰が?」
「あ・た・し・よ♡」
「ひ、ヒロミ!!」
「アンタのアホ面がステージから見えたから
巻き込んじゃえって♡」
「♡じゃねぇよ、♡じゃ!!」
「あの子が妹さん、可愛いじゃないの〜、
もう食べちゃいたい♡」
「おい!!」
「冗談よ!笑」
「さぁ、それではエントリーナンバー5番
飛び入りの『岬 斗真』だぁ〜!!」
「ホラっ、行った行った」
「ちゃんと場温めんのよ、
トリはあたしなんだから」
…
「さぁ、岬くんステージの中央で水着を披露だ!!」
マジか!!
よりにもよってビキニだぞ!!
ヒロミのやろ〜。
…
えぇい、男は度胸。
ここまで来たらやるしかない!!
バサッ
俺は真っ白なガウンを脱ぎ捨てた。
…
「「きゃーーー♬」」
は、恥ずかしい…
「おっと岬君、良い身体してますねぇ。
何かスポーツでも?」
「あぁ、えっと、8年間サッカーを」
「なるほど、自然に鍛えられた身体。
やはりジムだけではこうはいきませんね」
「…ウッス」
「おしゃべりは苦手のようで。笑」
「以上エントリーナンバー5番『岬斗真』でしたー!!」
…
「お、お兄…笑」
「さぁ、トリはこの人!!優しさと美しさと逞しさと、学生なら一度は目にした事があるでしょう『太田原 寛己』ーーー!!」
…リングアナかよ!!笑
「「「きゃーーーーーーーーーーーー!!」」」
「う〜ん…」
バタン!
お、おい!!
「おおっと、救護班の方急いで下さい。
失神者が出た模様です」
「…」
「うっわ、イケメンなんて言葉で表すのがおこがましいほどのイケメンだわ…」
「はわ、ガウンを…ダビデの彫刻像だわ」
「生き物で比喩する事が失礼すぎて、自分の語彙量の無さに打ちひしがれているわ…」
「あぁ、神様。この地、この時に命を与えてくれた事に感謝します…」
…
夕夏…泣いてねぇか??
「太田原君。私も見惚れてしまいますよ!!」
「はは、ありがとう!嬉しいです!!」
あっ、あいつ寛己だ!!
アイツ、優勝取りに来やがった!!
「なんか、大きいキャッチコピーがついていましたけど、一体誰が?笑」
実行委員の女の子が手をあげてる。
「俺なんか、そんなに大それた男じゃないけど…
ありがとう。嬉しいよ」
あっ、ウィンクはよせ!!
…
ホラ、失神した。
「応援してくださる皆さんの為にも
グランプリに選ばれたら嬉しいです」
「ありがとうございました」
……
「以上6名で、グランプリを決定したいと思います」
「ミスターコンテストは早いですよ〜!!」
「おっと結果が出たようです」
…
「総票数、121票、獲得票数93票」
「ドラムロールスタート!!」
ドゥルルルルル、ドン!!
「ミスター調国の栄冠は…」
「エントリーナンバー、6番
『太田原寛己』君でーす!!」
「「「きゃーーーーーーーーーーーー!!」」」
…
まっ、そりゃそうだわな。笑
だけど、ちょっと楽しかったな!!笑
「さぁ、見事ミスター調国に選ばれたお気持ちをお聞かせください!!」
「皆んなありがとう!!」
「素直に嬉しいよ♡」
あっ、バカ!♡はまずいって。
バタン…
ホラ…失神した。
……
「以上、ミスターコンテストでした!!」
「15分の休憩の後、ミス調国の発表に移ります」
…
…
「ヒロミ、お前なぁ!!」
「やだ、妬み!!」
「アホ!!」
「し、失礼しまーす」
「あ、お兄!面白かったよ!笑」
ゴス!
「あ痛!!」
…
「この子が夕夏ちゃん?よろしくね
太田原ヒロミよ〜♡」
「何よ、斗真!近くで見るともっと可愛いじゃない!!チューしちゃおうかしら、チュー♡」
「あっ、ゆ、夕夏?」
まずい、止まってる。
「夕夏、夕夏?」
「はっ!!え、え、え、」
そんなに俺とヒロミを交互に見るな…笑
…
「良いか、夕夏。
この世には抗う事の出来ない
悲しい悲しい事実という物があるんだ」
「まだ高校生のお前には、受け止め難いことは
重々承知しているが」
「俺は兄としてお前に真実を伝えねばならない」
「…」
「覚悟は良いな…」
無言で首を横に振り続けている。
くっ、妹よ…泣
「ヒロミは」
「い、嫌」
「ヒロミは…」
「お兄、ヤダ」
「ヒロミは…オカマだ…」
「…」
「い、」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
……
バシン!!
「いつまでやってんのよ!!」
「イッテェーー!!」
「あはは、すいませんでした。
なんかお兄が調子に乗ってきたのでつい」
「改めまして、岬夕夏です!!」
「…」
「あたし、見て何も思わないの…?」
「何がです?」
「だってオカマよ、あたし」
「お兄の友達ですよね?」
「それに、
男と女でヒロミさんが、何か変わるんですか?」
…
「あっ、まどかさん!」
「おっ、挨拶済んだんだ!笑」
「はい、実は舞台裏の3人のやり取り見てたんですよ!笑」
「高校の頃は汗臭いサッカーボーイしか周りにいなかったのに…」
「まさかお兄が転生ハーレムをしてるなんて!!」
「お前、コレは男だぞ!!」
「…」
「斗真、アンタとはゆっくり話し合わないといけないようね…」
「はは。去年のミスの人もお友達ですよね?」
「黒髪の子もなんか含みがあったし。笑」
…
「ねぇ、斗真」
「なんだ、ヒロミ?」
「この子、あたしにちょうだい!!」
「あたしが飼うわ♡」
「ば、バカ何を言ってんだ!!」
「夕夏ちゃ〜ん、
お姉ちゃんって呼んで良いのよ〜♡」
「あははは!!」
……
「お待たせしました、いよいよミス調国の発表です!!」
「どうぞ、ステージのそばまでお越し下さい!!」
「それでは準グランプリの発表です!
エントリーナンバー…」
…
「いよいよ、ミス調国の発表です!!」
「…発表なのですが、ここで皆さんにお知らせがあります」
「審査員一同非常に悩みました。投票数もさることながら、審査員票が固まりすぎました。」
…
「よって、ここに発表します!!」
「エントリーナンバー19番『君塚由希子』さんにはミス調国殿堂入りと、レジェンド大会への出場権を進呈します!!」
「「うわぁーーーーーーーー!!」」
レジェンド大会?
そんなのあんのか?
しかし、由希子…凄まじいな!!笑
…しかし、それだと優勝はいったい?
「2回の優勝で殿堂入りは…
との声もありましたが、圧倒的に多数の賛成により殿堂入りが決定しました!!」
…
「こ、コレは喜んで良いのよね??」
「もちろんです!!」
由希子が俺達を見回して、
…吠えた!!
「いよっしゃーーーーー!!!!」
「君塚さんの殿堂入りによって、ミスの席が空いております」
…
「発表します!!」
由希子がニタニタしてる??
「優勝、本年度のミス調国は…」
ドゥルルルルル、ドン!!
…
「エントリーナンバー、17番『草薙 葵』さんでーす!!」
「「うぉーーーーーー!!」」
「え、えっ、ウ、私?」
「おめでとうございます。草薙さん。
お気持ちをどうぞ!!」
「あ、え、えと、嬉しい…です」
「短い言葉に気持ちがこもっております」
……
「皆さん、名残惜しいですが、終わりの時間が近づいております」
「ん…?ちょ…時間ないよ…えっ?」
…
「皆様、一つ残念なお知らせがございます」
「ミスターコンテストにて、重大なルール違反が発覚しました」
「はっ、何言ってんの?」
由希子がまたニヤニヤしてる??
「ミスター調国に選ばれた、太田原君ですが。
残念ながら女性である事が判明しました!!」
「落ち着いて下さい」
「皆さんご存知の通り、見た目は男です」
「んな!!」
…
「しかし、彼の心は『彼女』だったのです!!」
「審査員もどうしたものかと、悩みました」
「そして、我々実行委員は一つの提案をします。
決めるのは会場の皆さんです」
…
「我々、実行委員は新たに『ミスミスター調国』コンテストを設けたいと思います!!」
「えっ、なによ、どういう事よ?」
「今回を第一回とし、
毎年実行していく事をここに宣言します!!」
「そして、その第一回グランプリの席に
『太田原』さんに座っていただきたいと思います!!」
…
「どうですか、みなさ〜ん!!」
ずっと思っていたけど、この司会
めちゃくちゃ上手いな!!笑
「「「わぁ〜〜〜〜!!」」」
「いいぞー!!」
「ヒロミ様〜♡」
「何、何、どういう事?」
「あ・た・し♡」
オカマだってちくっちゃった!!笑」
「由希子!アンタ何してくれてんのよ!!」
「…」
「あたしさぁ、ヒロミはヒロミだから好きなのよ」
「アンタ自身でいられない、
世界や大会なんて意味ないじゃん?」
「だから作らせた!!笑」
「で、でもあたしは…」
「ほ〜ら、ステージ出て声援に応えなさい!笑」
「大体、学校の人間ならアンタがオカマだって事ぐらい知ってるわよ!笑」
「アンタ目立つんだから!!笑」
…確かに
「ねぇ、ヒロミ。…アンタサイコーよ!!」
「…」
「あたしの…私の親友…行ってこーい♬」
ドン!!
「「わぁ〜〜!!」」
「み、皆んな…」
「ありがとう〜、愛してるわぁ〜♡」
……
「え〜、空席になりました『ミスター調国』ですが…次点、得票数12票の『岬斗真』君が繰り上げとなります!!」
「おわ、お、俺!!」
「以上をもちまして…」
「い、いや。俺薄いな!!」
…
「ぶ、ぶふぅ、12票だって、12票でお兄、優勝だってグフゥ。笑」
ゴス!
「あ痛!!」
……
ーーーー
次回 第40音
「小星光底」




