第37音 「Mano」
翌日のお昼
ウチはルールーと待ち合わせの
メキシコ料理店に来た。
…ブラジルじゃないんだ
「YA-MAN!ここ、ここだぜ茜!!」
「ルールー!!ごめんね、練習サボって」
「Tudo bem!問題ないさ♬」
「ヘイ、シニョリーナ!
ランチセットを2つお願いするぜ!!」
「あ、あ、ウチ食後にフランを♬」
「へっへ、元気そうだなMano」
「…まぁね」
……
「ウマ!何これ!!メキシコプリン侮れん♬」
「…」
「なぁ、茜。最近楽しいか?」
「…ルールーは?」
「ぜ〜んぜん、楽しくない!!笑」
「…ウチも…」
「だよなぁ、皆んな忘れてんだよ」
「客がいてのショーだって」
「好きな音、リズム、ダンス」
「客、無視してやってたら…なんだっけ…」
「あ、あれだよ、自己満足ってやつ!!笑」
…そっか、ルールーはそう感じたんだ。
「…ウチは、上手くなることに夢中になって
みんな、自分の『音』を忘れてる」
「そんな感じ…かな〜」
「ヒュー、やっぱ天才は違うぜ!笑」
「ちょ、何!!笑」
「俺は楽しくないのは嫌なんだよ」
「表面だけ楽しいのなんて、ごめんだぜ!!」
「はぁ、分かるわぁ〜」
「さっすが、ルールー!!」
「YA-MAN!!笑」
「あっ、すいません、お会計!!」
…
…
「んで、どうっすかね?天才?」
「天才、言うなし!!笑」
「…」
「ウチ、昨日考えたんだけど、
…上手くなるのが楽しいのって当たり前の事だと思う!!」
「だけど、それで自分見失うのはイヤ!!」
「そんで??」
……
「どうしよ?笑」
「ヘイ!!笑」
「だあ〜って、わかんないよそんなこと〜!!」
「じゃあ、ルールーは?」
「愚問だな…」
「さっぱりわからん!!笑」
「だと思った…笑」
「なるようになるしかないのかなぁ…」
「だな…」
……
「おっ、俺は一応学校に向かうぜ!
茜はどうする?」
「ん〜、昨日せんせーに、2、3日って言っちゃったから、さすがに辞めとく。笑」
「オーライ!!
ちょっとスッキリしたぜ、Obrigado茜!」
「うん、ウチも!!」
「明後日には練習出るからって言っといて!!」
「Tchau!!」
……
さってと、今日はどうしょっかな〜??
◇
買い物来たけど、別に欲しいもんないしなぁ。
「ヤバっ!!何コレ、可愛い♬」
「えぇ、どうしよ。買っちゃう?笑」
「そうだ、冬物見とかないと!!」
「…たっか!買えるかっての!!笑」
「あっ、フラペチーノの新作出てんじゃん!!」
「はぁ〜、ウマすぎ…♡」
「ヤッバッ、グロス切れてんの忘れてた!!」
……
ピロン
「ママ?」
『茜〜、お豆腐と白菜買って来て〜』
『たのむ!!』
「りょ!!」
「って、豆腐と白菜??
肉ねぇし!!笑」
「鍋なら許す!!笑」
…
〜♪〜♬〜
パチパチパチパチ
「ヒュー、めっちゃいい曲じゃん!!」
「うそ、オリジナル!?」
「CD、500円?買う買う♬」
「あ、『ラムネ』って名前可愛いね!」
「2人とも頑張ってね!」
「目指せメジャーデビュー!!笑」
〜♪
良い曲聴いたなぁ〜♬
あれは、売れるよ!
調田からメジャー歌手、いや、紅白歌手が生まれる日も遠くないね!!笑
…
ストリートか…
楽しそうだったな…
……
…やる事なくなった
……
ひっま!
びっくりする程、暇!!笑
あんな事言った手前、オケには行けんし…
ど〜する、ウチ?
「…」
…帰ろ
◇
〜〜♬
久しぶりに家でピアノ弾いてみた。
…
うん、大丈夫。
まだ、ちゃんと楽しい♡
…
みんな…
…
楽しくなくなるのは、嫌だよ〜。
〜♪〜
「茜ぇ〜」
「は〜い」
「お豆腐と白菜は〜??」
「…」
「ヤバ!!」
「い、今行ってくる!!」
……
ーーーー
次回 第38音
「走る」




