第35音「天高く」
秋
色々な秋。
茜と一心は食欲の秋。
弘と佳代は読書の秋。
マリアとルーはスポーツの秋。
由希子とヒロミは美容の秋。
まどかと西田は勉強の秋。
木下さんは音楽の秋。
なんで…
「なんで、音楽が1人なんだよ〜!!」
「わ、わっ!
ちょっとトーマっち、お芋落ちちゃったじゃん!!」
「落ちたのトーマっちのだからね!」
「そう、モグ、だぜ、ハフハフ、兄弟。
何を吠えてんだ?」
「なぁ、変なトーマだよなぁ〜」
「猫に焼き芋食わせながら、喋んな!!」
「いや、大会は?練習は??」
「毎日、ハフハフ、してんじゃん、練習」
「いや、確かにしてるけども」
俺は内心焦っていた。
…
「あちっ、ふーふー」
「まぁ、焦ってもしょうがねぇだろ。
大丈夫、ちゃんと上手くはなってるよ」
「き、教授、いつ来たんすか?」
猫が教授を見て逃げていった。
「…まだ、嫌われてんすね」
「…いうな…」
「…」
「安心しろ、学祭あるだろ?
話は通しておいたから正式に申請して来い」
「ん?」
「演奏会だよ、演奏会。
去年も吹奏楽部がやってたろ?あれだよ」
「で、出れるんですか?」
「そりゃまぁ、学祭だからな。
学生だろ、ここの?」
…そりゃそうか
「それとな吹奏楽部もコンクール出るから
勉強させてもらえ!!笑」
おお、演奏会!!
市の大会ぶりの演奏会♬
…
…
吹奏楽部?
まぁ、あるよなそりゃ…
…ありゃ、俺達ってなんだ?
「早く行かねぇと締め切られるぞぉー」
「あっ、てめえ一心!
それは俺が育てたやつだぞ!!」
「アンタ後から来たじゃないっすか…」
「ねぇ、いっちん!!」
「やばいよ、焼き芋とプリン!!マジ神♬」
「全く、茜。
オメェはほんと天才だなぁ〜♬」
「そ、それほどの事もある!!笑」
こいつらダメだ…
申請行ってこよ…
◇
「おーい、西田ぁ、まどかぁ。
ちょっと付き合ってくれよ」
「ん、どうした?」
「申請だよ、学祭の。」
「ひょっとして、演奏会!?私達も出られるの?」
「悪ぃな、勉強止めさせて」
「いや。構わない、そろそろ休憩でもと思っていた所だ」
「私も気分転換に一緒に行くよ!!笑」
学祭窓口に向かう途中、
焼き芋部隊に俺達の分も頼んでおいた。
◇
窓口へ向かう途中には色々な
学祭案内が貼り出されていた。
へぇ、ミスコンもあったんだ。
前回優勝、君塚由希子!!
…アイツ、ミスだったのか。
由希子はわかるけど、ヒロミ…まさか!?
※ミスターコンテストも同時開催です。
…美容の秋か
◇
「すいませ〜ん、参加申請なんですけど〜」
……
「はぁーい、お待たせしました!!」
「あれ、お弁当屋の仁美ちゃん?」
「あ、まどかちゃん!申請?」
「うん、演奏会の」
「え〜っと、はいこれ記入してね」
「俺、書いておくよ」
「あっ、ありがと斗真くん。」
「仁美ちゃんどうしたの窓口で?」
「この時期だけのアルバイト♬
意外とお給料良いの」
……
「これで良いかな?」
「うん、あっ。ここの組織名なんだけど…」
「…」
「西田…俺達ってなんだ??」
「…」
「…有志…かな?」
「な、なんか恥ずかしいな。
あんな名前つけといて…笑」
「た、確かにね。笑」
「…」
「はい、受け付けました!!
詳細は後日連絡がありますので」
「うん、ありがと仁美ちゃん。
夜、由希子やみんなでご飯だね♬」
「俺達って、有志なんだな…」
少し物悲しい気持ちで、音楽堂へ戻った。
◇
「あ痛っ!…サッカーボール…どこから?」
「トーマ、ゴメン!蹴れる〜?」
マリア?
蹴る…のか?
ボールを蹴るの、いつぶりだろ?
よしっ!
「リハビリは順調。約20m…
このくらいなら!それ!!」
バシンッ
「YA-MAN。流石だぜ♬」
「トーマ、ナイスパス!!」
「マリア〜、パスパス」
「OKバンビ!!」
「…」
け、蹴れた!
蹴れた!!!
「良かったね、斗真くん。笑」
「お、おう!!」
「お前らぁ〜、そろそろ戻れよ〜!」
「ガキどももささっと帰れよ〜!!」
◇
「トーマっち、なんかいい事あった?」
「おっ、俺達の分?
まぁ、ちょっとな♬」
「あ、茜。ありがとう。あちち。
あっ、夜みんなでご飯だからね」
「あ、今日だった!!りょ〜かい!
はい、ニッシー」
「な、投げるな!!お、あ、あつ!!」
「秋だねぇ、あっ、猫ちゃん♬」
「猫、おかえり〜。
せんせーいないから、焼き芋食べるかぁ〜?」
「…美味い」
「みんなぁ、お茶ですよ〜♬」
…
…とりあえず、食欲の秋だなぁ。
ウマッ!!
…
…
「さて、学祭の演奏会に申請してきました!」
「い、いつの間に!!」
「お前がプリンに焼き芋乗せてた時だよ!!」
「テヘペロ!!」
「ま、毎年吹奏楽部も、さ、参加するそうです」
「ふむ、そういえばあったな。
一度勧誘されたが、ウマが合わなくてな」
「わ、私も、です」
「一度演奏聴いてみたいよな。誰かスパイに行けないかな?」
……
「お、俺!!なんでみんな指差してんだよ!?」
「アンタが一番、ぽくないし。
面割れてないからね〜。
あたし達、意外と有名なのよ」
…確かに…濃いからな…
ん、それなら…
「茜、お前も付き合え!由希子、頼んだ!」
「あぁ、なるほど!あるわよ…はい」
「えぇ、ウチも!?ぶぁ、ウィッグ!?」
「…行ける…」
「まぁ、まぁ、茜ちゃん可愛い♬」
「えぇ、黒髪ぃ〜!?」
「ん?」
「でも…いけてる?笑」
「お洋服も変えましょうね〜♬
こっちかな?コレなんかどうかしら?」
「…」
「カヨカヨの服、胸がデカいよ!!」
…で、デカいんだ!!
「それじゃ、トーマ。これ!お任せしまーす」
「なんだコレ?…レコーダー?」
「バッチリ、お願いしまーす!!」
かくして俺と茜は吹奏楽部へのスパイ活動を開始したのだった。
……
「…」
「ど、どうしたの斗真クン」
「…」
「…ぶは!!ダメだ斗真クンって、ウケる!!」
「いや、なんか新鮮だなって」
「可愛いっしょ?惚れた?」
「うん、確かに可愛いな。
茜、コレお前も出てみたらどうだ?」
「ちょ、何サラッと言ってんの!!」
「しかもミスコン?」
「いやいや、出ないし!!」
「そっかぁ、案外由希子に勝つんじゃねぇか?」
「も、もう行くよ!ホラ、斗真クン!!」
「ヘイへ〜イ」
しかし、色々やってんだな、この学校。
おっ、学食のスペシャルランチ!!
今年はなんだろうな♬
そう言えば、夕夏も来るって言ってたな。
アイツ、俺の部屋に泊まる気か!?
……
めんどくせぇが、お祭りだしな。
久しぶりに妹孝行してやるかな!!
……
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次回 第36音
「小さな痛み」




