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イディアハルモニア  作者: 金柑


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31/53

第28音 「思い出とはとかくも儚いもの」


俺は朝、男子メンバーを集めた。


昨晩、大事な事を忘れていた事に気付き、

夜中にルーえもんを叩き起こした。


「皆んな、聞いてくれ!!」


いつになく、真剣な顔の俺達に残りの男子が

何かあったのかと神妙な面持ちだ。


「俺達は大学生だ」


「それも、健全な」

(若干1名除く)


「あぁ、そうだな。ゴクっ」

一心が唾を飲み込む。


「合宿も残り2日」


「今俺達に足りない物はなんだ?」


西田が自信満々に言い放つ。

「愚問だな、練習だ!!」


「それも、ある!!」

「いや、それが一番大事だ!!」


「だが、しかし」

「だが、しかし。忘れてないか!!」


「ここは南国だ!!」

「ギリギリ夏だ!!」


……


ゴクリ

一同の唾を飲み込む音が響く。



「お色気だよ、お色気ー!!」


「いや、すっげぇ上達してマジで楽しいよ!!」


「だけどさぁ、ウチのメンバー見たろ?」


「皆んなレベル高けぇんだよ!!」


「俺、男子校だったんだよ!!」


「なんか、したいんだよ!!!!」


「…」


「ズコーー!!」

ルーと握手を交わしていたら他の3人がこけてた。


「なぁ、夏の思い出が欲しいんだよ〜、いや大人の階段登るとか、そんな事は別に良いんだよ」


「ただぁ、『せいしゅん』って言うの?

ちょっと味わってみたいんだ♬」


「全く、何を言い出すかと思えば…」

西田がやれやれしてる。


「いや、兄弟。そりゃオイラも男だ。

気持ちは分からなくもないが…」


「なぁ、ひろ坊?」


「…先輩…ドローンなら…ある!!」

「ひ、ひろし〜♡」


「ま、待て、待て、犯罪だぞ。それは!!」


「とか何とかいって、直継は見たくないんですかぁ〜」

「い、いきなり、名前で呼ぶな!!」


「そ、それはまぁ…僕だって男だ!!

そんな気持ち、あ、あるに決まっているだろう」

「に〜し〜だ〜♡」

「えぇい、戯れるな!気色悪い!!」


「ひど〜い」

「貴様、ヒロミに似てきてるぞ。

気をつけろ、貴様も十分ガチムチだ!!」


「しかし、ドローンを持って来てた弘には感謝だが…」

弘がガッツポーズしてる。


「問題はそのヒロミだ!!」



「…無理だ…勝てん」



どうしたものか…?



と、そこでスタートから沈黙を続けていた

ルーが話し始めた。


「見るだけで、良いのか。Mano?」


「ル、ルーえもん??」


「もう一度聞こう、見るだけで良いのかい?」


「だ、だけど、お、お前そりゃ、まずいだろ」


「合法なら良いんだよ、合法ならね…」


「「ルーえも〜〜ん」」



その後の練習はこの合宿で


1番の出来だった事は言うまでもない。




遊びの時間


俺達は何をするのか聞かされていなかった。


ルーが、練習開始前に


「YA-MAN、ちょっと遅れるぜ」


と言って黒服さんと消えて行ったけど…


ど、どうするんだ、ルーえもん!!


「YA-MAN、今日の遊びは俺の番だぜ」


「皆んなアイマスクをしてついて来てくれ!!」


ササッと黒服さん達がアイマスクを持ってきた。


「合宿も、明日で最後。

前祝いとして今日はこいつだあーー」


一斉に、アイマスクを取る俺達。


「プールパーティだ!!」


((ルーえも〜ん))


「おまけに、温泉を引き込んだ。

温泉プールパーティだぜ!!!!」


「もちろん酒もあるぜ〜♬」


「派手に騒いじまおうぜ〜」


「バイブス、ぶち上げて行こうぜ〜!!」


((ルーえも〜〜ん!!!!))


ホテルの影から親指を突き出し、グッドラックと言っている黒服さん達に敬礼をした。


「そいじゃ、皆んな着替えようぜ。水着は黒服さん達が用意してくれてるぜ」


「おぉ、可愛いじゃん!!」

「ウチ、これぇ〜!!」

「沖縄では、間違えまーした。笑」

「ま、まどか先輩、こ、これお似合いです!」

「そ、そう?ちょっと派手じゃない??笑」


「おい、ルー、ルーカス!!」

俺は限りなく小声でルーを呼んだ。


「温泉プールパーティはサイコーだけど、コレ何が合法だ?普通じゃないか?」


「YA-MAN、ト〜マ、よく見てみなよ」

「プールが一回り小さくなっているだろ?」


俺はハッとした!!


「そう、実は昨日の夜既に黒服さんに相談済みだったのさ!」


…黒服さん…♡


「小さくなったプール、何がおきる?」


「…」


「必然的に、接触する確率が上がる…だと…」


「YAAA-!!」


俺はゴクリと唾を飲み込んだ。


「て、天才…」

「それだけじゃない、温泉になった事で

プールの水に濁りが発生している」


「見えないとそれだけで心理的ハードルが下がるものだ」


「あ、あわ、あわわ」

「そこに…酒だ」


「火照った身体に心地よく冷えたアルコール。

普段より酒が進む事間違いない!!」


「で、でも、ルーえもん。

皆んなお酒を飲むのかな??」


「はっはっはっ、安心しなよ斗真くん」

「ん?」

「コレは、ルールだ!!」


俺はまたもハッとした!!


ルーになら抱かれても良いとさえ思い始めていた。


「遊びは全力で!それにまもなく合宿も終わる」


「さ〜ら〜に…夏も終わる。」


「そんな時レディはセンチになるものさっ♬」


「演出も任せてくれ、手持ち花火、スイカ割り、水鉄砲に滑り台」


「コレで、何か起きてもダレかのせいになるはずはない!!」


もう、お前神だよ。


「さらに…」


「ま、まだあるのか!!」

「こ、怖い、怖いよルーえもん」


「これはトーマにだけ話す…」

こっちこいと手招きする、ルー。

既に目の前だけど。


「実はあの水着の紐は丹下グループで開発された

特殊な紐でな、水に触れていると徐々に溶け出すと言う代物だ…」


「そ、そんな物、いったい…」


「黒服さん達からの提供だ…」


「は、鼻血が…」


「トーマ、俺は最高のManoに出会えたよ」


…黒服さん達も泣いている。


「ともかく、全て偶然で、事故だ!!」

「何も恥じる事はない、全力で楽しもうじゃないか!!」


もう、顔が見れないよ、ルーカス。


「さぁ、レッツエンジョイだぜMano!!」



もう周りを見るのが怖いくらいだった。


まだ女子は誰もプールに入っていない。


食事とお酒を、楽しんでいる。


水着のデザインは全て一緒だが、


すげえ、全サイズ揃ってるよ。


最早凶器としか思えない、佳代。


それは、芳醇な桃を彷彿とさせる、茜。


全てにおいて完璧なバランスの、由希子。


イタリアの血がそうさせるのか、十分なサイズに情熱を秘めた、マリア。


それだけでは少し寂しく感じるが、腰から伸びる美しい肢体の、まどか。


それと、木下さん。


俺とルーは、はやる気持ちを抑え一足先にプールへと飛び込んでいた。


あぁ、生き返るわぁ。


やっぱ露天風呂ってのはサイコーだね。


サバーン


「イャッホー!!」


茜が飛び込んで来た!


あ、茜さん!!


茜を皮切りに次々とプールに入り出す女性陣。


はわ、わ!!


ぜ、全員なんて!!


そ、そんなどうすれば、あ、ああ、茜?


……


ん?


俺はスィーっとルーの元へ近づいた。


「お、おい、だいぶ時間経ったけど…」

「あ、あれ、とっくに時間のはず」


「ほらぁ、皆んなでスイカ割りしましょ♡」


ヒロミが皆んなを集めた。


一斉にプールから上がり出す女性陣。



もちろん水着着用で。


「あ、あれ、間違えたかな?」


ルーが黒服さんに目をやると、



全員渚さんに叩きのめされていた。


ひ、ひどい…


「お、おうMano…」

「ま、まずいな…」


逃げ出そうとしたその時、

俺は自分の下腹部に違和感を感じた。


「る、ルー!!」


ルーも真っ青な顔色をしてる。


「あっら〜、どうしたのお二人さん?

スイカ割りタイムよ〜ん♡」


「皆んなで全力で楽しまないと、

ルールなんだから!!」



俺は全てを察した。


聞かれていたのだ、全てをヒロミに!!


ぬかった…!!


立つ瀬がないどころか正に立つ事が出来ない!!



「何してんの二人とも!?」


「あ、あかねっ!!」


茜がプールサイドで体育座りで俺を覗き込む。


「は、はっは、

いや俺達はもう少しお湯を楽しもうかと…」


「な、ルー♬」


「マ、Mano…」


終わったルーも佳代にロックオンされてる。


もう、顔が隠れて見えないよ佳代。


「さて、どうするアンタ達…」


「今ここで謝るなら、後であたしのアイアンクローとコブラツイストで許してあげるわ♡」


「…」


「ちなみに、なぎちゃん以外には話してないわ」

「5秒で決めなさい!!」


「「すいませ、ぶくぶく」」


俺と、ルーは即プールの中で土下座した。


……


夏の日に

夢見た日々は

過ぎ去りて

思い出とはと

かくはかなけれ


……


ーーーー

次回 第29音

「置き時計」

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