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イディアハルモニア  作者: 金柑


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第25音「異質なモノ」


合宿4日目の夕方


俺たちはさらに上手くなれる。


そんな日々が明日から始まる!!


くぅ、ワクワクすんなぁ♬



ーーーー



あたしが、自分の違和感に気づいたのは

小学5年生の頃。


我ながらガタイも良くてスポーツでは負けなしだった。勉強もできたのよコレが♬


あたしは、姉の友達と遊ぶ事が好きだった。


一つ上の姉、美咲。


綺麗なのよ〜、身内贔屓じゃなくて本当に。

おままごとしたり、雑誌見たり。

姉の洋服を勝手に着た事もあったわね。


そんなあたしを心配した両親が、

あたしにバスケットをやらせ始めたの。


水が合うっていうの?

凄かったのよあたし、県の代表とかにも選ばれちゃったり。


……


でもね、あたし恋をしたの、初恋。

年上のコーチに。もちろん男♡


すぐに気付いちゃった。

あぁ、あたしは人と、違うんだって。


ずっと違和感感じてたから

直ぐに腑に落ちたわぁ。

なんか、逆にスッキリしちゃって♬


だけど、隠したの。

望まれてないのも、わかってたから。

自分が我慢すればいいかなって。


美咲だけは気付いていたみたい。


流石姉よねぇ〜

妹の変化にはすぐ気付いたんだって♬


今思えば、小さなフォローをいっぱいしてくれていたわ。


……


バスケで高校に進学したんだけど、

とうとうあたし限界が来ちゃって、

家出したの、1ヶ月くらいだったかしら?

学校に出掛けてそのまま。笑


両親には心配かけたわ。

あっ、ちゃんと謝ったわよ♬


それでね、東京へ行ったの。


新宿。


あそこに行けば分かってくれる、

認めてくれるって。


……


若かったのよね、あたしも。

結局押し付けてただけなの。


俺じゃない、あたしを見て!

私を受け止めてって。


危なかったの…

変な連中に連れて行かれそうになった時

助けてくれたの…


そう、オカマが♡


ここ何日か見てたんだって、

若い仲間がいるって。


凄いのよオカマネットワークがあるんだから♡


その時助けてくれたのがあたしの師匠。


音楽教えてくれたのも師匠。

オカマ教えてくれたのも師匠。

そして、愛は押し付ける物じゃなくて、受け止めて与える物だって。


……


色んな人がいるのよあたし達って。

見た目も女、服やメイクだけ女、見た目そのままなのに女。


あっ、あたしもそうね♡


それでね、色々なお店で働いているんだけど

皆んなすごいのキラキラで。

お客さんに

元気を、愛を、明日を与えているの。


あたし、もう涙が止まらなくなっちゃって。


そしたら師匠が

「馬鹿野郎!オカマはな人前では笑うもんだ!!」


「俺たちはな男も女も、大人も子供も。

皆んなに勇気を与えられる、そんな存在なんだ。」


「泣くくらいならオカマやめろ!!!」


って。


……


皆んな自分に誇りを持ってるの。


オネェさんが言ってたんだけど、


「ヒロミ、あんた恵まれてるよ。

お姉さん、気付いて知らんぷりしてくれてるんでしょ?」


「それに、ママに会えた。

あたしももっと早くママに出会えてたらもっと違ったのかなって?」


「あたしは勇気がなくて、人と違う自分を認める事が怖かったの。周りから変な目で見られるのも怖かった」


「でも今は大丈夫、あれママの落とし文句よ!笑

あたしも言われたもん」


「でもあれで救われたの…笑」


「あんたも同じだといいわね♡」


その後オネェさん、


「そんなあたしに彼氏も出来たし、家族はまだ認めきれていないみたいだけど、会話は増えたわ!!」


「だから、あたしは踊るの!踊って踊って、今のあたしで勇気をあげるの♬」


「もちろんお金もよ〜♡」


もうオネェさんが羨ましくて!!笑


……


それから家に帰ったの。


姉が迎えてくれて、両親は2人とも泣いていたわ。


あたし、ずるいけど今ちゃんと話さないといけないと思ったの。


「パパ、ママ、あたしは女性です」って


……


姉が助けてくれたの、

ヒロミは変なんかじゃない!!


性同一性障害って言うものなんだ!

自分を偽れば偽るほど壊れちゃう、

ヒロミじゃなくなっちゃうって。


今で言う性別不合ってやつね。


姉も泣いてたの、本当にあたし恵まれてた。


ママは謝ってた、

「ごめんなさい、私が、私が」って。


ママ違う!!ママは悪くないって。

ただ、私がそうだっただけって。


……


それから一晩中話をしたわ。


師匠に出会った事。


そこで、色々な仲間に出会った事。


俺があたしでいても良いって教えてくれたこと。


自分を認めてもらうには、相手を認めないといけない事。


ふふ、懐かしいわ。


今では女3人で買い物も行くわ。

あたし、主に荷物持ちだけど…笑


パパもね、一度師匠に挨拶に行ったの。

お前を認めてくれた人だろ?

挨拶するのが筋だって。


で、この間師匠から連絡来たんだけど、

お店にボトルキープしてるらしいのよ〜♡


ママになんて言おうかしら♬


……


それでね、それからは世界が広がったわ。

あたしを、馬鹿にしたり変な目で見る連中もいるけど、なんとも思わなくなったわ。


可哀想って思っちゃうの。


自分と違うモノを認められないんだって。


だから言ってやるのよ。

「おめぇよ、相手の事なんも知らねえでガタガタ言ってんじゃねぇぞ!!」って


「あたしの事知りたかったらいつでも相手になるわよ〜♡」って


……


色んな人に出会ったわ。


あたしになった事で今まで見てこなかったモノが見えるようになったの。


同じ悩みを抱えている子。


毎日ただ生きてて目標の持てない子。


他人と価値観が合わなくて苦しんでる子。


……


オカマってね、最強なの!!


男で女♬


最強じゃない♡


……


そんな時、由希子に出会ったの。


「あんた、サイコー!!音楽やってんでしょ?」

「来なよ…大丈夫。

あたし達があたし達でいられる場所だから」


あたし嬉しかった。

自分を、ちゃんと見てくれるって。

見た目で判断しないでくれるって。


あら、やだ。

あの子の事褒めてるわね。


ダメよ、本人に話したら。

あの子すぐつけあがるんだから!!


あたし達はいつも通り喧嘩してるくらいが

丁度良いんだから♬


……


茜がいて、由希子がいて、

どんどん人が増えて行ったわ。


気付いたら、

ここがあたしの居場所になってたの。


あたしにオカマ以外の居場所が出来るなんて思わなかったわ。


……


それに、最後にきた斗真。


あの子は絶対に才能あると思うのよね。

あたしと同じ匂いを感じるわぁ♡


……


コレがあたしの「普通」じゃない


「普通」の話。


どう?興味出た??


もっと知りたいなら、今晩空いてるわよ♡


……


ーーーー

次回 第26音

「成長」



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