第22音「綻び」
合宿2日目
教授の指示通りちょっとした休憩のみで
14時までぶっ続けで音を奏でていた。
誰に教えてもらったわけでもないのに、
全体のレベルが上がっている気がする。
気持ちが、技術を引き上げてくれてる。
俺達はまだまだ上手くなれる。
意外だったのは佳代かな、
吹っ切れたように音に自由さが
生まれている気がする。
前までの佳代は凄く丁寧な演奏だったけど
今は…
うん
良い意味で我儘だ。笑
逆にちょっと心配なのはまどかだ。
休憩を挟んだり
入って来ない事もあった。
流石に心配だったので、一度止めて確認したら
「ご、ごめんね、
なんか今日あんまり調子良くないみたい」
「どうする、部屋戻るか?渚さん呼ぶか?」
「う、ううん、大丈夫!体調悪いわけじゃないんだ。
なんか上手く音が拾えなくて…笑」
「そっか、疲れかな?」
「まぁ、まだ二日目だし無理すんなよな」
「ご、ごめん、皆んな!!さぁ、始めよ♩」
……
気付けば14時になっていたようで渚さんが
呼びに来た。
「みんな〜、お疲れ様!」
「今日の音楽は終わりよ」
「一心君、用意しておいたわよ」
「渚さん、すいませんっす!!」
「かなり、量があるから頑張ってよね」
「ウッス!!ありがとうございます!!!」
「あっ、渚さんもどうっすか、ご一緒に」
「そうね、お呼ばれしちゃおうかな?♬」
渚さんと一心が盛り上がっている。
……
「おい、澤村。なんだと言うんだ?」
「なぁに、盛り上がってんじゃん?」
「まぁな、午後の一発目はこの俺が頂いたぜ!!」
「な、なんでしょう?あ、あまり激しいのは…」
「…疲れた」
「なぁに、激しくなんかねぇさ」
「片したら、俺のロッジに集合だ!!」
なんだろう、自信満々だな。
……
「こ、これは!!」
「おう、今日の一発目は『流しそうめん』だ!!」
「「イッエーーーイ!!」」
一心は昨晩から準備をしていたらしく
鰹節を削る所からつゆを作っていたらしい。
どうりで香りが全然違う。
それと薬味が、良い。
シャキッとした玉ねぎ
生姜に山葵。
途中木下さんが梅干しを持ってきてくれた。
……
「お、おい茜、ルーお前も。上でとったら下まで流れて来ないだろ!!」
逆に弘は下に溜まったそうめんを食べてる。
「…同じじゃない?」
…同じじゃない!!
マリアと佳代は
そうめんに入ってる色付きの麺だけを取ろうと必死だ!!笑
◇
腹もいっぱいになり
爺に作らせねばとか言ってる西田を置いて、
俺達はビーチに向かった。
「YA-MAN!!次は俺だぜーー!!」
「ふぅーー♬」
茜とルーが踊ってる。
ホントこいつら同じだな…笑
「腹ごなしにビーチバレーだぜぃ!!」
いつの間にか用意されていたバレーのネット。
木陰で黒服の皆さんが休んでいる。
お疲れ様です…
「普通じゃつまらないから、優勝チームは最下位チームに一つ命令できるって、ルールさっ!!」
物騒な事を言い出すルー。
「もちろん、無理難題は無しでヨロしくだぜ♬」
厳正なるくじ引きの結果
俺、ルー、ヒロミ、茜がリーダーとなった。
ここからはじゃんけんだ。
残されたメンバーから判断すると、
マリア、まどか辺りが、欲しい!
西田、弘はごめん!!
……
チームが決まった。
俺、まどか、一心
ルー、由希子、木下
ヒロミ、佳代、西田
茜、弘、マリア
悪くない…
サッカー小僧としては負けられない!!
…
1回戦
ヒロミチーム対茜チーム
一言で言うなら…圧倒的だった。
ヒロミはもちろん、佳代が積極的だったのと
意外や意外、西田が冷静な働きをしていた。
2回戦
俺チーム対ルーチーム
接戦だった。
足の調子が完全ではない中でなんとか勝ったが、木下さんのリベロのようなパス回しが見事としか言えず、
体調も良くなったまどかのフォローと
一心の決定力で辛くも勝利を収めた。
決勝戦
俺チーム対ヒロミチーム
強すぎだよ…
……
とうとうビリ決定戦。
優勝チームは、
理性的な狂気 西田
意外性の狂気 佳代
圧倒的狂気!! ヒロミ
恐ろしい、あぁ、恐ろしい。
本当勝っていて良かった…
……
結果は
茜チームの勝利!!
言い出しっぺのルーチームの負けだ。
由希子と木下さんの体力切れが敗因だ。
……
罰ゲームはなんだろう?
マリアがヒロミと内緒話しをしているが??
◇
白熱のビーチバレー大会を終えて、
「今日の最後はワタシデース!!」
おっ、マリアか。
なんだろな??
「わたしの提案は…写真大会デース!!」
「お願いしマース!!」
サッサッ
どこからかカメラを持った黒服の皆さんが現れた!!
この暑いのに、黒服って…
お疲れ様です!!
……
「皆さんにはデジカメをお渡しシマース!!」
「この島の中で、1番魅力的なシーンを
撮影してきて下サーイ!
ディナータイムに発表デース!!」
おっ、なんか楽しそうだな♬
「バレーの勝利チームにお願いして、罰ゲームを一緒に考えマシタ」
「わたしは大会に参加しないので、敗者チームは写真撮影後にわたしの所に来て下サーイ」
「それではスタートデース!!」
……
「皆さ〜ん、晩御飯ですよ〜」
渚さんの声で写真大会が終了した。
皆んなどんな写真を撮ったのかな?
◇
「それでは、
早速皆さんの撮った写真の発表デース♬」
「まずはトーマ!」
「お、俺?」
「ドウゾー!!」
俺はデジカメをモニターに接続した。
夕陽の沈み始めた海の写真だ。
「オオ、中々素敵デスネ!」
「俺、海好きだし、丁度沈み始めててさ、
あっ、この瞬間って今しかないって思って」
「Ottimo!!素晴らしいデース」
…
「次は、イッシン!」
「おう!!」
一心の写真がモニターに映し出された。
猫が腹を出して寝ている写真が映っていた。
「どうだ、こんな瞬間中々ないぞ。」
「五匹だぞ!!」
「五匹の猫が腹出して寝てんだぞ、可愛いだろが」
「Che carino! 可愛いデース」
…
「次はヒローミ!!」
「んふふ、とうとうあたしの番ね♡」
「讃えなさい!!」
ヒロミの写真がモニターに映し出された。
文字通りヒロミの写真が。
「どう、この肉体美!!
丁度滝があったから素晴らしい写真が撮れたわ…♡」
「Sensuale…素晴らしいデース」
……
他の皆んなも中々個性的な写真だ。
最後はまどかだ
「さぁ、最後はまどかデース」
「な、なんか恥ずかしいなぁ。笑」
まどかが照れながら写真を映した。
浜辺で写真大会の説明をしている時のみんなの写真だ。
「風景とかも良かったんだけど、皆んなの顔が
素敵だったからコレにしちゃった。笑」
「Che bei sorrisi!!なんて素敵な写真デスカ!!」
「ワタシ、優勝決めました!
優勝はまどかデース!!」
「文句ある人イマースカ?笑」
「「いない!!」」
「流石、まどかだな」
「むう、確かに日常の中にこそ美があるものだな」
「わ、わたしなんか、つ、ついこだわりすぎちゃって」
「ははっ、ありがとう。恥ずかしいな。笑」
……
「さて、素敵な写真の後は罰ゲームの結果発表デース!!」
「どうぞ、ご覧クダサーイ」
モニターに写し出されたのはグラビア写真のような由希子と木下さん。
完全にコスプレのルーが写し出された。
亀のコスプレ、ヤシの木のコスプレ、猫のコスプレ。
そしてルーを小道具に二人の美女!!
セクシーに挑発する由希子。
時に悩ましく、時に、はつらつに。
恥じらいながらも必死にポーズをとる木下さん。
普段見ることのない表情にドキッとさせられる。
もうさ、売れるよこの写真集。
……
「あ、あ、あんまり、見ないで下さぁ〜い!!」
「何よミツミ、あんたもノリノリだったじゃない?女はね見られて綺麗になるのよ♬」
「むしろ見せなさい♡」
「俺は楽しかったぜ〜♬」
「しかし、マリア良い腕してるわね。
今度本格的に撮ってみて欲しいわ」
ヒロミみたいな事言ってるな…笑
今日の晩飯は最高だな。
サンキュー、マリア!!
…
「普通か…」
………
ーーーー
次回 第23音
「普通」




