第19音「バケーション」
大会出場を決めた事を教授に話しに行ったら
「お前らが決めたんならそれでいい」
って
意外と反応薄かったな。
そんなこんなで曲決めや編曲でバタバタしてたんだけど、
……
時間が足りない
圧倒的に…
…
俺達は本格的にやってきたわけじゃない。
以前に比べたら上手くなってるけど
今回はコンクールだ。
オケとしてもう一段上に上がらないと。
……
どうしたものかと考えていたら
「そんなら合宿でもすっか?」
き、教授!?
「よし、沖縄行くぞー!!」
……
「「ヒャッホーーーイ」」
……
「波多野〜〜」
「学長のさ、別荘の鍵借りてこい!」
「お爺様の?」
「あ、あそこですね♬」
「後、航空券と単位。学長責任で」
「分かりました、任せてください!!」
なんか凄い事言ってないか?
君沢さんって、学長の孫!!
だけど…
沖縄!
実は初めてなんだよなぁ〜♬
やべぇ、水着買わねぇと!!
「そんなわけで、来週から2週間沖縄合宿だ!!」
「「フォーーーー!!!!!」」
ーーーー
青い海、白い砂浜、照り付ける太陽。
なんて月並みな表現だ。
……
だが、それがここにある!!!
俺は感動に震えていた!!!
「YA-MAN!!
バイブス上がってるなぁトーマ♬」
「おぅ、ルーカス!!」
「辞めてくれよMano、
俺達は兄弟だろ、ルーって呼んでくれよ♬」
俺達は肩を組み
水辺で遊ぶ女性陣を眺め、
もとい、
見守っていた。
茜の
キャラと正反対の真っ白なツイストビキニ。
眩しいな、よく似合ってる
木下さんの
遠慮がちなフレアビキニ
妖精かな、可愛いな
由希子の
大胆で布面積は多いはずのクリスクロスビキニ
ふぅ、セクシーだ
まどかの
健康的な身体を引き立てる、ボーイレッグ
くぅ、逆に刺激が
佳代の
溢れんばかりのホルターネックビキニ
あぁ、こぼれる!!
マリアの…
ガチ泳ぎだね、間違えたのかな?
競泳用だよねあれ。
「ルー…」
「太陽が眩しいな…」
「ちょっとあんた達!どこ見てんのよ!!」
「ヒロミ!?」
日焼け一つないまるでミケランジェロの
彫刻のような肢体…
そして、ブーメランパンツ。
「お前、水着は男なのね」
「失礼ね!!
あたしは自分の身体に自信を持ってるの!!」
「隠す物なんて何もないわ、
さぁ、あたしを見なさい♡」
「「…勘弁してください…」」
◇
俺達は思い思いビーチを満喫していた。
西田は、
海の家の何故かうまいラーメンの分析をしている。
一心は、
女性陣をナンパして来たチャラ男を撃退してる。
あっ、殴られた!
すげぇ、気迫だけで追い返した!!!
弘は、
死んでる…
日差しに負けたようだ。
ルーは、
知らない人とビーチバレーやってる。
俺は一休み中だ。
「喉乾いたな、自販機はっと」
「トーマっち、ウチも行く〜」
「オゥ、こけんなよ〜」
…
こけた
…
皆んなの分も買おうかと茜と手分けしていた。
「ねぇ、どうかなトーマっち?」
やめろその質問はずるい!!
「ねぇ、なんか言ってよ、ウチ恥ずかしいじゃん」
サイコーだよ、めっちゃ似合ってる。
ってか、お前基本可愛いんだよ。
ウチのオケメンレベルたけぇって。
こちとら、年中無休のサッカーボーイだぞ
耐性なんかねぇから。
「あぁ、いいんじゃねぇか似合ってるよ」
「ねぇ、ちゃんとこっち見て言って!!」
「あぁ、可愛い、可愛いよ!!」
「んふふ、まぁ合格かな。笑」
「な、なんだよ」
「いや〜、
トーマっちはムッツリさんだからなぁって」
「お前なぁ」
「ウチのあんな写真持ってたワケだしぃ」
……
「それはもう、本当にごめんなさい」
「いいよ、別に。
トーマっちも、男の子なんだから。笑」
飲み物を袋に詰め終えて
ビーチに戻ろうとした…
「今度はちゃんと目に焼き付けておけよ」
「少年♬」
夏の太陽に照らされた茜の笑顔と健康的に焼けた美しい肌から目が離せなかった。
ーーーー
ホテル、大浴場にて
カポーン
「いやぁ、遊んだ遊んだ!兄弟、めちゃくちゃ焼けてるな!!」
……
「ってか、練習はぁ!オケはぁ!!」
「何にもしてねぇぞ、俺ら」
「西田、やめろぶつぶつラーメン考えるのは!!」
「し、しかしなぁ、先程テイクアウトして来たのだがどうにも釈然とせん。味が違うのだ!!」
「そう、それが海の力だ。
今度ゆっくり説明してやるから」
「むっ、そうか、頼むぞ」
「まったく」
「弘みろ、体調良くなって来たのに
お前の話で酔っちゃったじゃねぇか!!」
「す、すまん」
体調悪化の弘を寝かせ大部屋でくつろいでいる俺達だが、
…
教授達は
「明日までは遊んでろ!!」
「後は大人に任せて下さいね」
とか言って、ガタイの良い黒服の方々を引き連れてどっか行っちまった。
「なぁ、トーマ」
「トーマは誰が好きなんだよYO」
「修学旅行か!!」
「だって日本人ってのはManoと寝る時はこういう話するんだろ?」
「西田としてろ!!」
「ニッシーはなんか一人でぶつぶつ言ってるし」
「海マジックだと!そんなバカな!」
「浜辺で食べると1.75倍効果が上がるなんて」
「初耳だ。じ、爺に、直ぐに庭に浜辺を作らせないと!!」
「一心は!?」
「イッスンはコーヒー牛乳飲み過ぎでトイレ」
「弘寝てるし」
「なぁ、暇だよトーマ!!」
「西田ぁ、帰ってこい!!」
「はっ、ど、どうした岬?」
「砂浜は作れ、そんで呼んでくれ!!」
「一心!!どうだ、腹は」
「おぉう、大分落ちついて来たぜ」
「これ飲んどけ」
「ス○ッパ、すまねぇ兄弟」
…
「よっし、飲み行くぞ!ルー女子呼んでこい!!」
ーーーー
俺達は飲んだ、飲んで飲んで呑まれて飲んだ。
……
うゔ〜、ちょっと飲み過ぎた…
「悪りぃ、ちょっと外行ってくるわ」
酔いを覚ます為、夜風にあたろうと外へ出た。
ザザーン…
海近かったな…
フラフラと浜辺へ歩いて行った。
あぁ、海風が気持ち良いなぁ…
…
んっ、誰かいるな?
あれは、まどかか?
「おーい、まどかぁ。お前も酔い覚ましかぁ?」
「おっ、斗真君。
そう、ちょっと飲み過ぎちゃった。笑」
「岬君も?お水飲む?新しいのあるよ!!」
まどかから受け取った水を一気に飲み干した。
「ぷわぁ、生き返るなぁ」
「サンキュー、まどか!!」
そういやまどかと二人になる事なんて
今までなかったなとか思っていた。
「いえいえ、しかしみんな元気だね。まだ飲んでるの?笑」
「西田は寝てる。茜とルーはまだ飲んでる。
他はカラオケ行くって」
「タフ〜、私明日からの事考えたら無理だな。笑」
「だなぁ、俺は半分以上やけ酒だ!笑」
「斗真君らしいんじゃない?笑」
「そうか?笑」
「しかし、まどかといると落ち着くなぁ」
「ヒロミと由希子が喧嘩してる時とかいつもまどかが止めてくれるし」
「個性だらけのあいつらの中でまどかだけが普通だよ」
「俺達の良心だな!!」
俺は酔いもあって、普段なら恥ずかしい事を口に出していた。
…
…まどか??
「まどか、どうした?」
「ご、ごめん、なんでもないよ。
照れるからやめてよ〜笑」
「皆んなもそんな事思ってるの?恥ずかしいな」
「間違いない!
みんな、まどかに感謝してる!!」
「ヒロミなんて、あたしと由希子が本当の喧嘩にならないのはまどかのお、か、げ♡とか言ってたぞ」
「一心だって、まどかすげぇな。皆んなの事ちゃんと見てるよな」
「って、あっ、本人には言うなよ!!笑」
……
変な間だな?
「まどか?」
「ううん、ちょっと嬉しくてびっくりしちゃった!!笑」
「ほら、まだ飲むんでしょ?」
「明日から始まるんだから程々にね!!」
「は〜い、戻りま〜す」
「…私はもう少し、風に当たってから戻るね」
「わかったぁ〜、なんかあったら連絡くれ〜」
やっぱりまどかは俺達の「良心」だ♬
その後酔い潰れた西田と会計を残し
カラオケに合流した。
……
まどかは
「西田君とホテル戻ってます。
会計は済ましておきました」
メールだけ届いて、カラオケには来なかった。
まどか、サンキューー!!
明日割り勘だな。
ーーーー
翌朝
俺達はまどかに謝って、割り勘代を払った。
「いえいえ、それより皆んなちゃんと朝ごはん食べたの?
二日酔いはわかるけど身体持たないよ」
安定のオカンぶりに朝から感謝だ。
…
さて、
俺達は海辺に来てる。
昨日の浜辺だ。
「ねぇ、トーマっち。海来たけどどうするの?」
「さぁ??
皆んなもメール来ただろ?
俺は海に来いとしか書いてなかったけど」
「俺は、弘に酔い止め飲ませとけって」
「飲んだか?」
「…うん」
一心が、「そうか、良かった良かった」
とか言って笑ってるが、
…酔い止め?
…
「ね、ねぇ、あれって?」
「オゥ、キョージュでーす」
「わ、わ、わ!!!」
大型のクルーザーの先端に教授がいる?
よく見えるな、マリア。
ピッピッピッ
「は、はい」
「おぅ、斗真か?良く寝れたか?」
「お陰様で…じゃなくて。
なんすかその船!!
先端にいるの教授っすよね?」
「あぁ、そうだ。あと10分くらいで着岸できっからよ、皆んな連れて防波堤の方に向かってくれ」
「乗るんすか!!」
「おぅ、弘に薬飲ませとけよ〜」
ピッ
「なんか、船乗るって」
「「えぇ〜〜!!」」
……
驚くやつ、喜ぶやつ。
はっはっ、
最近慣れてきたけど、
やっぱこいつら好きだわ。
否定するやつ、誰もいねぇ。
……
「ほら〜、岬ぃ、置いていくわよ〜」
由希子?
はっ、みんないない!
「お、お〜い、置いてかないでくれ〜!!」
俺はみんなを追いかけて、走り出した。
……
ーーーー
次回 第20音
「破れ鍋に綴じ蓋」




