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イディアハルモニア  作者: 金柑


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19/53

第17音「この街大好き」


5秒前!!


4、3、2……


「さぁ、始まりました。 


『この街大好き』のコーナー!!


本日はなんと、「夏の食」生放送スペシャルでーす!!」


「そして、本日のスペシャルゲスト。

アイドルグループ、sound playのyukiちゃんデェ〜す」


「はい、こんにちは!!あなたの音はどんな音?」


「sound playのyukiでっす。よろしくお願いしまぁす!!」


「よいしょ〜、パチパチ!!」

「いやぁ、今をときめくyukiちゃんが、こんなロケに来てくれるなんて。」


「え〜、私めっちゃ見てますよ!!」

「ほんまに〜?出演決まってから見たんちゃうの?」


「いやいや、ほんとに好きですって」

「そんなら、嬉しいやん!!

ほんで、宣伝も無しやなんて…泣」

「私も、めっちゃ嬉しいです〜」


「あっ、そういえば。コホン」


「私たちsound playの3rdシングル『YUUNAGI』が本日リリースされました!!」

「楽しいだけじゃない、切ない夏の恋を歌った私たち初のバラード曲なんです」


「宣伝やないか〜い!!」


……


「はい、OKでーす。

オープニング以上となりまーす」


「このまま移動になりま〜す」


「スタジオからの戻り、15分後になりまーす」



「さぁ、映画コーナーは以上となります」

「中継先、呼んでみましょう」

「yukiちゃ〜ん」


……


「はーい!!」

「ほんで、ワシの事呼ばんのかい!!」

「はっはっは、すいません中西さん。

今日はどちらへ?」


「まぁ、ええわ。

本日は調田市、調田駅の前に来ております」


(AD :歩きながら1店舗目へ)


「なかなか趣きのある商店街やねぇ」

「yukiちゃんは商店街なんか行かんやろ?」


「えぇっ、行きますよ!!」

「私愛媛なんですけど、『金天街』って長い商店街があって、良く買い食いしてました♬」



「yukiちゃーん、

yukiちゃんはどんなの買い食いしてたの?」



「…そうですね、コロッケとか唐揚げとか♬」


「はい、そんなわけで、先ずは『立石商店』さんの『肉じゃがコロッケ』です〜」

「ご主人、よろしくお願いします〜」


「どうも…」


「すいません、主人口下手で。笑」


「ご夫婦でやられて?」

「そうなんです、このコロッケ先代からあるんですけど、この味に騙されてコロって結婚しちゃって」

「おかぁさん、ウケんでよろしいがな。笑」



「中西さん、行列ですよ!?」

「ホンマやな、yukiちゃんお客さんにインタビューしてみよか?」

「はい、私初インタビューですけど、頑張ります!!」


(AD:おばぁさんとヤンキーの2人組)


「すいません、インタビューよろしいですか?」



「はいはい、あらTV?やだ、お化粧。笑」

「すいません、生放送なんですけどお顔大丈夫ですか?」

「こんな、おばぁちゃんで良ければ♬」


「こちら、良くいらっしゃるんですか?」

「そうね、美味しいのよ〜。午前中に売り切れちゃうんだから!!」


「午前中に!大人気ですね!!」

「もう召し上がったの?」

「まだなんですよ〜、もう匂いが、たまらないですね♬」


「あら、こんな事してる場合じゃないわよ。笑」

「はい、楽しみです♪」


(AD:ヤンキーにもふって)


「こちら、お孫さんですか?」

「いや、ダチだ」



「yukiちゃ〜ん?」


「あぁ、すいません。お友達なんですね、素敵です」

「あっ、ああ。照」


(AD:実食、戻り)


「あっ、揚がったみたいです。出来たて頂いちゃいま〜す」


「なんや、上手いやないか!」

「頑張りました!!」

「ほな、揚げたて肉じゃがコロッケの食レポもいってみよか〜」


「はい、頂きます!!」



「美味しい〜!サクサクで香ばしくて、並んで迄皆さん購入するの、分かります」


(AD:中西食レポ、見せつけて)


「yukiちゃん、まだまだやな」

「おっちゃんが、見せたるわ!!」


「ご主人、えぇ香りですね、油から違いますやろ?」

「は、はい、うちは黒豚のラードと数種類の油を混ぜて使っています」


「はぁ〜、どうりで香りが違うと思いましたわ〜。しつこくないんですわ、匂いが」

「それと、パン粉。見ただけでわかりますやん、ザクザクのパン粉。こんなん美味いですよ」


「は、はい。古い付き合いのパン屋さんに酵母から特別に作ってもらっています」


「中西さーん、いいから早く食べてください!!笑」


「こりゃ、失礼。笑」

「ほな、頂きます」



「なんですのんこれ!?」

「ごめんなさい、下手くそなレポになっちゃうわ」


「美味い!!」


「えぇ事言うたらとか考えるのが、アホらしくなって来ますよ」


「いやいや、何か言って下さいよ。スタジオに試食の用意ないんですから!!」


「優しいんですよ、優しいんやけどしっかり主張してくるんですわ」

「なんや、ホッとするちゅうんか。

あんた頑張らなあかんよって

オカンに背中押されてる感じですわ」


「亡くなった母が、

弁当に入れてくれたのが最初なんです。

学校でも大好きな肉じゃが食べられるように」


「だからやなぁ、なんや今日も一日頑張ろうって、元気もらえますわ!!」


「恐縮です」


「なんやしんみりしてもうた!笑」

「そんな、立石商店の『肉じゃがコロッケ』

1個200円、売り切れごめんやで〜!!」


「…」


「これや!どうやyukiちゃん?笑」

「勉強になります!!」


「ほな」


「「スタジオに戻しま〜す」」


……


「はい、OK!!」

「次、ゲームコーナー挟んで30分後です」


「ご主人、ホンマ美味かったですわ」

「あれ、本音ですねん。

オカンの肉じゃが思い出しました。」


「今度買いに来させてもらいますわ!!」



「中継戻りまーす」


5秒前、

4、3、2……


「スタジオさ〜ん、めっちゃ楽しそうですやん。

たまにはロケじゃなくて

スタジオに呼んで下さいよー」


「中西さん、ほらほら、次のお店ですよ」

「yukiちゃん、そんな怒らんといてぇな。笑」


「次は中華屋さんやね」

「もう、既に匂いがやばいで〜す。いい匂〜い」


「いらっしゃい」

「ご主人のワンさんです。よろしくお願いします」

「よろしくネ」


「これは、店頭で蒸してはるんですか?」

「めっちゃくちゃいい匂いです!!

なんなんですか?」


「良く聞いてくれたネ、私中国で特級点心技師の資格持ってるヨ」

「日本に点心広げたくて、始めたよ」


「へぇ、特級技師!!なんやすごいですやん」


「中西さん、私もう我慢できません!!」

「俺もや、スタジオに匂いを届けらへんのが残念でしかたないです」


「ワンさん、お願いします!!」


(AD:カメラに向けて、ゆっくりと開けて下さい)


「うわぁ、すごい湯気、そしてこの香り!!」

「ワンさん、これは?」


「王特製、スペシャル肉まんネ!!!!」


「やばい、うまそう!!スタジオ用意はないんですか?ない?ロケの方が絶対いいじゃん!!」


「これは厳選した日本の食材で作った特製の王xo醬を使ったスペシャルネ」


「日本の豚肉面白いヨ、全国で皆愛情いっぱい、頑張って育ててるネ」


「皮もそうよ、日本の小麦で作ってるネ」


「ワンさん、ワンさん、頂いてもよろしい?」

「おぉ、食べるといいネ、たまげるとヨイ」



「ほな、頂きます〜」



「あつっ、美味ぁ。なん、美味ぁ」

「はふ、はふ、美味しい〜、コンビニのしか食べた事なかったから、衝撃です!!」


「心外ね…コンビニ頑張ってるネ。

だけど、あれは『製品』ネ。私は『商品』を作ってるネ」


「日本の言葉で私好きなの、『商い』ネ。

これは勝負ヨ!!

お客と職人の戦いネ。ガチンコよ」


「うわっ、全部食ってもうた!!」

「わ、私もです」


「ホントに美味い物、言葉いらないネ」

「それが勝負ヨ!!」



「いやぁ、二人とも凄いですね!!でも、尺が足りないんで、お客さんにもインタビューお願いします」


「そ、そうですね!

中西さんインタビューは私に任せて下さい!!」


(AD:そこのスキンヘッドとメガネの人に)


「失礼しま〜す、インタビューよろしいですか?」


「TV?顔は無しで頼むよ〜、ヒック。」


「まだお昼ですけど、結構飲まれてますねぇ」


「おねぇちゃん、飲んでんじゃないのよ、ヒック。あのインチキ臭いおっさんの作るモンが酒を飲ませるのよ…ヒック」


「オマエ、ダレガインチキカ!!オマエノホウガインチキネ、コノハゲ!!」

「インチキだろ、お前普通に喋れるだろ!ヒック」


「あわわ、ど、どうすれば」


「お嬢さん、気にしなくて結構だ。この二人にはいつもの事だ。喧嘩するほど仲が良いだけだ」

「あっ、お兄さんにもお伺いして良いですか?」


「ふむ、僕も顔は伏せてもらえるのなら」


「あ、ありがとうございます!!」


「良くこちらにはいらっしゃるのですか?

ご家族って感じではなさそうですが?」


「そうだな、ある種の師弟の関係と言うのが最も正しいかと思う。僕らはまぁ、常連と言うやつだろう、ヒック」


「そ、そうなんですね」

「良く何を召し上がりますか?」

「メニューもいっぱいで、良心的なお値段で目移りしちゃいますよね♬」



「実に難しい質問だ、

この店の料理は何を食べても本当に美味い。

我が家のシェフとして迎えたい程だ!

しかも特別な素材を使わず、これ程の味が出せるなんて、本場中国で何軒も食べてきたが本物の『中華料理』はここにあったのか!!

っと、初めて来た時僕は感動して泣いてしまったよ!!笑」


「そ、それほどですか!?」


「君もさっき食べただろう?見ていたよ。

あれが答えだ。

必要以上に飾らない、

客を満足させる事に尽力する。

料理の本質だな。それがここにはある!!」



「それに見てくれ」


「ホラ、ハゲはコレでも食べて酒飲むとヨイ」

「金ツカウネ」

「まぁ〜た〜か〜よ〜、モグ。も〜なんで美味いんだよ〜、紹興酒おかわり」


「おっ、ワンさんそれ美味そうだね?

こっち追加ね!!」

「ワンさ〜ん、あたし達も追加ね」

「こっちもこっちもー!!」


「本当に美味い物に理屈がいるのだろうか?

そこに集まる人を見れば自ずとわかる物だよ。ヒック…」


「は、は、は、なんだか楽しいお店でした。苦笑」


「スタジオにお戻ししまーす」


……


「はい、OK」

「この後、ニュースとアニメ挟むんで、次は1時間後予定です」


「中西さんずるいです一人で食べて!!」

「いや、もう美味いのなんの!!」

「あっ、お酒も!!」

「一杯だけ、一杯だけやがな」


「そこな女士、美味い料理には、美味い酒ネ。

適度な酒は料理のレベルを引き上げるネ」


「じ、じゃあお言葉に甘えて…」


「本当だ、全然違う。お酒もキツくない!!」


「バランスネ」


……


「次はこちらの大学の学食になりまーす」

「緊急入ったんで、15分押しでーす」

「45分後、スタジオからフリでーす」

「一旦マイク外しまーす」


……


「心配ですね。1日も早いご回復をお祈り申し上げます」



「さぁ、また中継を繋いでみます。

中西さ〜ん、yukiちゃ〜ん」 



「モグ、モグ」


「ちょっ、いきなり何食べてんですかぁ!!」


「ごめんごめん、コレギャルの学生がくれたんやけど、調田の特産ブルーベリーを使ったプリンやねんて!!」


「コレ、ホント美味しいですよ!!後で絶対SNSあげちゃいますね、これは」



「さっきのおねぇちゃん、言った通り、めっちゃ美味やったで〜」


(AD:本筋戻り。中西食堂へ、yuki、ギャルとプリン込み写真)


「ほな、次に紹介すんのがこちら調田国際大学の学生食堂になります。こちら、学生さん以外でも利用できるとあって、お客さん凄いですわぁ」


「って、yukiちゃん!!何写真撮影してんねん。

さっきのプリンギャルやんか!!笑」


「じゃ〜ね、フォローバあんがと!」


「ホラyukiちゃん戻って来ぃ、全く。笑」


「ブルーベリープリン、スタジオさんの分も送ってくれるって♬」

「そりゃ、感謝やな!!笑」


……


「ほんなら早速、券売機やね。yukiちゃん何にする」


(AD:yuki本日のA定 中西:B定)


「私はぁ、本日のA定食で!!本日はミックスフライですって。」

「yukiちゃん、揚げ物好きやなぁ。」


「ほならワシはB定食にしよかな?

本日は…なんや書いてへんやんか」


『仕入れとご注文のお客様によって異なります』やて、なんやごっついな」


「すいませ〜ん、注文お願いしまーす」


「はぁい、A定一丁。B定のお客様は…はいかしこまりました!!番号でお呼びしまーす」


「さぁ、お料理待ってる間にこの調田市、調田街の紹介を市役所、広報の課山下さんにお願い致します。」


「はい、調田市、広報課の山下と申します。よろしくお願い致します。」


「新宿から特急でスグ!緑豊かな調田市は、歴史ある神社や映画の街として有名です。散策のお供には名物「ブルーベリープリン」や、お土産に「調田ワイン」「TYODビール」がおすすめです。都市の便利さと豊かな食の魅力をぜひ体感しに遊びに来て下さい。」


「山下さん、ありがとうございました。プリン僕らもさっき食べましたよ!あれはめっちゃ美味いですね、嫁に買って帰らな。」


「しかし、ビールもあるんですね!!」


「ありがとうございます。プリンお届けさせて頂きますね」

「いやいや、買いますよ〜、ホンマに!!」


「でしたら…こちらを!!」


「うわぁ、ビールじゃないですか!!」

「yukiちゃんホンマに酒好きやな…笑」

「はい、特にビール大好きなんです♡」


……


「えぇんですか?仕事中なのに??」


(AD:2人ともいっちゃって)


「OK!?yukiちゃんそんなら頂こか?」


「「かんぱ〜い」」


「ング、ング、ぷぁ〜!!」

「うんまい!!本格的やなぁ」


「ング、ング、ング、ぷっはぁ〜〜♬」


「えぇ飲みっぷりで。苦笑」

「yukiちゃん、自分CM来るで。笑」

「お待ちしてま〜す」


(AD:料理入ります)


「さぁ、お料理出来たようです、お願いしま〜す」


……


「コレは逆やったかな?」

「yukiちゃんの、茶色ぃなぁ。笑

それとエグいなボリュームが!!

これで1000円!!!安っ!!!!」


「中西さんのは、なんか優しい定食ですね。

お豆腐とお野菜、お魚、凄いバランスが良いですね。」


(AD:お店の方呼び込み。食堂の女将、高木さん)


「それでは、女将の高木さんにお料理を紹介していただきます。高木さんお願いします」


「はい、高木です。よろしくお願い致します」

「よろしくお願いします」


「それにしても…笑。

A定食凄い事なってますね!笑」

「はい、学食ですので、ボリューム満点に作ってます。」


「yukiちゃん…もう食べてるやん!!」


「中西さん、ミックスフライなんですけど、すごいですよ。バランスも、考えてお野菜のフライとかも入っててボリュームだけじゃないです」


「そうですね、若い子って考え無しに食べちゃうでしょう?

だから栄養バランスとか、飽きないようにって考えてます。

今日の一押しは調田のレンコンを使ったイカのすり身フライですね」


「ほしたら、僕もいただきますね」


「はぁ、なんや落ちつくなぁ」

「B定食は、基本は決まってるんですけど、なるべくお客さんに合わせて調整してるんですよ」


「中西さん、朝から色々食べてらしたんでしょ?

ちょっとお腹も疲れて見えたから、消化を助けながら満足感ある内容にしました。笑」


「もう、オカンですやん」

「めっちゃ嬉しいわぁ」

「こんなん、中々食べらへんで。」

「いや、嫁の事言ってるわけと違うよ!!」


「中西さん、そのお豆腐一つ下さい!!」

「ほんならレンコンのと交換や!!」


「ってyukiちゃん、いつの間にテーブルにCDを!!」


「本日リリースでーす、聴いてねぇ♬」


「以上、調田市、調田街からお届けしました〜」


「嫁ぇ、プリン買って帰るからなぁ〜!!!」


……


「はい、OK!!」

「本日、以上となりまーす、お疲れ様でした〜」

「マイク外しまーす」


「お疲れ様でした〜」

「ありがとうございましたー!!」


「すいません、市役所の方とスチールお願いしまーす」

「yukiさん、番宣用、ワイプ5秒だけお願いします」

「中西さん、オンリーもらって良いですか?」

「AD、物撮り先!!」

「すいません、ロケ車5分で着きます」



「は〜い、中西さん、yukiちゃんありがとうございました〜!!」


「中々良いコンビでしたよね?笑」

「yukiちゃん、CDもう買いました!!」

「なんで持ってるんですか?笑」


「と言う事で、今回の『この街大好き』は夏のスペシャルとして初の生中継と言う事でしたがいかがだったでしょうか?」


「新宿から特急ですぐの調田市、皆さんも是非遊びに行ってみてはいかがでしょうか?」


「今週はここまで」


「「良い週末をぉ〜」」


………


なんか、俺の知ってるヤツがいっぱい出てた。


……

ーーーー


次回 遊びの音

「されどプリン」


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