魔の理
更新です。今回は魔法についてです。
遠征初日の夜。火が熾されたキャンプ地には、静かな時間が流れていた。
ガルバとトトとロイドは仮眠に入った。この後は交代でトトとロイド、最後はガルバの3交替だ。俺は本を読むセリアの隣で、穏やかな炎を見つめていた。
「魔法の仕組みを教えてもらえませんか。この世界の理を理解しておくことは、今後冒険者としてやっていくには必要不可欠ですので」
俺の言葉に、セリアは意外そうに目を丸くし、それからふわりと微笑んだ。銀色の髪が、焚き火の光を浴びて淡く揺れる。そっとセリナは本を閉じた。
「ふふ、エイドさんは本当に勉強熱心なのね。いいわよ、少しお話ししましょうか」
セリアが説く、魔素と魔法の基本
魔力: 個々人が持つエネルギー、スキルポイントで得ることができるし、元々持っている人もいる。
魔素:世界中に遍在している。結晶化したものが魔石
魔法:魔力を使い、魔素を変化させている。覚えるには魔導書が必要。
「魔法使いの適性っていうのは、自分の魔力を使い大気中の魔素をどれだけ効率よく、かつ繊細にコントロールできるかっていう『感受性』の強さね」とセリアは語る。
俺は彼女の話を、前世で培った知識と照らし合わせながら頭の中に組み込んでいく。
「なるほど。魔法使いの方は、常に自分の周囲にある魔素の密度を、感覚的に測っているのですか?」
「ええ。たとえば今、この場所は魔素が穏やかね。でも、深い森や古い遺跡に行くと、魔素の密度が高まって制御が難しくなる。そのコントロールこそが魔法使いの技術よ」
セリアの話を聞きながら、俺は『魔』というものを少しだが理解した。
「制御を誤った場合、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか」
「一番の失敗は『魔力酔い』ね。制御しきれない魔素が逆流し、精神と肉体が耐えられなくなる状態。回路が焼き切れて、最悪の場合、取り込んだ魔素の毒に体が蝕まれてしまうわ」
俺は深く頷いた。自分の器を超えて力を欲すれば、待っているのは崩壊だけ。それは自分の元いた世界でもこちらの世界でも共通する絶対の理だった。
「セリアさん、高位の魔法使いは、どうやって魔力を安定させているのですか? やはり、特番な訓練があるのでしょうか。」
俺の問いに、セリアは焚き火の炎を見つめながら頷いた。
「まずは魔力がどう流れているかは知ってる?」
「そう、魔力は血液と同じように全身を巡っているのよ、ただし魔力の量が大事なの。
魔力が0の人と仮定した場合、スキルポイントを5つ振ることによって魔力が身体を循環するようになる。魔力が循環することにより身体操作の負荷が減る、そして魔力が循環することにより呪いや毒などに抵抗力を少し待つことができる、
魔力が増えるとどうなるかというと抵抗力があがり、身体操作の負荷が減る。他には使える人は少ないけど『循環』させるスピードを早くすることができる。そうすると魔力を消費することにより身体強化をすることができる。
ちなみに10ポイント振ることで魔法をつかう、魔力が最低限確保されることになるわよ。
魔法については、さっき話した通り魔導書が必要よ。
ただ同じ魔導書でも人によって覚える魔法が違うの。
自身の経験や知恵で左右されているとは言われているけど本当のとこはわからないの。ただ自分に合った属性は存在していて、その属性の魔導書を読むと他の魔導書より高位の魔法が覚えれるわ。」
(現状、10ポイント注ぎ込んだ俺は魔法を使えるということか魔導書もいずれは手に入れよう)
「ここからが本題の訓練についてよ、私たちの基本は『循環』。体内の魔力を心臓から全身へ、そして再び戻す……この回路を常に安定させることで、魔力の流れを意識し認知することができるようになるの。認知できないものはコントロールできないからね。エイドさん、もしやってみるなら、まずは呼吸に合わせて意識を腹部に溜めることから始めるといいわ」
セリアから教わった呼吸法を、俺は座ったまま静かに試してみた。
意識を丹田に集中させ、自身の魔力を血管を巡らせるように循環させる。
(これが、魔術師の日常……)
セリアが教えた呼吸法を続け、自分の器を鉄壁の要塞へと作り変えていった。こうして遠征初日の夜は、俺の知識と技術を更新しながら、静かに更けていった。
(魔素が逆流してくるということは、実際は魔力を媒介として魔素をつかっているのではないのだろうか。んー、けど身体強化の説明がそれだとつかないか。いずれは調べてみよう)
「エイドさん、あなたって本当に不思議な人」
セリアは悪戯っぽく笑い、焚き火の明かりの中で、二人の間には穏やかな時間が流れた。
俺は『循環』を意識したまま、彼女が遊ばせている光の粒を静かに見つめていた。こうして魔法という未知の資産を体系的に理解しておくことこそ、自分の生存率を高める。
知っていると知らないでは全然違うのだ。
誤字脱字と因果関係に違和感あれば教えてください。
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