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第25話:新キャラ・泥ちゃん登場

【ミサキのログハウス前】



「ちわーっす! 木島です! ご注文の『英国風ビクトリアン・ドールハウス作成キット(総額15万円)』、お届けに上がりましたー! 毎度あり!」



「おー、来たわね。ご苦労さん」



「ミサキさんも女の子らしい遊びするんすね……って、あ、あのデカいの、なんすか?」



「あー、あれ?『泥ちゃん』。新キャラ」



「新キャラ? ……あ、もう第3章すからね。

   細かい設定は省略ってことで」



「察しがいいじゃない」



泥ちゃん:(ズオォォォ……ペコリ)



「うっす。じゃ、俺、次の配達あるんで!」木島は細かいことを考えるのを放棄し、爽やかに去っていった。彼もまた、こちらの世界に順応しつつあるようだ。





「さてと。やりますか」



「——配信開始」



【コメント欄】

:きたあああああ

:わこつ

:今日は何? 解体?

:今北枠乙

:後ろになんかデカいのいるwww

:新キャラ?

:泥人形ワロタ



「みてみて♡ 買っちゃったぁー じゃーん 〜英国風ビクトリアン・ドールハウス〜 そういうわけで、今日は私がこれで遊ぶ。ただそれだけの放送です」



【コメント欄】

:ファッ!?

:高そうなオモチャだなオイ

:総額いくらだよこれ

:ミサキちゃんが人形遊びだと…?

:槍とか斧じゃなくて?

:意外と乙女で草

:後ろ泥人形が気になって話が入ってん件

:↑あれ「泥ちゃん」らしいぞ

:泥ちゃんwww

:エプロン似合ってて草

:またとんでもないもん召喚したな

:泥ちゃんも作りたそうに見てるぞ

:シルバニアファミリーかな?

:ここに住みたい

:家賃いくらですか?

:ガミの家より立派で草

:↑それな☜(゜∀゜☜)

:細かすぎて目が潰れるわ

:完成度高えええええ

:泥ちゃんがガン見してて可愛い



「はい、じゃあ次はお風呂場ね。皆んなはさ、お風呂なんだけど、ヒノキと大理石だったらどっちが好きかな? あ、そうだ。アンケ取ってみよ」



〜アンケート機能を使用します 〜



《Q. どっちがいい?》


① 総ヒノキ

② 大理石

③ 両方


【コメント欄】

: ①

: マジックミラー号仕様

: ②

: ③

: ガラス張り

: シースルー

: 露天



《投票終了》



【結果発表】

① 総ヒノキ(2%)

② 大理石(3%)

③ 両方(95%)



「……ふーん。みんな優柔不断だね。

             両方って何よ」



【コメント欄】

:いや、そうでない

:シースルー

:ガラス張りだ

:両方あれば最強

:マジックミラー号仕様

和洋折衷カオス

:泥ちゃんも頷いてるぞ

:泥ちゃんに投票権はないのか

:泥ちゃんかわよ



ふと……気配を感じて顔を上げると、泥ちゃんが私の手元をジッと見つめていた。



「……ん? あんたもやりたいの? 

      いいよ、真似して作ってみな」



泥ちゃんは「ズオォ!」と嬉しそうな声を上げ、廃材置き場へと走っていった。





【コメント欄】

:!?

:デカすぎんだろwwwwww

:ドールハウス(人間サイズ)

:実寸大wwwwww

:仕事はええええええ

:これもう離れじゃん

:建築確認申請いらないレベルの家きた

:泥ちゃん有能すぎない?

:俺の家(1K)より広くて泣いた

:誰か住めそう

:ガミの新居これにしようぜ

:完成度たけーなオイ

:これ3時間で作ったんか?

:ミサキ工務店爆誕

:泥ちゃん社員第一号

:これいくらで貸してくれますか?

:敷金礼金なしでお願いします



「……あんた、器用ね。

      ま、物置にでもするか」





【有明・そなエリア東京 執務室】



一方その頃。京極は、スマホの画面に向かって鬼の形相を浮かべていた。



 ……ふざけるな。なんだこの平和ボケした映像は……!

 


「許さん……!」



>こ、い、つ、は、だ、つ、ぜ、い……しゃ、で、あ、り……



——必死にコメントを打つ京極。



 [送信]



だが、コメントの流れは早すぎた。

 


【コメント欄】

:8888888

:[♪]o【才×〒゛├♪】 ☆.。.:*・゜☆

:すげええええ

:( ゜∀゜)ノ

:◀︎▫️ ▫️ ▫️ ▫️ ▫️ ▫️=€

:泥ちゃん天才かよwww

:建築スキル持ちか

:.•*¨*•.•*¨*•.¸.•*¨*•.•*¨

:wwwwwwwww

:神回

:♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥

: ★═━┈ ☆═━┈ ★═━┈ ☆═━┈ ★═━┈ ☆═━┈

:ガンバ━━○(・ω・`)o━o(´・ω・)○━━!!!

:草

:ミサキもえ

:w



 ……は……はやすぎる……流れが早すぎて……システムが拾ってくれない……



 ……チッ



「猿渡さぁ。ベンダー呼んで!なるはやぁ」



「はぁ…甲田さんですか?で、ご用件は?」



「自動書き込みツール(bot)を作らせる」



「Botってw」思わず笑ってしまう猿渡。



「何がおかしい? 

   お前は言われたことやりゃいんだよ」



「お言葉ですが、開発部長に直発注なんてしたら後で請求どうするんです。完全に業務外ですよ」



「金なら払う」



「いえ、しかし……あの人、ただの技術屋じゃないですよ。容赦なく、本当に請求書回してきますよ」



「チッ……もういい、

      俺が電話する。番号回せ」



☎︎あ、もしもし、()()()()内閣府・政策統括官付・防災担当の()()()()()と申します……いつも大変お世話になっております……

  

開発部長の甲田様をお願いしたいのですが……




 =i=  =i=  =i=  =i=




あ、甲田さん……その節はどうもです……ご苦労さまです……でですね! ちょっとお願いがあるんですけども!


お電話じゃなんなんで、今からそちらにお伺いしても……


え? なに? あ、そうですか、いえいえ、それではお待ちしておりますので!!! ……で、いつぐらいに?


はいぃ? 


あ、ちょっとそれだと遅くなっちゃう感じですよね……えぇ、


なるはやで!……待ってるんで!!



(第25話 完/第26話へ続く)

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