69 女神様に忠誠を
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しまった。力を練りすぎて気絶していたか?!
だが、その甲斐あって力の核が出来たかもしれない。いや、脆いな。力を生み出すのは数回が限度か。長期間もつ核を作るには、あの男の力がもっと必要だり
ん?なんだ?世界の感じが違う。いつもはリンダの元気な気で満ちた空間が、違う気で満ちている。なんだ?生臭いな。
「はは!ははは!やったー入れたわ。これで私はベルゼ様の正妻よ!」
やかましい声が聞こえる。甲高い声を出すな。確かルナだったか。大した力もなさそうな小悪魔だな。私のリンダをどうしたんだ?
「ふふ。私、天才かも。あんな貧弱な人間、追い出すのも簡単だったし、あ、ルナの体はどうしよう?考えてなかったわ。とりあえず交互に入って死なないようにしなくちゃ。」
リンダを追い出して入ってきたのか?なかなか器用だな。まあ、女神や悪魔なら二つに分かれることは割合あること。私の妹なら分かれても上手くやるだろう。探すにも、助けるにも私の力では足りないから仕方がない。
さて、この女だが、リンダが居ないのだから、あの男の相手をさせよう。なに、蛇女くらいすぐに取り込んでやる。
私は蛇女を背後から抱きしめた。
「ぎゃ!な、何??」
驚く女の体を回転させて瞳を見つめる。出来損ないとはいえ、今は力の核があるので力を生み出せる。それを女の目の中にどっさり注ぐ。魂への直接干渉。我ながら凶悪だ。
「あ、あ、あ、あ……」
女は口を開けて涎を流し始めた。小悪魔にこれはキツかろう。可哀想に。ふふふ。
「可愛いルナよ。私の代わりにベールゼブブの相手をしておくれ。ただし、その間も私を一番に愛しておくのだよ。」
「は、はい。はい。ああ、ああ、我が君様。誠の我が君様、溺れる私に、お慈悲をお慈悲をくださいませ。分かれても貴方様のお慈悲を頂けるなら、私は何でもいたします。」
「おや、可愛い子だ。良かろう。そうだ、リンダをどうしたか教えておくれ。私の妹なのだ。」
「あ、ああ!お許しください。妹様は蛇にしてしまいました。でも、きっとお探ししてお助けします。だから、だから私を嫌わないで下さいませ。」
「ああ、良い子だ。ただ、私が呼んだらすぐに戻るのだよ。私はベールゼブブの相手など死んでもごめんだ。話したり食事したりも嫌なのだ。私の代わりにあの男との一切の接触を任せたいのだよ。」
「は、はい。はい。必ずお役に立ちますわ。ああ、愛しい方。こんな気持ちは初めて。」
「良い子だ。おいで。」
「はい!ああ、生涯の忠誠をお誓いします。」
ふふ。地母神であり、美と愛の女神と言われた私の力を注がれて、更に魂同士で交わるとなれば、裏切ることはあるまい。
瞳をキラキラさせて媚びる蛇女からは色欲が溢れ出し桃色に輝いている。こうして懐いてみれば蛇女もなかなか可愛いものだ。頬に手を伸ばせば、柔らかい感触、期待に満ちた目。私は可愛い部下を得るべく、求められるまま唇を押し当てた。




