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64 姉様の復活

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「姉様!!」


 馬車の中で異様に眠くなり、眠ってしまった私の前には大好きなアスタロト姉様がいた。


 感極まって抱きつくと、甘い良い匂いと、普通のマシュマロよりずっと触り心地の良い女神のマシュマロが私を迎えてくれた。ああ、幸せ。


「短い間に頑張ってくれた。こんなに早くこの姿を取れるとは思わなかったぞ。」


 にっこり笑ってくれて嬉しくてしょうがないけど、何したんだろう?最近悪魔さんとは何もなく、今日マッサージしたくらいなんだけど。


「姉様、あの、マッサージはそんなに力を吸収できるのですか?」


「ああ、なかなかの効率だった。自覚がないか。」


「え?あの?」


「良い。良い。気にするな。今と同じに過ごしていれば良い。この調子なら意外に早く核を作れるかもしれん。そうなれば、お前もあの男の相手は卒業できる。私も頑張るから、頑張ってくれ。期待している。」


 優しい声に甘い匂い。姉様は私をぎゅっと抱きしめてくれる。ああ、もう、何でも良いわ。私は姉様を助けるの。


「はい。姉様。」


「うむ。今からジオルと茶会か。どうもアレは覚えておらんようだ。だが、覚えていなくとも味方には出来るだろう。隙を見て、口付けよ。アレなら、それであっさり落ちる。面倒な事にならん様に事故を装うのだぞ。」


「はい。」


 ジオル、姉様にチョロい認定されてるわよ。


 うーん。事故かあ。酔っ払って転ぶ感じかしら。お茶会のお茶にお酒入れて。


 でも、ブランデーって紅茶に入れても飲みにくいのよね。ミルクティーに入れてもらえれば、飲みやすいかしら。


「リンダ、可愛い妹。」


 最後に姉様は頬にキスしてくれた。


 みんな知らないでしょ?女神のキスって凄いのよ。甘い香りが立ち昇って、最高に幸せな気分にしてくれるの。全てを捧げたくなるんだから。ああ、幸せ。姉様のためなら悪魔との結婚生活も耐えてみせるわ。


 私の意識は、ふわふわのと浮上していった。そうだわ。馬車の中で寝ちゃったんだわ。幸せなひと時だったわね。悪魔さん、ジオル、貴方達が愛する人は最高ね。


「私が愛しているのは君だよ?リンダ。」


 ぱっと目を開けると、まだ、馬車の中だった。


 心臓がバクバク言っている。え?あれは何?最後のやつ……。


 目を覚ます直前に悪魔さんの声がした。いや、ただの空耳というか半分寝てたんだから夢よ。


 アスタロト姉様じゃなくて私が好きとか、ない!ないない!!あるわけ無いわ。


「君を愛してる。」


 また、聞こえる!!これ、お茶会で浮気しない様に術をかけられたんだわ。や、ややこしいのよ!本当に姉様じゃなくて私を愛してるのかと思っちゃうじゃない!そんなわけ無い。ジオルも、悪魔さんも本当に好きなのは姉様よ。私と二人並んだら姉様をとるに決まってる。そこ、誤解すると痛いからね。マデリーンだってきっと姉様を知ったら……いいの。姉様は本当に素敵だもの……。


 私は眠ってしまった非礼をマデリーンとジオルに謝った。二人ともにこにこして許してくれた。

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