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56 子供に興味はないそうです。

56

えーっと、はい、16歳ですね。あ、今日が誕生日なの?


 16歳の誕生日なら豪華な誕生日パーティーかと思いきや、16歳の婚約パーティーらしい。なんでも、小さい時からの婚約は16歳になった時、再度誓いの言葉を言ったりして完成するらしい。その儀式をしめやかに行った後、盛大なパーティーをするのだそうで、この婚約で学園の入学資格も得るのだそうよ。


 私の記憶では王立と銘打たれた学園は魔法学園だけだ。国立は別に士官学校とかあるんだけど。


 でも、渡された学園のパンフレットに載っているのは王立魔法学園と王立淑女学園、淑女学園なんて聞いたこともない。


「淑女学園は国内の女性の憧れですわ。王族の女性や王族のフィアンセが通う特別な学園ですもの。リンダ様はもうすぐ、ご入学ですわね。」


 嫌な予感しかしない。


 戦慄く私に、特別扱いで魔法学園に引っ張ってもらえるほど魔法が使えるわけでもない皇太子の婚約者は淑女学園に行くしかないとの知識が落ちてくる。頭こねくって記憶を入れるのやめて欲しいわ。気持ち悪いのよ。


 そう言う事なら仕方ない。観念してパンフレットの淑女学園のページを開く。


 淑女学園の目的は王族の女性と王族の配偶者となる女性の性教育を主眼とした学園です。王族女性として子供を産むための教育はこの世で最も崇高なもの。また、配偶者との円滑な関係のためのコミュニケーション能力を高めるため、礼儀作法、歴史、法律などの教育にも力を入れています。


 何を主眼に学校作ってるのよ。こんなの家庭教師でいいでしょう。王妃教育とかプリンセス教育でちょろっとすれば良いでしょう!なぜ、わざわざ魔法学園の隣に校舎を建てるの!!周りに性教育受けにきてるって丸わかりじゃない!!


「寮なの?せめて家から通いたいわ。」


 ランは困ったように宥めてくれる。


「私も参りますから。それにレナお嬢様もルナ姫様もご一緒ですよ。」


 また、頭がこねくられて知識が入ってくる。ああ、そうなんだ。入ってきた知識によるとレナは私の正式な妹で公爵令嬢、ルナは王女だ。


 でも、二人は双子の姉妹なのだそうです。いえ、正確には私を入れて三つ子か。


 入ってきた知識によると、金髪パープルアイのレナはある日突然、妹としてやって来た。12歳の時だ。時を同じくして、ルナも王家に迎えられた。容姿はレナとそっくりで、まるで童話のお姫様だと評判だ。


 この変な状況を説明すると、この世界のルールで婚約破棄の提案する場合、男側は切り落としてくれと腕を差し出すことになる。

 女側は陰湿で、婚約破棄した後も肉体関係を拒まないという条件を提示する。


 ちなみにこの婚約破棄の条件は婚約した時に誓うのよ。ただ、子供の頃の婚約なら16歳になった時に改めて誓うルール。つまり、私は今日誓うわけね。


 お母様は陛下の側室になるため、婚約していたの。でも、お父様が正妻にした。つまり、陛下に婚約破棄を許されたけど、お父様との結婚後も陛下を拒めないわけよ。


 で、稀に見る珍事が起きたの。私、レナ、ルナは3人一緒にお母様のお腹に入っていた。出産後、魔術で私はすぐお父様の子供と分かって公爵令嬢になったけど、レナとルナは王の子。12年間隠されてどうするかで揉めたみたい。結局、ルナは聖女として神に仕える才能が認められて王家の養女扱いで引き取られ、レナはうちが養女にして引き取る事になった。


「お姉様、お邪魔しますわ。一緒にドレスやアクセサリーを選びませんか?」


 そんな事を考えているとレナが部屋に入ってきた。また、知識が落ちてきて仲の良い姉妹なのでいつもこんな感じで行き来しているらしい。


「ごめんなさい。もう選んでしまったの。」


「まあ、残念。私はいつまでも迷ってしまって。お父様がたくさん買ってくださったから。」


「私はベルゼ様から一着だけ届いたから選びようがなかったのよ。アクセサリーも揃っていたし。」


 口が動くけど、そうだったんだーと私は思っている。あーあ、本当に悪魔の手の中で操られた人生だわ。


「まあ。羨ましいですわ。ジオル様は何もくださらないのに。」


「……」


 レナはジオルの婚約者だ。ちなみにルナは修行中で、いずれ神ベルゼアスの巫女として仕える予定。巫女は神の妻と呼ばれる。ベルゼアスって悪魔さんなわけで、ジオルともども兄妹結婚をぶち込んできたわ。


 ジオルとはまだ会ってもいない。レナの婚約式は内々で行われ、私は招待されなかった。


 ジオルは私にずっと仕えている精霊。私のこと愛してるって言ったわ。ジオルは私を覚えてる?忘れてる?レナのことは愛してるの?


「レナ、ジオル様はどんな方なの?」

 

「とても綺麗な方ですわ。学園でしっかり勉強して浮気されないように頑張りますわ。学園に行くのが実は楽しみで。」


 頬を赤らめてそんな事を言ってくる。ジオルは第一王子側と和解して、現在第二王子として穏やかに暮らしている。レナにしても一回会っただけの婚約者。このままレナと結ばれるのか、マデリーンが登場するのか分からないけれど、このままだと私とは関係なく生きる。


 ジオルは今日のパーティーの主役の一人。私達と同じく婚約の誓いを行った後、パーティーでお披露目。私とも今日、初めて会う事になる。


 むーむー、言いたいわ。ジオルは私のよ!私に忠誠を誓ったし、私を愛してるって言ったんだから!!


 悪魔さん、私が浮気できないように関係構築してるわね。仲の良い三つ子の妹の婚約者で、自分の婚約者の弟だから、二重に義弟、そんな相手と浮気なんてできないし、王妃に愛人はつきものと言っても義理の弟って近すぎる。私はあの変態ストーカーの相手をしてアスタロト姉様に力を送るそれだけよ。


 それに、変態ストーカーもジオルも本当に好きなのは姉様よね。


 ……あ、なんだか、知ってはいけない真実に気付いてしまったかも。もしかして私、お呼びじゃない??


「リンダ様、お支度が終わりましたわ。本当にお綺麗になられて。」


 ランがうっとりしたように見つめてくれる。レナはさっき侍女が早くお支度を、と引っ張っていったので、いない。濃紺のドレスには輝く金糸がたくさん使われ大きく開いた胸元には大きなダイヤモンド。イヤリングは神秘的な輝きのウォーターオパール、ドレスのスカートには飾り穴が開けられていて足がチラチラ見える。確かに綺麗なんだけど、やっぱりこんなにセクシーだと品がない気がする。


「あの、少し首元と胸元が寒いんだけど。」


「はいはい。リンダ様はいつもそう言われるので、ご用意しておりますわ。」


 チョーカー??


 毛皮の白いボンボンがついたチョーカーを着けられる。これで我慢するの??と思ったら魔法がかかっているのか、体の周りの気温が上がった。これで羽織が欲しいとは言わせないということですね。


「リンダ様、ベルゼ皇太子様がおいでです。」


 用意ができて、すぐに来訪が告げられた。私は観念して出迎え、深くお辞儀をした。


「リンダ、誕生日おめでとう。さあ、おいで。この日のために建設した二人の宮殿に行こう。」


 馬車にエスコートされるのかと、差し出された手を取ったら瞬間移動だった。私は見たことのない神殿にいた。よく見る神ベルゼアスの像が中央にあり、神殿には珍しく暖かい色目の壁紙に覆われて、床もふかふかの絨毯敷きだ。


「驚いた?この宮殿はね、君のために新しく造らせたんだ。この神殿も広い庭も全ての場所が君と私の愛の巣だよ。寒がりの君のために全て暖かくしたんだ。」


「あ、ありがとうございます。」


 寒がりって言うか、露出の高い服が嫌なだけなんだけど。


「さあ、我らが神に誓おう。愛しいリンダ、この婚約の誓いを破る時には私の腕を差し出す。如何様にもする事を許す。」


 優しく微笑みながら悪魔さんは誓いの言葉と共に私に優しくキスをする。そして、君の番だよとばかりに私を見つめる。見られすぎて穴が開くわ。


「はい。ベルゼ様、この婚約の誓いを破る時にも変わらず、私の身は貴方のもの。貴方の愛を拒まぬ事をお誓い致します。」


 ああ、我ながら怖い事言ってるわ。これで私からキスして終わり、なんだけど……


「どうしたの?恥ずかしがらないで。軽くで良いから君からキスするんだよ。」


 悪魔さんが急かしてくる。ああ、分かってるんだけど踏ん切りがつかなくて。何とか逃げられないかなあ。


「も、申し訳ございません。母のことを考えると怖くなってしまって……」


「こ、怖い??え、どうして?」


 悪魔さんが思ったより狼狽えている。まずいわ。また、やり直すとか言いそう。


「い、いえ、大丈夫ですわ。婚約破棄なんて滅多にないことですもの。」


 やり直されたら私の存在と記憶を守ってくれた姉様に申し訳ない。


「もちろんだよ。君を他の男に渡すぐらいなら、一からやり直して、あ、いや、君が学園を卒業したらすぐに結婚しよう。婚約破棄なんてありえないから心配しないで。それに君の母上にはもう手を出さないと、父も言っていたよ。さあ、君の薔薇の唇を私に捧げておくれ。」


 仕方がない。私は意を決して突き出してきた悪魔の唇に軽ーく自分の唇を合わせて、さっと引いた。キス待ちの顔って美形でも間抜けね。


 悪魔さんは満足そうに私を抱きしめる。そして、手を胸に突っ込んでくる。


「あ、あの、ベルゼ様?な、何を……」


「可愛い婚約者の胸を揉んでいるだけだよ。気にしないで。」


 気になるわ!!うっ、しかし、この国では胸を揉むのはそれほど問題のある行為ではない。人前で恋人や妻の胸を揉むのは普通なのよ。あ、また記憶が落ちてくる。婚約した9歳から会うたびに揉まれ続けた胸は開発され尽くしてありえないくらい弱く……つて、変な設定を!!


「リンダの胸はかわいいね。こんなに柔らかくて、こんなに敏感で。社交の時少し困るかな?愛するフィアンセの胸を触らないなんてありえないし、少し触っただけで君は蕩けてしまうし。」


 やめて。揉まれてるだけで意識が飛びそう!だめ!ん、ん……


「まあ、大丈夫か。私がフォローすれば良いね。何も怖くないよ。さあ、今は誰も見ていない。我慢しないで。」


 ちょっと待って、挨拶代わりに胸揉む世界で、こんなの酷すぎる。私の胸元を包む大きな掌と長い指に全てを支配されている感覚。今まで知らなかった領域へ意識が引っ張っていかれるようで怖いのに、快楽が伴っていてタチが悪い。


「あ、もう意識がない?君の可愛い失神は社交会の名物になりそうだね。今回はね、時間の魔術と時空の魔術を混ぜてみたんだ。君を殺す回数も減らせそうだよ。自由自在にやり直したり、飛ばしたりと調整できるからね。時間の魔術単体で使うより歪みも少ないと思うんだ。君への愛のおかげで、私の技術も上がっていくよ。9歳の君は可愛かったけど、やっぱりこのくらいの歳でないと食欲が湧かないと言うか、子供は趣味じゃないんだよね。幼馴染という設定は前から考えていたんだけど、子供時代を我慢できるか分からなくて今回が初めてなんだ。幼児には興味が持てなくて16歳くらいからが私の守備範囲なんだよ。」


 まだ、意識はギリギリ飛んでないわよ。じょ、情報感謝します……

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