55 やり直しの人生
55
ああああ!!!やり直し!!!
恐怖のやり直し来たーーー!!!
有無を言わさず、私の意識が飛んでいく。ひーーーまた、この男に殺されるのね。恨んでやる。呪ってやる。ちょっと顔が良いからって!!一途なのはある程度評価するけど、やり方が酷いでしょ!!だからモテないのよ!!
「リンダ!早く、こっちに!!」
「アスタロト姉様!」
私はアスタロト姉様に引っ張られて抱きしめられた。こんな時だけど、ノーブラの女神様の胸は素敵。豊満でふわふわ柔らかいわ。甘い匂いもするわ。ああ、どうせなら姉様に迫られたいわ。
私、姉様を置いて私は消えるのかしら?それともこのまま生まれ変わるの?
「しっかり捕まっていろ。」
姉様は力強く私を抱きしめた。しばらくすると、ぐるぐると回っていた世界が落ち着く。姉様の胸でちょっと窒息気味。いや、意識体だから息苦しいのは恥ずかしくてクラクラしてるのかしら。ああ、この胸ちょっとつついてみたい。
「よし、消えていないな?」
「はい。姉様ありがとうございます。」
姉様は私の頬にキスしてくれた。
「少し、様子が違う。意識を戻して、確認してくれ。私は力を使ってしまった。しばらくこの姿にはなれないだろう。」
「え?!」
「心配ない。また、力を送っておくれ。送られてきた力を練って核を作ることができれば、力を生み出すことができるようにもなる。私の復活はお前にかかっている。すまないが、あの最悪の変態の相手を頼む。」
「姉様!!」
姉様は一瞬光って四散した。光はさらに分かれて、また、記憶の球に戻る。
姉様!!分かりました。私、真のヒロインである姉様のために力を取り戻すわ。あの、最悪の変態……ああ!!嫌だけど!!嫌だけど!!
「お目覚め下さいませ。今日はお城に行かれる日ですよ。」
ん?お城に行くも何も、私お城に住んでたけど……あ、そうか、やり直したから、あれ?赤ちゃんじゃないのね?
「ラン?」
「はい。リンダ様。」
ランが若い。
「ラン、あの、私は今、何歳だったかしら?」
「あら?リンダ様は9歳におなりですよ。今日はジオル様とベルゼ様とのお見合いの日ですわね。ふふ、ジオル様との婚約の話は前々からございましたけれど、ベルゼ様がどうしてもと言われて。王子様二人が奪い合いだなんてなんて素敵なんでしょう。さすが私のお嬢様ですわ。」
じ、時間が!!しかも、話が変わってる!!
今までみたいに人生が変わったんじゃなくて、ゲームのリセットボタン押されたような感じ??いや、それともノーマルエンドあたりからの周回が始まったの??記憶ないと困るわ。どうすれば……わわわ!!
頭の中に何かが捩じ込まれた。それは、グルングルンと頭の中を捏ねくる。ああ、これ今までの記憶、というかエピソードね。えーっと、私は相変わらず、リンダ・アディードで公爵令嬢で、お父様とお母様も同じね。あ、ジオルとの事は結構変わってるわね。私はまだジオルと会ったことないのね。政略結婚の話は前々から出てたのに、ジオルが留学してたから。あ、アルスがいない。ジオルのお母様はジオルを産んですぐ亡くなってて、殺したのは悪魔さんの側近と言われてて、ジオルも殺されるかもしれないと赤ちゃんの時から外国へ留学という名の逃亡をしていた。
悪魔さんのお母様は不明らしい。国王陛下が突然、異国の女性に産ませた王子だと赤ちゃんの悪魔さんを連れてきて、皇太子に定めた。ジオルのお母様のフローラ王妃様は妊娠中で発狂。出産後、悪魔さんを殺そうとした罪で追放後、死亡。王妃は空席。レア様とクリストファー伯の存在がないわ。いや、出てきてないだけなのかしら。あ、じゃあ第一王子は悪魔さんなのね。年齢も変わってるわ。悪魔さんが私より1歳年上。ジオルが同い年ね。
「お嬢様、お支度をしてお食事ですよ。その後、たっぷりオシャレを致しましょう。」
「え、ええ。」
私は着替えをさせられ、朝食の席へ。お父様とお母様と朝食をとる。
「ふふ、どちらの王子様が息子になるのかしら?やっぱり、よく遊んでいるベルゼ様かしら?」
お母様がニコニコしながら話しかけてくる。個人的感情としては変態より、私の精霊ジオルと婚約して結婚したいです。
でも、アスタロト姉様復活のためには変態悪魔と結婚するべきよね。多分、記憶があるのは姉様が守ってくれたお陰だわ。だって姉様は私で、私は姉様で、ずっとあの変態のせいで苦しんでたのよ。
それに、私、また、あの胸に顔を埋めたいもの。ああ、女神の胸って最高。良い匂いがして、お餅のような、マシュマロのような、いいえ、それでは言い表せない至福の感触なの。あの瞳に見つめられたい。ご褒美のキスもして欲しい。ああ、私、恋しちゃったのかしら?あ、じゃあ悪魔さんはライバル?
そんな事を考えているうちに、どんどん時間は進み、9歳の割にはエラくセクシーな白いドレスを着せられた。お尻の尾てい骨あたりの布が菱形にそこだけ透けていて下着が見えそう。スカートは両側のスリットが太ももの上まで入っていて、ピンクのリボンで太ももの半ばくらいまで間を埋めている。そこからは足が完全に見えている。
「まあ、なんでお似合いなんでしょう。このリボン、リンダ様の唇の色に合わせたんですよ。口紅と同じ色でしょう?」
「そ、そうなの。でも、なんだか恥ずかしいわ。ちょっとこの衣装はしたないと思うのだけれど。」
「いいえ?お見合いにはこのくらい普通ですわ。殿方はこういうのがお好きですのよ。」
そ、それは好きだとは思うけど……
「さあ、アクセサリーを。あら、お胸が見えませんわね。もう少し開いていた方がよろしいのに。」
いや、いや、胸半分くらいまで見えてるじゃない。あれ?そういえば、侍女たちの衣装が違う。胸元が大きく開いている。うちのメイド服はかなり首元しっかりだったはず。スカートの長さは変わらないものの、やっぱり太ももの上辺りまでスリットが入っていて、同色のリボンで留めている。私の太もも半分止まりではなく下までリボンで留めているものの、隙間からちらちらと肌色が見える。
「えーっと、ラン、あの、メイド服のデザイン変わった?」
「いいえ?元々これですわ。おとなしいデザインでしょう。他家のメイド達からはもう少しセクシーにしないと行き遅れるなどと言われますわ。」
「あ、お父様に言っておくわ……」
間違いない。服装の基準も違う。あの、エロ悪魔が変えたに違いないわ。
でも、私は何も知らないふりをするべきなのよね。という事はこの服で王宮に行くべきなのよね。
「リンダ、お支度は出来たかしら?あら、胸が詰まり過ぎではない?」
お母様が入ってきた。ああ、お母様、なんて大きく開いた胸元。足も大胆に出されてますね。
「い、いえ、私はこのくらいが好きですわ。」
「そう?野暮ったく見えないかしら。せめてレースですかしておけば良いのに。お見合いなのだから、しっかり見てもらわないと。リンダ、お見合いの席では殿方に恥をかかせてはいけませんよ。こんなに胸を隠しては、このお見合いを嫌がっていると思われるかもしれません。お城の侍女に少しずらすように言われたらちゃんと従うのよ。」
何この世界。
「奥様、でも、斬新で良いかも知れませんわ。隠されると見たくなるのも人情。特にベルゼ様はお嬢様にベタ惚れですもの。必死に口説かれますわ。」
「ふふ、そうかもしれないわね。」
ああ、もう礼儀作法とか常識とかだいぶ違いそう。と思った瞬間、また、頭の中がぐねぐねされる。
はい、はい、はい、分かりましたよ。今回の世界では服装はかなり過激。胸が半分見えているのは普通の服。お見合いや結婚の時は特にセクシーにするのが常識で、4分の3ほど見せるのが主流。そして、殿方が挨拶の時、独身なら胸を触るのは良くあることで、礼儀違反とは言えない。逆に好意を示されたと喜ぶのが普通。既婚者同士でもする人はいるが、それはあまり良い顔はされない。不倫の始まりと言われる。
つまり、9歳にして10歳児に胸を揉まれる可能性大。……よし、ここはこういう服や習慣は嫌いだと訴えて、変えてもらおう。こんな服着て生活したくない。どうせならみんなジャージとかの方が気楽なのに。ジャージでも、アスタロト姉様は綺麗でしょうね。ジーンズも似合いそう。
私は馬車に乗せられお城に着くと、中庭に連れて行かれた。そこには服か水着か分からないようなセクシーな侍女たちに囲まれて、10才美少年が待っていた。
「リンダ……」
私の前に跪き手にキスをすると立ち上がり、当然のように胸に手を入れて来た。固まって、お母様の方を見るも、動かないのよ。と口パクで伝えられた。ああ、無常。
「ん、ん、」
声が出てしまう。
周りは微笑ましそうに見ている。
「リンダ、愛しいリンダ、今日ジオルは来ない。腹を壊したらしくて起き上がれないんだ。だから、婚約は私と行う。良いね?」
「は、はい。」
拍手が起こる。
「おめでとうございます。未来の王妃様。」
声援が飛ぶ。
そして悪魔の声がする。
「可愛いリンダ。婚約したから少し飛ばすね。この歳じゃこのくらいが限界だし。君は16歳になる。学園に入学しよう。」
「え?あの、」
「ごめん、分からないよね。怖がらないで。私に任せておけば大丈夫だからね。」
そう言って、胸をキュッとにぎられた。体が震えて、私は悪魔さんにしがみつく。
周りから歓声が上がる。おめでとうの声が響く。その声に応えるように、悪魔さんは私の唇に吸い付いた。




