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48 プルプルの来襲

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部屋に戻ったら悪魔さんが待っていた。


「お帰り。私たちの王子は最高の環境で育てているよ。もちろん、会わせてあげるから安心してね。」


「ありがとうございます。よければ今からでも。」


 良かった。会わせてもらえるのね。母子手帳作ってみようかしら?


「ああ、今はちょっと医師達が色々調整しているからしばらく待ってね。レアのお茶会に行ってきたんだってね。仲良く出来そうかい?」


「ええ。とても愛らしい方ですし、仲良く出来ますわ。」


「そうか。役に立つ女で良かったよ。」


 役に立つ女は私?レア様??


 考えていると悪魔さんが抱きしめてきた。


「君は柔らかいね。人間は儚いから壊さないように、うんと大事に扱うよ。子供のことも解決したし、私達を隔てるものはもう何もない。これから初夜の続きをしよう。お風呂に入るかい?一緒に入って隅々まで洗ってあげる。」


 えーっと、悪魔さんを拒まないこともクリストファー伯に言われてたし、夫婦としての立場上も、実力でも何ともならないわね。もしかしたら、今回は私ルートなのかしらね。一度ハッピーエンドの後やり直されて捨てられるのは気が重いなあ。まあ、そのあと、紹介してくれる素敵な方もしくはジオルと結婚すればいいかしらね。あ、やり直されたら子供はどうなっちゃうの?ちゃんと生まれるのかしら?そうだわ。後からアルスに聞いてみよう。ジオルから聞いた話だとジュブ=ニグラスは姪だから仲良くしたいようなことを言っていたし。


「あー。いえ、一人で入ります。」


 悪魔さんは残念そうに離してくれた。


「じゃあ、ここで待っているよ。」


 私はお風呂に向かった。すぐアルスに聞きたいけど、ここでアルスの部屋に行くのも不自然な気がする。お風呂は部屋の中から行けるからね。


 お風呂好きの私のために、浴場には数種類の湯船があり、打たせ湯があり、サウナがあり水風呂がありのスーパー銭湯みたいになっている。今日は一つの浴槽には鮮やかな真紅のバラの花が浮かび、もう一つには白いプルメリア。甘い香りのローソクが灯されている。足元にも花びらでハートマークが書かれていたりとなんともベタな初夜っぽいわ。


 適当に洗って適当に浸かって適当に出る。ゆっくり雰囲気を楽しみたいけど、待ち兼ねて入ってこられても困る。


 あーあ。別に好きじゃないんだけどね。好かれてると思ってたのに、ゲームの前菜的な位置付けって虚しいわ。それなのにこれから初夜なんて。いやいや、ここは私もゲームキャラに徹するのよ。クリア後のご褒美は約束してもらってるんだから。私は妻!今は愛されてる妻!


 私は初夜というバトルフィールドに突撃した。


「お待たせいたしました。え??」


 いない。あれ?悪魔さん??


「リンダ!!」


わわわわ!!スライム!!スライムが喋ってる。悪いスライムじゃないやつ??


「え、ええっと、スライムさん、どうしたの?ベルゼ様のお使い??」


「私は君の夫のベールゼブブだよ。さあ、おいで。」


い、いやーーー!!!


「な、何がどうなったの?!」 


「君を待っている間に興奮してしまって、あのライオンになりかけたから、せめて君を傷つけない形状になろうと思って……」


 それでスライム!?


 青く透き通った体、可愛らしい目と口。ペットとかなら悪くはない。が、これに抱かれろと?!


「リンダ、初めてさえ終われば人型を保てると思うから、今回だけ我慢して。この体は妖魔の血が入っているせいか扱いにくくて。」


「あわわわ……」


 近づいてくる!!ビチビチ言ってる!!


 後ずさるも、すぐに壁側に追い込まれてしまう。プルプルの体が伸びて私に巻きつく。体が粘膜というか粘液というかジェル状の何かに包まれていく。


「愛しているよ……」


 愛があろうがなかろうが、初夜がこれって完全にトラウマなんですが!


 優しく、しかし、容赦なく、体の外を覆い、中にも押し入ってくるスライムはビチビチ、ジュルジュルと嫌な音をたてる。


「う、嘘……」


 恐怖しかなかったのに、力を注がれたのか、それとも違うのか


「ひゃん!」


 急に快感が襲ってきた。


「リンダ、リンダ、気持ちいい?」


 中を外をトロトロと流れる悪魔に、甘い感覚がこれでもかと押し寄せ、私は完全に敗北してしまった。

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