37 ベタベタは嫌です!
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バシ、バシ、鞭の音が響く。だんだん、フリン君の声がか細くなっている。わわ、床、血が!!ちょ、ちょっとこれ止めないと。
「べ、ベルゼ様、もうおやめ下さい。あの、きっと何かの間違えですわ。」
なんの間違いなのかは突っ込まないで下さい。でも、フリン君が気の毒なのよ。多分、アルスに何かされたんでしょ?
それに、トイレを教えただけで、お慕いされてしまうなんて、よっぽど厳しく育てられたに違いないわ。何にせよ。私のこと慕ってくれた人が鞭で撃ち殺されるのは遠慮したい。
鞭の音が止む。心臓に悪い静寂。余計なこと言ったかしら。その鞭、こっちに来たりしないよね??
「……リンダ……見ていたのかい?」
後ろを向いたまま、悪魔さんが問いかける。ああ、やっぱり声をかけなきゃ良かったかな?でも、フリン君、本当にまずい感じなんだもの。
「え、ええ、少し前から。」
悪魔さんは鞭を放り出して、ベッドに戻ってきた。
血と汗の匂いがする胸に抱き込まれる。
「見ててどう思った?興奮した?それとも嫉妬した?」
悪魔さんは急に機嫌良く聞いてくる。いや、興奮も嫉妬も全然してませんが、どう答えるのが正解ですか?
「え、えっと、自分の感情が良くわからなくて……」
「そうだね。初めて見るものね。」
悪魔さんは私の頭を撫でながら、目を猫の様に細める。
「胸はどう?倍じゃ終われなくてね、たくさん触ったから、大丈夫?少し痛いかな?」
「え、ええ、少しヒリヒリして……」
「この薬を塗ると良いよ。」
悪魔さんはどこから出したのか、軟膏の入った瓶を差し出す。
「あの、死にそうな方がいるので、そちらを、その……」
「ああ、あれか。床が汚れるのも気分が悪いし君が気になるなら良いか。」
悪魔さんは手を少し動かす。流れていた血が止まって逆流する。わわ、床に落ちたの戻して大丈夫??
「もう大丈夫。目が覚めたらピンピンしてるよ。さ、君の胸を。」
「あの、私の方は一瞬で治していただけないんですか?」
「いや、大切な君の可愛らしい胸をあんな汚物と一緒には出来ないよ。大事に薬を塗って治してあげる。」
いや、早く治してよ。
「分かりました。後で自分で塗ります。」
「ダメダメ。すぐに塗らないと酷くなってしまうよ。さあ、塗ってあげる。それとも今、自分で塗れる??ふふ、良い子だね。真ん中の可愛いところにはたっぷりと周りもしっかり塗るんだよ。ああ、良い子だ。でも、もっともっとたくさん塗らないと。」
「ちょ、塗ってますから、そんなにつけたらべたべたじゃないですか。あ、あ、やん。」
「そういう薬なんだよ。滴るほどつけないと。ほらこうして胸全体に伸ばして……」
「ひや、ん…」
「可愛い……肌がピンク色になったね。ピクピクしちゃって、熟れて本当に美味しそうだ。これで君は許してあげよう。たっぷり消毒したし、君が軟膏を塗る姿は芸術だったよ。ああ、まだ服を着たらダメだよ。軟膏が溶け出して濡れてしまうよ。」
私は仕方なく布団に潜った。なんなの。私が悪いの?今日のは浮気じゃなくて襲われたのよ!
「この男はゲームのキャラクターにいたね。そうでなければ、すぐ殺したんだけど、君が嫌がるかもと思って生かしておいたんだ。殺さないなら可愛い君のために働いてもらおう。君に出来ないSMは彼にするからしっかり見ておくれ。そして、嫉妬して私を求めてくれると嬉しいな。」
えーっと、なぜSM見て嫉妬するんですか?気の毒には思うけど。
「さあ、眠ろうか。あの、愚か者のことは気にしないで結界で覆っているから何も出来ないよ。」
ああ、フリン君、とりあえず命を助けたからこれで許してください。また、折を見て解放できるように頑張るわ。
唇が降りてくる。悪魔さんのキスは気持ち良くて流されてしまう。悪魔さんのマッサージも気持ち良いし、もしかして体の相性は良いのかしら。
あ、あの、そういえば、私胸元を広げたまま寝ないとダメなの??いや、ベタベタの胸を揉まないで。フリン君が見てるかもしれないし、クチュクチュ鳴るの恥ずかしいの。




