36 見てはいけない?
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お風呂から出てリラックスドレスを着る。案内されて部屋に行くと……おお!!なかなかの完成度。フリン君だと知らなければ、一瞬本物と思ったかも。緑がかった短い髪を黒い長髪のカツラで覆ったフリン君はかなり悪魔さんに似ている。もちろん、得体の知れない感じとか、力のプレッシャーとかが無いから違うのはすぐ分かったけど、影武者に選ばれるのがよく分かる。
「リ、リンダ、そのドレスは良く似合う。君はとても美しい……」
「あ、あのありがとうございます。私は影武者の完成度のテストをすれば良いのかしら?」
王妃ってこう言う仕事もあるの?
「ええ。貴方の心と体を癒したい。テストをしてください。私が貴方の安らぎに相応しいかどうか……」
あのー?
「失礼いたします。」
私は手を取って跪かれたあと、おもむろに抱き上げられた。あ、こういうところは良く出来てます。
「ベルゼ様はいつもどの様に?」
「えーっと、よく胸に顔を埋めていらっしゃいますが、え?!」
フリン君、私の胸にガバッと顔を埋めた。
「え?え?え?あ、あの、これはベルゼ様はご存知ですの?」
ジオルが気に入らないから別の愛人候補をあてがわれたの?
「今は私がベルゼです。ベルゼ様は不在が多い。お寂しい思いをさせぬ為、私が選ばれたのです。」
「選んだのは??」
「アルス様です。」
おい!?悪魔さんは知らないの??
「それは大丈夫なの??」
「ずっと、お慕いしておりました。」
無視するな!!
「ちょ、ちょっと、ダメです。愛人になるにしたって結婚後でしょう?いくらなんでも、これはまずいわ。」
私の胸から顔を上げたフリン君の目は夢見る様に私を見る。婚約中の未来の王妃に手を出してるのに、普通の結婚初夜みたいに迷いのないこの感じ、アルスに何かされてるわね!正気に戻さないと!!
私は力の限り、ガクガクとフリン君を揺さぶる。それにもめげず、フリン君は私のやたらとホックの多いリラックスドレスのホックを外してくる。5つ外されると胸が丸出しになってしまう!!
「ちょ、ちょっと、嫌よ!」
「拒まないで……」
うん?何か匂いがする。媚薬??わわ、ぼーっとして体が熱く、わわわ……ジオルより、悪魔さんより前に、トイレの場所教えた人なの?
「私が貴方の夫のベルゼ……ぐえ!!」
え?突然、フリン君が崩れた。
「大丈夫かいリンダ?この馬鹿はどうしようかな。いや、少々怒りがおさまらなくてね。私の留守に私を騙って、君の可愛い胸の果実に触った……」
「あ、あの、ベルゼ様、えーっと……」
「消毒しよう。知っている?二倍で消毒できるって与太話が魔界にはあってね。こう言う事が有れば、夫は二倍にして妻を消毒するんだよ。目を閉じて。最後までは約束だからしないけど、ギリギリまで行こうね……」
キスが来て、媚薬にフラフラしている頭が事態を処理してくれなくて、私は導かれるままに従っていた。
……目が覚めたら、胸が少し腫れてヒリヒリする。外では何か叩く様な音がしている。重い体を起こして閉まっている天蓋の布を少し開けると、3本に枝分かれした鞭が舞う。
「ああ、どうかお許しを!!」
「やかましい!!沈め!!」
フリン君がSMの餌食にされていた。殺されてなくて良かった、かな?




