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34 北極から響く声

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 「地球の名もなき島?」


 マデリーンが教えてくれた話にちょっと困惑する。


「はい。地球の北極にある島だそうですわ。そこをベルゼ様はとても気にしておられるとか。」


「北極の島?グリーンランドか?いや、他にも色々あるな。」


 グリーンランドか。聞いたことあるわ。


「グリーンランドと言うのですか?北極点というところにあるらしいのですが……」。


「北極点?アルスにからかわれたんじゃないか?北極点に島なんかないだろ。」


 そうよね。北極点て多分海が凍ってて島はないわよね?あんまり、アルスの話は真剣に聞かない方がよいわね。敵か味方かっていうと、多分敵だし。


 別邸でお茶をしながらアルスのサロンの話を聞いている。何故か王妃の愛人がテーマだったそうで王妃にも愛人は必要という結論になったとか。もう少し文化的な話でもしなさいよ。


 でも、愛人ねえ。多分、ジオルとは関係を切れないと思うし、ずっと清いままかと言われても……だから、愛人OKは正直嬉しい。悪魔さんは顔は良いし、愛はくれるんだけど、根源的に相入れないというか。思考回路と趣味が致命的だ。

 マデリーンも軽蔑しないでいてくて良かったわ。親友に愛人なんて不潔ですって言われたら心底落ち込むもの。


 他の人も愛人肯定派ばかりだったのね。未来の騎士団長フリンとはアルスのお付きで何度か会ったのよね。学園に来たこともあって、トイレが壊れてて焦ってたのを、別のトイレを教えてあげたらものすごく感謝されて、家に私が当時ハマっていたジャムの焼菓子が山のように届いたっけ。


 そのお菓子を友達に配ってたら、ゲームの攻略キャラ、未来の大富豪ロード君がいたから彼にもあげたのよね。これまた、むちゃくちゃ感動してくれてあの頃は皇太子ジオルの婚約者だったから、平民の自分が未来の皇太子妃のお菓子をもらったってみんなに自慢してるの聞いて、貰い物で申し訳なかったな。


 あ、だから、後で手作りしてあげたんだわ。あの時は涙を流して喜んでくれて、永遠の忠誠をとか言ってたなあ。大袈裟だけど、そういう義理堅いところから大金持ちになるのかしらね。


 マデリーンとの関係が進展したようにも見えないし、愛人肯定派ということは誰かの愛人なのかしら??レア王妃様?それも、まさかお母様??うちのお母様、お父様と仲が良さそうだけど、それはそれなのかしら??いやいや、仲間にしたいからってお母様を侮辱しちゃいけないわ。ああ、お母様、結婚する前から愛人候補がいてごめんなさい。


「では、あまりお役に立つ情報ではなかったのですね……」


 マデリーンが申し訳なさそうなんだけど、ごめんなさい。思考を別方向に飛ばしまくってたわ。


「いいえ。ありがとうマデリーン。北極点に一番近い島とか氷の下とか何かあるかもしれないわ。手がかりがあるだけでとてもありがたいのよ。」


「リンダ様、アルス様からお召しが……」


 ランが入ってきた。


「アルス様?ベルゼ様ではなくて??」


「何を考えているんだ?」


 私達は首を傾げる。でも、すぐに別の侍女が入ってきた。


「リンダ様、ベルゼ様からのお召しです。」


「行きましょう。えーっと、アルス様にはベルゼ様のお召しで城に参っておりますとお伝えして。」


「またか。毎日だな…」


「本当に、リンダ様がお疲れなのが分からないのでしょうか?」


「まあ、仕方がないわ。婚約パーティーが近いから。マデリーンはゆっくりして行ってね。ジオルも喜ぶわ…」


「え、は、はい、リンダ様。」


「あ、ああ。そう、かな?」


 うーん。あまり良い雰囲気ではないわね。仲は良くてもお友達感が強いわ。とりあえず城に行かなくちゃね。


……ああ、愛しい人、早く私を見つけて……


 あ、女の人の声。空耳かな?それとも北極点にいるかもしれない私の力?ジュブ=ニグラスを名乗る女の人??


 あ、だめだわ。もう聞こえない。悪魔さんが寝てから悪魔さんを通して念話を試してみようかしら?バレるかな。やっぱり……

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