30 愛人候補集結
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ふふふ。ふふふ。今日のサロンは楽しくなりそうです。リンダ嬢にはファンが多いですね。ジオル兄上にマデリーン伯爵令嬢、この2人はガチですが、他にも割と居ましたね。
学園でリンダ嬢にちょっと優しくしてもらった未来の騎士団長フリンくんとか、お菓子を貰った未来の大富豪ロードくんとか。現在この2人もリンダ嬢に片想い中ですね。今日のサロンは王妃の愛人の在り方を議題にします。リンダ嬢には恋多き女性でいてもらいましょう。そう、薄める作戦です。私が目立たないよう、沢山の愛人を抱えていただきます。もちろん私もその1人ですが。
ふふ、これなら副王神も私を粉にしてニョッキにしたりしないでしょう。ベールゼブブ?ああ、あんなのは大丈夫ですよ。頻繁に居なくなりますし、以前、監視されるのは嫌、と愛しのリンダに言われてあまり見ないようにしているヘタレっぷり。バレません。バレません。
それに、やりようによっては公認にもなれそうです。そう、地母神の夫として彼女に愛されるには愛人を認めた方が良いと吹き込めば、葛藤の後、泣きながら許しそうですよ。ははは。でも、葛藤する前に消される可能性はあるな……
まあ、もともと、ジュブ=ニグラスは地母神です。数多の子を産む神。数多の信者を愛する神。夫や愛人がたくさんいるのは本質的に正しい状況なわけですよ。
「アルス王子、サロンのお客様が揃われました。」
「ああ、ありがとう。」
さて、さて、楽しいサロンの始まりです。
「皆さん、ようこそ。本日は少人数のサロンですので、親交を深めてもらえたらと思います。1人ずつご紹介しましょう。ようこそ兄上、皆さん我が兄ジオルです。色々ありましたが、実はおかしな薬が原因で精神に不調をきたしていた事が分かりました。今は良くなられています。平民ですが、友人としてお迎えください。」
「よろしく。」
兄上は優雅にお辞儀をします。
「マデリーン嬢です。私の妻にはならないようですが、それでも良き友人です。」
「マデリーン・スミスですわ。よろしくお願い致します。」
「フリン・シン伯爵公子です。私の騎士をしていただいてます。とても優秀な方ですよ。」
「お仕えするアルス王子のサロンに友人として出席する栄誉をいただきました。ジオル様、ご友人の皆さまよろしくお願いいたします。」
「ロード・メイマリンくんです。メイマリン男爵の御子息ですが、庶子で平民です。とは言え、とても頭が良くて色々な事を考える楽しい人です。」
「商人になるため勉強をしています。どうかロードとお呼びください。よろしくお願いいたします。」
「ではでは、今日の話題ですが、皆、若いですし、愛について考えたいと思います。ただ、これではぼんやりしすぎているので、そう、愛人についてどう思われますか?そうですね。ロード君はいかがですか?」
ロード君は庶子ですからね。母上の事を悪くは言わないでしょう。皆さんには王妃の愛人になる勇気を持っていただかないといけませんからね。
「特に貴族社会では政略結婚が多いですから、本当に心の許せる方を愛人とするのは生きる為に必要な事だと思っています。それは、夫に限らず妻でもそうでしょう。」
「それは、例えば王族もですか?」
ロード君は、頷く。
「王族も畏れ多いですが、そうである事は歴史が語っているかと。」
「ああ、その通りだな。王家でも愛人がいない方が稀だ。」
兄上、心の叫びですね。
「ええ、女性も辛い事がありますわ。特に王妃様ともなれば国王様を支えるため心をすり減らしておられるはず。心を癒す恋人は見逃されるべきだと思いますわ。」
可愛い顔して、マデリーンもアバズレですね。
「フリン君は?」
「そ、そうですね。王の愛人は許されるべきかと。その方が何かあった時、王妃様が守られます。王妃様の愛人は……やはり、王の許可を得るべきかと……」
「まあ、フリン様、それでは王妃様が疲れ切ってしまわれますわ。王の許可を取ろうとして、愛人がひどい目にあったり、3人でなんて言われてしまったら……」
「3人!?そ、そんな無体な……リンダ様がそんな目にあわれたら……」
ロード君、君も結構きてるんですかね。王妃って言ってるんだから、普通、今の王の嫁のレア王妃でしょう?
「ああ、そ、それは確かに。あの、純真なリンダ様がそのような目に……ああ、でも、恥じらうあの方はどんなに可愛らしいだろう……」
フリン君……
「ちょっと待て、なぜリンダの話になってるんだ?変な想像をするな!」
兄上、顔が赤いですよ。貴方も想像してますね。
「で、でも、確かにリンダ様はとても可憐な恥じらい方をされるのでしょうね……」
マデリーン……
「ベルゼ兄上は色々な衣装を楽しまれるみたいですからね。この間、熱心にウサギのドレスを選んでいましたよ。耳や尻尾はどうするかとか……服につけるか直接は怒られるかなとか言って……」
みんなが赤くなって俯いてしまったので、話題を投下しておきます。
「「うっ!」」
「「はうっ!」」
うっ派と、はうっ派に分かれましたね。
「可愛らしいでしょうね。ウサギに扮してもじもじされているリンダ嬢は……」
「ね、猫もお似合いになられるかと。」
ロード君は猫派ですか?
「猫は黒猫か白猫か迷うところだな……」
ジオル兄上も猫派か……
「私は女神のような白いお召し物が良いですわ!」
「わ、私も奇をてらったものより、リンダ様がリラックスできる可愛らしいネグリジェが良いと。」
マデリーンとフリン君は清純派か……
この夜、議論は尽きることなく続き、愛人は複数いる場合助け合うべきという結論に落ち着きました。
皆さん、独占欲に打ち勝って偉いですね。はー。これで安心。私がパンケーキにされる心配が減りました。
あとはリンダ嬢とも話し合いませんとね。その時は前にかけた暗示でちょっと楽しませてもらいましょうかね。あ、力を注いでリンダのままメロメロも捨てがたいですね。はあ、また、甘い胸の香りを楽しみましょう。貴方の愛人5人が代わる代わる嫌いな男に嫁ぐ女神を慰めて差し上げますからね。




