第8話 ケモミミ
評価をしてくれると助かります
「助かったのか?」
盗賊達があらかた逃げ出した頃5人組の冒険者の1人が呟く
まだ目の焦点が合ってないように見えるので視力は戻ってないのだろう
「あぁ、盗賊は大半は逃げていった。残りのやつらにしてもその辺でのびてるから大丈夫だぞ」
ソフィアが答える
まぁ、1番近くであの光を見たんだから視力が戻るのに時間がかかってもしかたないだろう
ていうか、失明したりしないだろうな…
俺は今頃その可能性に思い至り顔を青くする
この5人の中には子供もいるのだ
もしその子の目が見えなくなったとかいうことになってしまったら目も当てられない
「ね、ねぇ、視力は戻りそう?」
「あぁ、ぼんやりとだが見えてはきてるぞ」
「俺も、そんな感じだな」
「私もよ」
「同じく」
「僕もー!」
良かった…全員大丈夫なようだ
「オリヴァー、この盗賊達が目覚める前に拘束するから手伝ってくれ!」
「分かった!」
俺はソフィアの元に向かう
「拘束するのはいいけど何で拘束するの?縄とか持ってきてなかったよね?」
「縄になるやつはこの辺だとそこらじゅうにあるぞ」
ソフィアその場で飛び上がり何かを掴むみそのまま落下する
するとソフィアが掴んでいるものが木々の中から引っ張り出される
「え?こんなのを使うの?」
「そうだぞ」
それはどっからどうみても少し太い蔓だった
「これは、蔓縄というやつで自然にできる縄のようなものだっと」
ソフィア話しながら縄蔓を剣で切断する
「ほら、引きちぎってみろ」
ソフィアが切断した縄蔓を俺に渡す
俺は少しだけ力を入れるが全く切れる様子は無い
次に8割位の力を入れるが変化がないので思いっきり引っ張る
「ぐ、ぐぐぐぅぅううらぁぁああ……はぁ、はぁ、はぁ」
全力で引っ張ってもびくともしない
「なかなかのもんだろ?こいつは私でも引きちぎるのに少し時間がいるぐらいの頑丈さだからな」
ソフィアでそれなら纒を発動させても引きちぎるのは出来そうだか結構な時間がかかるだろう
「うぅぅ……何か負けた感じがする」
「くくくっ。まぁ、そういじけるな。私はこいつらを縛るからこの位の長さのを取ってきてくれ」
「わかった」
俺は狙いを定め飛び上がるが届かなかったので、纒を発動させ再度飛び上がると今度はちゃんと掴むことができた
それを魔力を刃のようにした『魔力刀』で切断する
うん、ちゃんと切れるな
切断した縄蔓をソフィアに渡すのを10回程繰り返すと、のびている盗賊全員の拘束が終了する
その頃になるとようやく視力が回復したようで5人組の冒険者達が俺とソフィアの元にやってくる
「ちゃんと視力は戻ったのか?」
「あぁ、ばっちしだ」
「そうか、それは良かった。それよりもお前達は子供をつれてこんな場所で何をやっているんだ?…言いたくなければ言わなくてもいいが」
もし、依頼の途中ならばその依頼内容を第3者に言うのはマナー違反だからだろう
「いや、なに、こいつの冒険者になるための訓練の一環だよ」
1人の冒険者が子供の頭を撫でながら応える
「なるほど…その子はお前達の中の誰かの子供か?」
「いや、ちょっとな…」
空気が重くなる
ちょっとー。ソフィアさん!何、地雷踏んじゃってるんですかー!どうすんすかこの空気!
「そ、そんなことより君、この子とあまり年は変わらなさそうなのに結構強いんだね?ぼんやりとだったけど見てたよ」
ナイス!誰か知らないけど!
5人組の中の1人が気を効かせて話題を変える
「ソフィアには勝てないけどね…」
ソフィア?…まさかあのソフィアじゃないだろうな?
いや、無いか。あのソフィアがこんな子供を連れてこんな場所にいるわけないしな
男はそんなことを考えながら言う
「まぁ、君はまだ若いというより幼いんだから時間はたっぷりあるさ」
「分かってるよ」
「そんなことより、こいつら、どうするのさ?」
5人組の中で唯一の女が言う
「そうだな…ちょっと話し合うか。オリヴァーはその子を見ててくれ。それでいいよな?」
「えぇ、この子も同年代の子と一緒にいた方がいいだろうしね」
「よし、そういうことだからオリヴァーその子のことをよろしく頼む」
「え!?ちょっ、ちょっと…」
ソフィア達は少し離れた所に集まり何事かを話し始めた
ったくもう!子供の世話とか1番苦手なのに…
「あ、う、えっと君、名前はなんていうの?」
「リリーだよ。君は?」
「オリヴァー、よろしくね」
「よろしく」
俺たちは互いに握手をする
「ねぇ、リリー、顔をみたいんだけど良いかな?」
この子は最初から今まで顔をフードで隠していた
「ん、いいよ!」
リリーはフードを外す
リリーの顔は結構整っていた
漆黒の艶のある髪に真っ黒な瞳
将来はイケメンになるだろう
それよりも俺が興味を持ったのは頭に生えている物だ
「け………」
「け?」
「ケモミミ、きたぁぁぁぁああああ!!!!!!」
たぁあ…たぁあ…たぁあ、とこだまする
「もう!ビックリした!いきなりどうしたの?」
「いや、悪い。ねぇ、リリー、君何の獣人なの?」
「僕は猫だよ」
猫か。これが女の子だったら完璧だったんだけどな
「尻尾とかもあるの?」
「あるよ、ほら」
リリーは外套の後ろの方をまくりあげてその下の尻尾をひょいっと動かす
「わぁ、僕、獣人って初めて見たんだ」
「へぇ、そうだったんだ」
「ねぇねぇリリー。耳と尻尾触らせてくれない?」
「えぇー、くすぐったいからやだ!」
「お願い、せめて耳だけでも」
リリーは一時唸って考える
それを俺は静かに待つ
そこにソフィア達が帰ってくる
「結構、打ち解けれたみたいだな。だがここでお別れだ。この盗賊達はこいつらがお前の住んでいた町に連れていくことになった」
「そっか、残念だね」
「ソフィアさん。もしまた会えたらこの盗賊を売ったときに出る金額分何かご馳走しますから」
この世界で盗賊を捕まえたら奴隷として売ることができる
盗賊の奴隷は体力や力が強いので土木工事や、建物を建てたりするときなどに重宝する
「会えたらご馳走させてもらうよ」
「もちろんですよ!」
そこでリリーが結論を出したのか口を開く
「オリヴァー、やっぱりダメ」
あぁ、ケモミミがー
「もう、そんな顔しないでよ。なら僕たちもこうしよう。もしまた会えたら、今度は好きなだけ触らせてあげる」
リリーは下から上目使いで小首をかしげて聞いてくる
一瞬同性なのにドキッとしてしまった
「…約束だよ?」
「うん、もちろん」
ここでケモミミを触れなかったのは残念だが人生は始まったばかりだ
だからまた会えるだろうと俺は前向きに考える
それよりも子供のような話し方に抵抗感がなくなってきている…
「よし!なら私たちは先に行くから気を付けて」
「ソフィアさんも」
「じゃぁね、オリヴァー!」
「じゃあね!」
俺とソフィアはリリー達に背を向ける
「オリヴァー、また道案内を頼めるか?」
「うん、大丈夫」
「なら、急ぐぞ。結構時間を潰してしまったからな」
「分かった」
俺達は馬車に向かって、また森の中を駆け出した
総合評価が全く上がらない……
誰かアドバイスをください…




