第9話 ビルバオ
お久しぶりです。とある小説にはまってしまい更新するのが遅れました。すいませんでした
リリーと別れた俺達はその後、無事に馬車へとたどり着き今は馬車に揺られていた
「さて、オリヴァー。お前さっきは一体どんな手品を使ったんだ?」
そういえば、理由は後で説明するって言ったっけ
「馬車に乗ってから索敵に使える魔法が何かないかなって考えてたら上手く発動したんだよ。そしたら襲われてるのを偶然見つけたってわけ。まだ試行錯誤の余地が残ってるけどね…」
さっきの魔法、ホークアイと命名するが弱点がいくつかある
先ずはホークアイは肉眼と性能が変わらないので、ある程度の距離じゃないと見ることができないし、視点が1つだけだからどうしても見落としがでてくる
また遮蔽物があれば視界が遮られてしまうので、遮蔽物の多い所で使ってもあまり意味がないのだ
「そうか、しかしこの短時間で新しい魔法を作り出すとは…魔法に関しては良くわからんが、多分凄いことだと思うぞ?」
多分って…しかも良くわからんのかい!
「で、どんな効果があるんだ?」
まぁ、それは気になりますよね~
「う~ん、空から地上を見るって感じだね。だからそんなに期待はしないでね」
「…そうか。だが空から索敵出来るというのは、地上で索敵するよりも遥かに効率が良いから索敵は頼めるか?」
「別に良いけどソフィアもしてよ?」
「当たり前だ」
その後は特にこれといったこともなく空が茜色に染まり始めた頃に目的地の村が見えてきた
「ねぇ、ソフィア、そういえばあの村の名前って何ていうの?」
「ん?そういえば、言ってなかったな。あの村の名前はビルバオだ」
「へぇ、ビルバオかぁ~……あ!!」
「まったく、いきなり大声を出してどうしたんだ?」
ソフィアが訝しげな目で見てくる
「いやぁ~今町の名前の話をしてたじゃん?」
「そうだな」
「でさぁ、僕の故郷の名前は何ていうのかなぁ~なんて」
アハ…アハハハ……俺の笑い声がむなしく響きわたる
「まさか、お前……」
「そんな目で見ないでよー!自分でもアホだと分かってるよ。…何年も暮らした自分の故郷の名前を知らないなんて自分でもビックリなんだから…」
何故俺は自分の故郷の名前を調べなかったのかホントに謎だ
今まで全く頭に無かった
「サンクトだよ。自分の故郷の名前を知らない奴なんて初めて聞いたぞ」
「言わないでください…」
自分でも分かるほど顔が熱い
そしてあまりの恥ずかしさに身悶えしてしまう
これは一生ものの人生の汚点だ
「わかった、わかった。もう忘れるんじゃないぞ?」
頭を撫でられる
俺はもうこんな恥は掻かないと心に刻み込んだ
そうこうしてるうちに村の入り口に到着した
さすがに故郷のサンクト程ではないが、それなりの大きさをした木でできた門があった
俺達の馬車はその門の前で止まった
「オリヴァー馬車から一端降りるぞ」
「わかった」
俺とソフィアは馬車から降り馬車の前方に向かった
そんな俺たちに門番らしき男が近付いてくる
「やぁ、ビルバオにようこそ。君達は無事だったみたいだね。よかった、よかった」
「ん?何か問題でも起きているのか?」
「まぁね。ここ最近なんだけどローグベアが出没しててね、10組に1組位のペースで襲われてるんだよ」
「ローグベアか。ギルドに報告はしているのか?」
「もちろんだよ。そろそろ討伐されるはずさ。因みに滞在理由を教えてくれるかい」
「宿に泊まりに」
「了解。じゃあこれが通行許可証ね。またここを通る時に回収するからなくさないようにしてね。もしなくしたら1枚につき罰金銀貨1枚だから。ではごゆっくり」
男はそういうと詰所らしき部屋に入っていった
「ねぇ、ソフィア、ローグベアって何なの?」
「魔物の一種で、でかい熊だ」
「強いの?」
「あぁ、ローグベアを1人で倒す事ができたら1人前の冒険者だと認められる位の強さだ」
「へぇ、そうなんだ」
1人前の冒険者がどれ程の強さなのかは分からないがローグベアはそこそこ強いのだろう
そんなことを話ながら馬車に乗り込み、また少しすると馬車が止まった
「ソフィアさん!宿に到着しやした!」
「了解した!」
俺とソフィアは馬車を降りる
「では、明日の明け方にまたここに来てくれ。それまでは自由行動だ。それとこれが今日の分の代金だ。明日も早いんだからちゃんと体を休めること、いいな!」
「わかりやした!ではオイラはこれで」
御者の男が去っていく
「さて、私たちもいくぞ」
「わかった」
俺達が今日世話になる宿は白月亭というらしい
三日月が描かれた看板に書かれてあった
「いらっしゃい」
入ると恰幅の良い女が受付らしき場所にいた
この世界の店の受け付けには恰幅の良い女しかいないのだろうか?
「2人部屋を1室頼む」
「悪いね、今2人部屋は満室なんだ。そこの坊主となら1人部屋でも十分だと思うよ。それが嫌なら値段は高くなるが大部屋が空いているけど、どうするかい?」
「オリヴァーは、どっちがいいんだ?」
「安い方で良いんじゃない?」
「そうか、なら1人部屋の方で頼む」
「なら2人で銀貨1枚だよ」
ソフィアは銀貨1枚を渡す
「まいど、部屋は2階に上がってすぐの部屋だよ。夕食は食堂に来たら食べれる事になってるからね。これが鍵だよ」
「すまない。オリヴァー行くぞ」
俺は、お辞儀をしてソフィアの後に続く
それにしても俺も礼儀正しくなったもんだ
前世ではお辞儀なんてものはしなかっただろう
これもエリーの教育の賜物だろう
2階に上がり早速部屋のなかに入る
中はベットが1つ壁際に寄せてあり窓の近くに机と椅子が1組あるだけの簡素な部屋だった
「ん、まぁまぁキレイだな」
「そうだね。でも汚い宿なんてあるの?」
「私がいままでで1番汚いと思った宿は、布団にカビがはえてるは、虫も多いし、異臭が漂っていたぞ?」
俺はそれを想像すると身震いを起こす
「何だってそんな宿に泊まったのさ?」
「金が、無かったのだ…」
「そ、そう……」
何か凄い黄昏て言われたので返答に困ってしまう
視線もなんだか遠くの方を見ている気がする
「そんなことより飯を食べに行くぞ。そろそろお腹が空いてきたからな」
しばらく黄昏ていたソフィアがようやく動き出すので後に続く
食堂は喧騒にみちていた
大人数で宴会らしきものをしているもの達、逆に1人で静かに食べている者、酔いつぶれたのかテーブルに突っ伏している者、様々な人達で賑わっていた
「お、早速来たかい!すぐに料理を持ってくるから空いてる場所に座ってな!」
さっきの受け付けにいた女も丁度食堂に来たのか俺達に声をかけると裏の方に入っていった
「あそこに座ろうよソフィア」
俺は宴会をしている奴らから1番離れた場所にある席を指差す
そこはまだ小さなバンダナを頭に巻いた男の子がせっせと片付けをしていた
「片付けもそろそろ終わりそうだしあそこにするか」
ソフィアは宴会をしている場所を見ながら言う
ソフィアも静かな場所で食べたいのだろう
「あ、お客さん。あと少しでかたづけが終わるのでまっていてください」
男の子は近付いてきた俺達に気付いたのか片付けながら言う
まだ幼さの抜けない声だ
「お客さんは、ぼうけんしゃですか?」
男の子が手を動かしながら聞く
「そうだ」
ソフィアがそう答えると片付けていた手がピタリと止まる
そのままキラキラした目でソフィアを見つめる
「ならなら!僕もいっしょにごはん食べていいですか?お話ききたいです!」
「そ、それは…」
未だに男の子のキラキラした視線はソフィアに注がれている
その視線から逃れるように俺の方へと顔を向ける
あ、目があった…
「話ならそこにいる奴の方が上手いからそいつに頼むと良い」
うわぁ、なすりつけられた
すると男の子のキラキラした視線が俺に注がれる
「お話きいてもいいですか?ぼく、ぼうけんしゃになるのがゆめなんです!」
キラキラの度合いが増した
「うっ…はぁ、わかった聞かせてあげるから準備が終わったらこっちにおいで」
「やったあぁぁ!じゃあ、すぐにかたづけるね」
さっきよりも2倍近い速さで食器などが片付けられていく
「では、りょうりの方もすぐに持ってきますのでまっていてください」
ビューン!と効果音がなりそうな速さで裏の方に入っていった
「ソフィア?」
「…………」
ソフィアをジーッと見つめ続ける。…目があった
「その…子供の相手は苦手なんだ…」
「僕も子供なんだけどなぁ~」
そういえば、リリーの時も確かなすりつけられたような気がする
まぁ、リリーと友達になれたから良いけど
「オリヴァーは何ていうか、その…あまり子供という感じがしないから大丈夫なだけだ」
「まぁ子供が好きそうな話ならレパートリーが結構あるから別に良いんだけどね」
俺は前世で読んだラノベのいくつかを頭に浮かべる
「そういうところが子供っぽくないんだ」
精神年齢はもうおっさんだし
「さて、座ろうか」
「だね」
それから少しして男の子と受け付けにいた女が料理を持ってやって来る
話によるとこの男の子は受け付けの女の息子のようだ
「ごめんねあんた達、家の息子が世話になるみたいで。その分っていっちゃ何だけど、料理の方をおまけしてあるからよろしく頼むよ」
そう言って女はまた仕事に戻っていった
その後俺は、飯を食べながら男の子に前世で読んだラノベの話を聞かせた
そして料理をあらかた食べ終わる頃に丁度話も終わった
「ありがとうおにーちゃん!すっごくおもしろかった!」
「喜んでもらえて良かったよ」
男の子は物凄く喜んでいたがこの世界は娯楽になるようなものがあまり発達していないのだろう
「ねぇねぇ、おにーちゃんはさローグベアって知ってる?」
「あぁ、最近この辺りでよく出るらしいな」
「おにーちゃんは見たことあるの?」
「無いよ。でもそいつを倒したら冒険者として1人前だと認めてもらえるらしいぞ?」
「え、そうだったんだ!ぼくもやっつけたらみとめてもらえるのかな?」
「きっと認められるさ」
「ほんとに?」
「ほんとにだ」
「ほんとのほんとのほんとに?」
「あぁ、ほんとのほんとのほんとにだ」
そこに受け付けの女がやって来た
「家の息子が何か失礼なことはしなかったかい?」
「おりこうさんでしたよ?」
「そうかい、それならよかった。ほらあんたは寝る時間だよ」
「はぁーい。おにいさん、おねーさん、きょうはありがとう!おやすみ!」
最初は拙い敬語を使っていたがやはり子供というのは今のような話し方の方が合っている
「あぁ、おやすみ」
「おやすみ」
俺とソフィアが言うとニッコリと笑って裏の方に入っていった
「さて、私たちも部屋に戻るか」
「そうだね」
俺とソフィアは席を立つ
「本当に今日はありがとうね」
「いやいや、ご飯美味しかったです。それでは」
こうして旅の1日は終わりを告げた……かのように思われた……
久し振りにクリムゾンホワイトの総合評価を見たのですが全くの変動なし……
しかし、めげずに頑張ろうと思います!!




