見慣れてると普通、見慣れないと異物。
「あの、これなんなんですか?」
大きくなっていくこの球状のものはなんだろうか。本当に何故こんなに大きいのだろうか。
「何って、ご所望の物だぞ?」
「いや小物って言ったんですけど…」
「あ、そうか」
いや何を確かにという表情をされてるのですか?
「おい、もっかい頼む」
「うぃっす」
あ、もう一回やってくれるんだ。
と呼ばれた人が今度はこっちに近付いて来た。
近付いたかと思ったら、何かを手渡してきた。
「ハイ」
「あ、どうも」
最初からこれで良かったんじゃない?というか、さっきのくだり必要だったの?つーかなにこれ、ブニブニするし。
「あの、これなんなんですか?」
「何って、ご所望の物だぞ?」
「いや、さっきと同じくだりをしたいんじゃないんですけど…」
「まあ、小物だぞ?」
「まあ、そうですけど」
「じゃあ良いじゃないか」
「あの、こんな得体の知れない物は怖いんですけど」
「そうか?別に気にしなけりゃ問題無いぞ。だよな『バランサー』」
「うぃっす」
いや貴方がさっきからうぃっすうぃっすしか言ってないのも一因なんですけど。ちょっと怖いのよ。
「一応、訊きますけど、無害?」
「うぃっす」
いやうぃっすじゃ分かんねぇんだよ、ちゃんと答えろや。まあ、いいや。ここで毒とか渡してくる訳ないか。
「じゃあ、やりますね」
「おう」
この謎の球体を、上方向に落とした。こう見ると、物理法則を無視する動きって気持ち悪いな。一定の速度で上に落ちてく、いや上る?飛ぶ?まあいいや。とにかく普段見てるからあんまりだけど、改めて見ると違和感しかないな。そう思いながらも球状の何かをキャッチした。感触は相変わらず少し気持ち悪い。
ちなみに周りの反応は、おおとかうわとか、異物を見る反応ばかりだった。まあそりゃそうだよね。手品でも見た事ないもん。ありそうだけど。
「ははは、気持ち悪いな、お前の能力」
「堂々と言いますね」
「?おう」
デリカシーとか無いのか、この人。
「無遠慮ですね」
「そうだな。度々治せと叱られる」
叱られてんなら治せよ。と思わず言いそうになったがぐっとこらえた。多分表情は誤魔化せてない。こっち見てなくて良かった。
「叱る人いるんですね」
「?いるぞ、そりゃあ。私も完璧じゃないからな」
普通に普通の事言う姿が、あまりにも違和感。変な人。
「よし、じゃあ見せてくれてありがとな」
さっき見たばっかだったのがあるけど、石木田くんのが驚いたな。便利そう。ターンとかで。
「あとは、案内はしたか?」
「いえ、まだです」
「じゃあ頼んだぞ『残業』」




