【96】1個大隊、全滅
そうだ!忘れていた!
「艦長より機関!エンジンスタート!」
「え?また艦長?今度は、なんです?」
「いいから、すぐに飛べるようにしてくれ!!」
俺は、機関長にお願いした。
ウィーーーーーーーーーン!
ウィーーーーーーーーーン!
俺は、警報を鳴らした。
《出航警報!出航警報!》
「ブリッジ要員は、ブリッジへ!」
「ブリッジ要員は、ブリッジへ!」
シュィーー
航海長や測距長がみんな来た。
「ヤバい!夜明けだ!電磁波にやられちまう!」
俺は、みんなに言った。
「あ!そうだった!」
みんな忘れてたようだ。
「艦長より副長。HDを回収せよ!」
「え?なんですか?」
「HDを回収しろ!で、すぐに艦に戻れ!」
「………、シャーーーー、…………、ザザッ………」
バシュッ!………… ガシャン!
バシュッ!バシュッ!…………ドターーン
ガチャガチャン
ドタン
小隊ごとに攻撃範囲を広げていたHDが、次々と倒れだした。
パシュ!パシュ!
バァーーーーン!!
パシュ!パシュ!パシュ!
ダァーーーーン!!
副長が編成したHDは、自分で倒れるか、惑星にいたHDに撃たれて倒れた。
さっきまでは、新型HDが旧型HDを徹底的に撃ち倒していたが、今は全く形勢逆転していた。
立っている新型HDはほとんど無く、歩き回っているのは旧型HDばかりだ。
ヒュィン、ヒュィーーーン、ヒュィーーーーーー!
[もがみ]のエンジンが起動した。
シュィーー
副長がブリッジに戻って来た。
「バタバタ倒れてる」
「夜明けになったら、パルサーの電磁波の影響を受けることを忘れていた」
俺は、素直に認めた。
バン!バン!バン!
ガン!ガン!ガン!
11番ハンガーに敵のHDが戻ってきて、[もがみ]を撃ち始めた。
バン!バン!バン!
ガン!キーーン!ガン!ガン!
バキーン!キーン!
次から次へとHDが増えてくる。
ババババババ!
バン!バン!
めちゃくちゃ撃ちまくってくる。
「エンジン出力50%」
ノラン航海長が言った。
「下部スラスターで、吹っ飛ばせ!」
俺は、命令した。
パシューーーーーーーーーーッ!
下部スラスターを噴射すると、HDはハンガーの隅っこへ吹っ飛ばされた。
「まだ陰か?」
俺は、レーダーのナラル中尉に聞いた。
「あと10分で陰から出ます」
「日向になるってことか」
俺は、言った。
「離陸は間に合うか?」
「離陸、オッケーです」
「よし!離陸だ!」
「アンカー解除!上昇します!」
航海長がコールした。
キュィーーーーーーン!
艦が浮き上がった。
「失敗した」
副長が言った。
「失敗したのは、俺だ」
俺は、副長に言った。
「2個大隊2,000体のHDをぶっ壊しちまった」
「まあ、気にするな。失敗から学ぶこともある」
[ジョージア]のケサン少将が言った。
「貸した2,000体が一度に失われるのは衝撃だが、くよくよしてもしかたがない。次に繋げればよい」
少将は言った。
「高度100メートル。方位を090にとり、東へ進みます」
「よろしい」
ピーン!
「レーダーに感あり!方位290、距離20,000、速力500、小型飛行体です。数、約100」
「あのHDが乗ってる戦闘機か?」
レーダーのナラル中尉が言った。
ウィーーーーーーーーーン!
ウィーーーーーーーーーン!
《警戒警報!警戒警報!》
「全艦、対空防御!」
「方位278、距離10,000、速力変わらず」
中尉が報告する。
「方位278?」
俺は、ふと疑問に思った。
敵のHDも戦闘機も、この電磁波の中で活動できるのか。
ウチのHDがバタバタ倒れる中で、平気で行動できたのは何故か?
「方位270、距離5,000」
「艦長よりCIC、対空砲用意」
「CIC、対空砲、アイ」
「航海長、[もがみ]が日向に出たら、影響を受けるよな?」
「受けると思いますよー」
「じゃー、東にしか行けないな」
「そういうことになります」
「方位200、距離1,000」
カン!、カン!、カン!、
カキン!カン!カン!
カン!ガガガガン!
キィーーーーーン!
キィーーーーーン!
「来ました!」
パシュシュシュシュシュッ!
パシュシュ、ドガーーーン!!
キィーーーーーン!
パシュシュシュシュ、ドッカーーーン!!
「対空砲、命中!」
キィーーーーーン!
カン!カン!カン!カン!カン!
キィーーーーーン!
パシュシュシュシュシュッ!
「対空クラスター発射」
シュバーーーーーンッ!
ドォーーーーン、ババババババ!
空中で四散した子爆弾が命中した。
「いちいち対空砲じゃ、キリがないな」
パシュシュシュシュシュッ!
キィーーーーーン!
カン!カン!カン!カン!
パシュシュシュシュシュッ
ドドーーーン!
シュィーー
サクラがブリッジに来た。
「あの旧型HDは、電磁波から身を守っています」
サクラが言った。
「頭上の円盤型アンテナです」




