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PS72パルサー星系防衛軍  作者: 星野 光一
95/132

【95】HD 対 HD

「クロダ少佐、必要であれば、HDを提供しよう」

[ジョージア]のケサン少将が申し出た。


「[ジョージア]には人間は乗っていない。全てHDだ。私が入れ換えてきた。このまま第15連合艦隊や第17の仇を討とうとしても、このままでは精神論だけでの戦いだ。だから、ブリッジ要員だけ残して、あとは君に提供し、有意義に使ってほしい。言いたい事は分かるな?」

「少将……」

俺は、何も言えなかった。


「全部で2,000はある。自分は[ジョージア]に残る。

後は頼んだぞ、少佐」

少将は俺と敬礼を交換すると、ブリッジから出て行った。


そしてその後、俺は艦長室でサクラと協議した。

「サクラ、俺たちは第20番惑星を調査しなければならない。何者が支配しているのか。それは人間なのか。そして、あのHDはなんのためにいるのか」

「…………」

サクラは答えない。


「サクラ。協力してくれないか」

「…………」


「艦長!HDのコントロールセンターが分かりました」

通信担当のタレク少尉が報告してきた。


「………した」

サクラが小声で何か言った。


「え?なんだって?」

俺は、聞き直した。


「分かりました」

サクラは言った。


「ヒラセ副長、この星の調査の件は、副長が指揮を執ってくれないか」

俺はブリッジへ戻り、副長を指名した。


「はい。分かりましたが、何故です?」

副長は、軽く聞いてきた。


「人間の生存者の確認が第一だから、本来はサクラにやらせてもいいんだけれど、ウロついている敵のHDに対してウチのHDがどう反応するか分からないので、色々と判明するまでは人間が指揮した方が良いかなと」

俺は、説明した。


「はっ。分かりました。ついては、[ジョージア]のHDを使って捜索班の編成などをおこなってよろしいでしょうか?」

「もちろん。うまく使ってくれ」

「了解しました」

まあ、副長なら、このくらいはうまくやってくれるだろう。


1時間後


「よし、では10体で1小隊の編成とする!

そして、10小隊で1中隊、10中隊で1大隊だ!」

副長がHDの組織を編成した。


「まずは、小隊ごとに移動し、このハンガーを一つずつ制圧する!かかれ!」


ザッ、ザッ、ザッ、ザッ

ウチのHDが行動を開始した。


バシュッ!バシュッ!

バシュッ!バシュッ!

敵のHDを見つけ次第、撃ちまくっている。


パシュ!パシュ!パシュ!

敵も防戦してくる。


バババババ、バシュッ!バシュッ!

うちのHDの銃の方が性能がいいらしい。


バーンッ!

バシュッ!バシュッ!

チュィーン!ピキーーン!


ハンガー内で、レーザーと銃弾が飛び交い、[もがみ]の艦体にも当たる。


バシュッ!

バシュッ!

………………。


「11番ハンガー、制圧」

「了解、12番へ移動せよ」


バシュッ!バシュッ!

ピキィーーン

パシュ!パシュ!

バーーーン!

バシュッ!


交戦は12番ハンガーへ移った。


シュイーーン

副長は[もがみ]の艦底の出入口から外を覗いてみた。

遠くで銃撃戦の音がしているが、このハンガーの中ではないらしい。

そして、そこらじゅうに砕けたコンクリートやらガラスやら、HDも転がっていて、砂ぼこりみたいのがモウモウと充満している。


フィーーン

レーザー銃の充填音がして、HDがこちらに銃を向けている。


「おい、おい、おい、[もがみ]の副長だ!!」

HDは銃を降ろして、

「失礼しました」

と言って、去って行った。


「こちらリーダー、攻撃範囲を広げろ」

副長はウチのHD部隊に命令した。


「艦長だ。副長、人間の痕跡は無いのか?」

俺は、副長に聞いた。


「あ、艦長。人間の痕跡はありませんね。全然」

「HDの攻撃範囲を広げたようだが、人間の痕跡も探してくれ」

「了解しましたー!」


人間の痕跡が無いというのは………

まぁ、結論を出すには、まだ早いか。


バシュッ!バシュッ!

バシュッ!バシュッ!

チュィーン!


パシュ!パシュ!パシュ!

バーーーン!

バシュッ!

ドドーーン!


「12番ハンガー、制圧」


バァーーーーーーーン!!

ドドーーーーーン!!


「13番ハンガー、制圧」

ウチのHDから、次々と連絡が入る。


「10番ハン………、ザザッ……」

バシュッ!


……………、バタッ!

ガシャン!


「リーダーへ、こち………、ザザッ………」

ん?どうしたんだ?


「こちらリーダー、HD部隊、応答せよ!」

「…………ザザッ、シャーーーー、…………ザザッ」

どうなってるんだ?

副長には、何が何だか分からなかった。


シュィーー

俺がブリッジへ入ると、通信のタレク少尉がパニクっていた。


「あーーー!!!!艦長!!大変です!!」

「どうした?そんなに慌てて」

「大変です!!!早く離陸しないと!!!」

少尉は、完全に、パニクっている。


「おい、おい、ちょっと落ち着け」

「落ち着いてらんないですよ!!

夜明けですよ!!!」

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