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PS72パルサー星系防衛軍  作者: 星野 光一
93/132

【93】海兵隊救出へ、[もがみ] 出航

「こちら[ドク・ワン]先遣海兵隊現地司令部。レッド・リーダー、マドル少佐、応答願います」

「…………」


「こちら[ドク・ワン]先遣海兵隊現地司令部より、レッド・リーダー、マドル少佐、応答願います」

「…………」


「ダメです。応答ありません」

[先遣海兵隊現地司令部]の通信担当士官が言った。


「[たちばな]はどうだ?」

「こちら[ドク・ワン]先遣海兵隊現地司令部より、特務護衛艦[たちばな]、応答願います」

「…………」


「こちら[ドク・ワン]先遣海兵隊現地司令部より、特務護衛艦[たちばな]、応答願います」

「…………」


「ダメです。全く反応がありません」

「一体、どうなってるんだ?」

「海兵隊の増員を要請しますか?」

「通信用潜宙艦は、今行ってしまったばかりだ」

[ドク・ワン]の船長は困ってしまった。


「第1遊撃機動艦隊に要請しては?」

士官が言った。


「いや、その決裁は下せない」

たかがドック船の船長に、そんな権限は無い。


* * *


「司令、惑星で爆発が起きているようです」

サクラが言った。


「爆発?海兵隊の戦闘か?」

「分かりません。夜側なのに、電波状態が非常に悪いです」

「何も連絡がとれないのか?」

俺は、聞いた。


「はい。まるで……、まるで、妨害電波のようで………」

「んー!一向にラチが明かんな!!」

何もできないというのは、イラつく。


「お気持ちは、よく分かります」

「行くしかないか」

俺は、意を決した。


「どうやって?」

サクラが聞いた。


「[もがみ]でさ!」

「あなたのような人を、昔の地球では[アウトロー]と呼んだらしいですよ」

「それは、俺の本名だよ」


「ブリッジより機関、エンジン、アイドル」

「え?艦長?」

「いけないのか?」

「あ、いえ! エンジンアイドル、アイ!」

マテラ機関長は驚いた。


フィーーーーーーーーン

エンジンが回転し始め、音と振動が伝わってきた。


スーーッ

ドアが開いて、副長と航海長がブリッジに来た。

「艦長!どうしたんですか?」

戦術長や測距長もやってきた。


みんなの顔を見て、俺は言った。

「先遣海兵隊と連絡がとれない。

安否の確認もできない。

[ドク・ワン]は動く気配が無い。

じゃあ、どうする?」


「やることは1つでしょう」

「この[もがみ]は、艦長の船です」

「私たち全員が乗った、艦長の船です」

みんな、俺がなんと言うか待っている。


「よし、みんなで行こう」

俺は、言った。


全員が担当の席に着いた。


ピィー、フィー!

サクラが号笛を吹いた。


「艦長より達する。

本艦はこれより、第20番惑星へ先遣海兵隊の救出に向かう。各部署点呼をおこない報告するように。なお、緊急出航のため不在者がいてもやむを得ないものとし、これを咎めない。以上」

フィー、ピィーー!


「ブリッジより機関へ、エンジン出力50%」

「エンジン出力50%、アイ!」

「方位350、距離121,000、第20番惑星」

「艦、周囲、異常なし」


キュィーーーーーーン!

エンジン音が高くなる。


「サクラ、艦隊各艦へ、秘密回線で伝えておけ」

「了解しました」

「エンジン出力80%、速力3,000」

ノラン航海長が報告した。


「標識灯、探照灯、艦外灯火、全消灯!」

「距離80,000、レーダーに敵影なし」

「よし。両舷加速前進!」

「両舷加速、速力5,000、アイ!」


ピィーーーーーーーー!

《接近警報!接近警報!》


「ミサイル接近!、数2、距離70,000、速力10,000」

レーダー担当ナラル中尉が報告した。


「レーザー迎撃準備」

「レーザー迎撃照準、アイ!」

「艦長!ミサイル発射地点を叩いては?」

副長が進言した。


「あくまでも救出活動であり、交戦したとしても自衛のためである」

「はっ!分かりました」

副長は、納得した。


「ミサイル、距離30,000、接近中!」

「第1砲搭3門、不集束レーザー発射準備」

「不集束レーザー、アイ!」

「距離、16,000、間もなく射程圏内です」


「よし。5、4、3、2、1、てーーーっ!」

バシューーーーーン!

バシューーーーーン!

バシューーーーーン!

3発のレーザーが発射された。


不集束レーザーは、遠くへ伸びるにつれ、少し広がる。小さくて数がある目標に有効である。


ビカッ!!ビカッ!!

前方で2つの爆発光が見えた。


「レーザー、ミサイルに命中!排除しました」

レーダー担当ナラル中尉が報告した。


「よし、そのまま前進!」

「前進!アイ!」


惑星の夜側に見える明かりが増えてきた。光はかたまっていたり、バラけていたり、光の強さもバラつきがあれば、色も多種多様だった。


直線的な光は交通網だろうか。近付くにつれ、都市の輪郭がハッキリしてきたように思われる。

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