【69】戦艦[ジョージア] 、 第5防衛隊 発見
ピカッ!ビカーッ!
ピカッ、ピカーッ!
4回、爆光が見えた。
「全弾、命中!」
CICから艦長へ伝えられた。
「よし!動きはどうなった?」
「不明船、停船しました」
「よし、ゆっくり接近せよ」
戦艦[ジョージア]は、6隻の船がプカプカと浮かぶ空間へゆっくりと近付いて行った。
「左舷から手前5艦を迂回し、接近せよ。レーザー砲の照準は不明船に合わせたままにしておけ」
「CIC!了解」
[ジョージア]は迂回しつつ、一番手前の艦に接近した。
ケサン艦長は、人類バージョン2.4.6だ。
眼球が進化操作されていて、つまり暗かったり遠かったりしても、物がよく見えるようにできる。
艦長は、一番手前の艦の標識を読んだ。
[GB-107 LUITEN]
「艦、停止。不明船に照準固定したまま、手前5艦それぞれに舟艇で調査班を送れ」
「こちら戦艦[ジョージア]、現在、第5防衛隊を発見、不明船と、[ルイテン]他4艦とともにあり。今後の対応について指示を願う」
[ジョージア]のケサン艦長は、[ルイテン]発見の一報とともに、今後の扱いについて司令部の指示を仰いだ。
* * *
「司令、戦艦[ジョージア]が行方不明だった第5防衛艦隊を発見したようです」
新しい第1遊撃機動艦隊の旗艦となった[もがみ]のブリッジで、副長席に座っているサクラが、艦長席に座っている俺に、報告した。
んー! 新しくてデカいブリッジは、気持ちがいい。
「あ、あ、そうなのか、了解っ」
やべ、なんか焦って答えてしまった。
「不用意に近付かないよう、[ジョージア]に忠告した方がよいのではないでしょうか?」
サクラが提案した。
「あ、それもそうだな。連絡してくれ」
俺は、サクラに頼んだ。
「こちら第1遊撃機動艦隊、旗艦[もがみ]、第38連合艦隊、旗艦[ジョージア]、応答せよ」
「こちら[ジョージア]、[もがみ]どうぞ」
ジョージアから応答があった。
「本艦隊は不明船であった[ながら]と接触、乗艦及び臨検を実施し、詳細を入手した。データをこれから送るが、まずは不明船のミサイル発射管がトラクター・ビーム発射装置に改装されていることに留意されたし。その他にも何らかの脅威が隠されている可能性もあるが、まずはミサイル発射管を使用不能とすることを進言する。以上」
サクラは、[ジョージア]に警告した。
「こちら[ジョージア]、貴艦のご忠告に感謝し、即時、対応をおこなう。以上」
[ジョージア]からお礼が来た。
* * *
「なるほど」
[ジョージア]艦長のケサン少将は、通信担当士官のHDから報告を受けて、つぶやいた。
「艦長より、CIC。[あさひ]のミサイル発射管をレーザー砲で破壊せよ」
「CIC、アイ」
ケサン少将には、一番奥側の不明船、つまり第5防衛艦隊所属ではない艦が見えていた。
艦橋部分に取り付けられた艦名表示には、[GB-151 ASAHI]と、あった。
銀河帝国宇宙軍の戦艦[あさひ]である。
シュィーーーーーン!
シュィーーーーーン!
ビカッ!
ビカッ!
[ジョージア]の艦首砲搭から2発のレーザーが発射され、ほぼ同時に[あさひ]の右舷ミサイル発射管が破壊された。
「航海長、後ろから相手の左舷へ回り込め」
[ジョージア]は、ミサイル発射管から爆煙を上げている[あさひ]の側面を見ながら艦尾方向に進んだ。
「CIC、相手の砲搭その他の武装にも注意を怠らないように」
「CIC、アイ」
[ジョージア]は、[あさひ]の艦尾を見ながら、左舷に回り込もうとした。
[あさひ]には、一見したところ外部に異常は無い。
しかし、標識灯や航行灯、艦内の照明などは何も点いていないので、全電力が喪失しているという想像はできた。
「警備部、右舷のミサイル発射管を破壊したら、臨検をおこなう。50名を召集し、舟艇発着所に集合せよ」
ケサン少将は、臨検用の警備隊の集合命令を下した。
実は、[ジョージア]には艦長以外に人間はいなかった。くじら座ミラ星系での戦闘の後、電磁場変位の痕跡を基に[ジョージア]単艦で第5防衛隊を追跡すると独断決定した時、第38連合艦隊2番艦の戦艦[ワシントン]のHDと[ジョージア]の人間を入れ替えたのだった。
ミラ星系から[ジョージア]が単艦で離れて行く時、戦艦[ワシントン]に転属した副長、航海長、戦術長、機関長以下、多数の人間たちは、[ジョージア]が暗い宇宙空間へ見えなくなるまで敬礼し続けた。
* * *
「いやー!あのカジノで大勝ちしたぜ!」
「ビッグ・ベア2の医務室の子がカワイくってさー」
「シェダルに別荘建てるならいい所見つけたよ」
「踊りまくって、飲みまくって………、オエーッ」
休暇を楽しんでいる全員の、携帯端末、腕に着けた端末、手のひらに埋め込まれた端末、中耳が進化した者、第15連合艦隊全員へ、あと5時間で休暇時間が終了することが通知された。




