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PS72パルサー星系防衛軍  作者: 星野 光一
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【61】行方不明巡洋艦 280年ぶりの発見

戦艦[カリフォルニア]の艦長、カジン少将と回収調査官のタトル大尉の協議の結果、カシオペア座シェダル・アルファ付近の大事故について、スペース・ギャラクシー・エアからビッグ・ベア2隻を徴用して、救助隊員の生活空間とし、救難救助隊1個師団10,000名を追加派遣することとなった。


処理方法としては、やむを得ず大型回収装置を導入して、機体残骸と遺体を分別する。


遺体は自動洗浄してから密封し、DNAによって個人を特定して、それぞれの家へ送ることとなった。


この事故が収束するには、数年かかるだろう。


* * *


戦艦[むつ]を旗艦とする第4機動艦隊は、不明艦隊をロストして以降、おとめ座スピカ星系から遠ざかりつつあった。


しかし今回、第4機動艦隊の回収調査班は、不明艦隊の様々な痕跡を回収することができた。


6975年に行方不明となった、軽巡洋艦[すみだ]と、

6980年に行方不明となった、戦艦[ひゅうが]の2艦の残骸である。


これらの残骸を持ち帰ることと、交戦によって多少なりの損傷を受けた戦艦[ひたち]と[のと]の修理のため、今後は一旦、火星基地へ帰還することとなった。


現宙域から火星までは、約260光年。通常のワープ航行での帰還である。


「航海長、直近のジャンプ・アップ・ポイントの検測を」

艦長のエレノ少将が航海長に命じた。


「直近の時空の歪み地点は、方位087、上下マイナス7度、距離336,200です」

「よし、ではそこから火星へ帰ろう」

エレノ艦長は、航海長に言うと、ブリッジから艦長室へ入った。


* * *


「目標、方位019、上下プラス3度、距離50,000、速力60,000。

対して自艦、速力50,000、距離開きます」

[しらかぜ]のサクラが報告した。


「航海長!だらしねーぞ!」

俺は、カツを入れた。


左を見ると、[いそかぜ]が艦半分ほど先行している。

そしてその奥から[あきかぜ]がさらに加速して飛び出してきた。

ちくしょー、ヤマナカか!


「ハロヤ航海長!もっとアクセルを踏め!」

航海長は、レバースイッチを上げた。


「隣の艦の前に、バナナの皮でも撒けばいかがです?」

サクラが航海長をからかった。


「目標速力70,000、本艦速力65,000。負けてます」

サクラがコールするたびに、航海長はチラチラと俺を見る。少し、自信喪失しているのか。


「目標加速75,000、本艦速力68,000」

サクラがコールすると、また航海長は俺を見た。


俺は、口の形で、教えてやった。

すると航海長は言った。

「ブリッジより機関へ、イオンエンジン・ブースト噴射、出力150%」


「イオン・ブースト!150%、アイ」

ドォォォーーーーーーッ


「んー!シートに押し付けられるぜ」

俺は、この感覚が大好きだ。


「目標速力80,000、自艦速力75,000、距離50,000」

サクラがコール。


「軍曹!ぶっ飛ばせよ!」

航海長はレバーを押した。

ドゴォォォーーーーーン


「イーーーーーーーヤッフォー!!」

「速力85,000、距離35,000」

「曹長!ミサイル発射だ!」

「ミサイル、アイ!距離35,000! 発射!」


バシューーーッ!

[しらかぜ]の艦首からミサイルが発射された。

見ると、左の[いそかぜ]もミサイルを発射した。


「速力95,000、距離20,000、1番接近!」

サクラがコール。


「よーし!行け!いけ!」

「速力100,000、距離10,000、1番ハズレました!」

「あぁ?!」

なんでハズすんだよ?!


「レーザー、手動射撃!」

ナジラ戦術長が引き金を引いた。


シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

1番砲搭から3発のレーザー砲が発射された。


ビカッ!

ビカーンッ!

ビカーッ!

「レーザー命中!、目標減速!」

サクラが確認した。


「ちくしょー!」

戦術長が再び引き金を引いた。


シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

2番砲搭から3発のレーザー砲が発射された。


ビカッ!

ビカーンッ!

ビカーッ!

「レーザー命中!、目標さらに減速!」

サクラが確認した。


「艦、減速、50%」

ハロヤ航海長がコール。

[しらかぜ]は、減速を始めた。


シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

シュィーーーーーン!

[いそかぜ]がレーザーを発射した。


ビカッ!

ビカーンッ!

ビカーッ!

3発とも命中した。


「距離2,000」

船影や残骸、爆煙などが目視できるようになった。


ピカッ

ピカピカッ!

船内で誘爆が起きているようだ。


宇宙軍の巡洋艦クラスの大きさだ。

「サクラ、あいつを撮影して、データベースと照合」

「もう、やってます」

さすが。


「司令、出ました。6977年に行方不明になった、

重巡洋艦[ながら]です」

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