表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PS72パルサー星系防衛軍  作者: 星野 光一
21/132

【21】ボチボチ、練習開始かな

「オリオン座方面軍司令部から、宇宙軍本部へ。

リゲルB、惑星デルタより、緊急救助要請」


宇宙軍火星本部の通信士官が、遠くはなれた銀河の彼方からの通信を受け、宇宙軍総司令官イアナ提督へ報告したのは、駆逐艦[しらかぜ]と[はまかぜ]が訓練航行として火星上空を3周回した頃だった。


略式任命で、シンヤは少尉となり、駆逐艦[いそかぜ]艦長となり、カズは少尉となり、駆逐艦[つきかぜ]の艦長の任命を受けた。

ともに、おおいぬ座方面軍第3駆逐艦隊所属である。


「命令を受信しました。

カドマツ少尉は50番ハンガーの駆逐艦[いそかぜ]に、ドバシ少尉は63番ハンガーの駆逐艦[つきかぜ]に乗艦し、2日後の0800時までに出航準備を完了し、報告すること。本命令受信後はHDに向けて復唱し、敬礼実施によって、命令受諾となす。以上」

ユリが、神妙に伝達した。


「カドマツ少尉、了解しました」

「ドバシ少尉、了解しました」

2人は、ユリに向けて、敬礼した。


シンヤとカズは、ユリとスミレに挟まれて、

ハンガーに向かって歩きだした。


* * *


「本艦は、高度5,000メートル、水平、時速8,000キロで、火星周回航行中。これより4周目です」

[しらかぜ]のハロヤ航海長が報告した。


「よろしい」

俺は、報告を承認した。


「異常はないか?」

「ありません」

「では、訓練を」

「了解」


ウーーーッ!

ウーーーッ!

警報が鳴った。


俺は、ストップウォッチをスタートさせた。

「第2デッキ、厨房付近で、火災発生。

消火班、救助班、警備班、設備班は出動せよ」

サクラが訓練の開始を、館内に伝達した。


「艦長、こんな時ですか、辞令を受信しました」

サクラの胸の部分が透過され、ディスプレイになった。


「おおいぬ座方面軍司令部発。

当該HDを、

駆逐艦[しらかぜ]所属の専任曹長に任命する」

俺は、サクラのディスプレイをOFFにした。


「サクラが、専任曹長?」

「はい」

「そう言えば、HDにも階級はあるのかい?」

「基本的にはありません。HDが人間に命令する事態が生じてしまうのを防止するためです」

「だよね」

俺は、サクラのディスプレイをONにした。


「[しらかぜ]艦長クロダ中尉より、司令部へ。

ただ今の辞令、了解しました」

俺は、サクラに敬礼し、ディスプレイを切った。


「頼むよ、専任曹長」

警報が止まった。


「消火班より統括管理へ。

火災発生区域の消火完了。負傷者なし、発生原因については警備班と設備班が調査し、後に報告いたします」

「ブリッジ了解。統括管理は、これより専任曹長の任命を受けた」


「消火班、了解。おめでとうございます。以上」

俺は、サクラのやり取りを気持ちよく眺めていた。


「HDの艦長もいればいいのにな」

「そういうのを、買いかぶりと言うのです」

サクラは、謙遜して言った。


「ストップウォッチ、止め忘れたよ」

俺は、編隊航行している[はまかぜ]を眺めた。


「[はまかぜ]から入電。

本艦はこれより火星大気圏を離脱。射撃訓練を実施する」

通信士官のHDが報告した。


「アツシのやつ、やるなー」

俺は、通信回路をON LINEにした。


「[しらかぜ]了解。艦を壊さないように」

左側で編隊航行していた[はまかぜ]が、

艦首の上昇角を上げ、速力を増した。


* * *


「艦首上下角プラス10度。速力、時速20,000キロまで加速。火星の重力圏を離脱する」

アツシは、航海長に命令した。


「時速20,000キロ。アイアイサー」

航海長は復唱した。


「測距、障害物に注意せよ」

「測距、アイアイサー」

「駆逐艦[はまかぜ]より、火星防空司令部へ。

本艦はこれより空間射撃訓練を実施する。そのため、空域6000から6050の範囲にダミーターゲットの誘導を要請する」

アツシは、射撃訓練用の目標を準備するように、本部へ要請した。


「防空司令部から[はまかぜ]へ。了解しました。

ダミーターゲット発射は、15分後です」


「[はまかぜ]了解」

[はまかぜ]は、水平航行していた[しらかぜ]から艦首を25度上げて、グングンと加速して行く。


* * *


アツシのヤロー、カッケー操艦だな。


「うまくいけば、石田少尉も中尉へ昇級ですね」

サクラが言った。


「君に作戦や計画を言えば、各部署への通達は、君が瞬時にやるのかい?」

「はい。例えばAという目標を攻撃せよと命令すれば、関係各部署が必要な対応を予測したプログラムを組み、自動的に連携して命令完遂まで実行します」

「途中変更は?」

「臨機応変に対応します」

「なるほど。頼もしいねー」

「それが私たちの職務です」


火星の防空基地から、ダミーターゲットが打ち上げられるのが見えた。

1、2、3、4、5発か。


上空で、太陽の光を反射して、[はまかぜ]がキラリと

光った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ