26/26
2
「ねね、私たちもここで一緒に座っていい?」
「おい、遠慮しろよ」
清太は口ではそう言いながらも座りたそうにしているので、月歌は笑顔を作った。
「勿論です。ドリンク何にされますか? さっき呑んだ期間限定の日本酒、すごくおいしかったですよ」
月歌の言葉に、ミリアと清太が何故か目を合わせた。
「ううん、私たちすごくアルコールに弱いからソフトドリンクで」
「じゃあ、私はオススメの日本酒をいただくわ。月歌さん、いける口なら私のオススメのウイスキーがあるんだけど」
由紀が月歌の隣に座り、ドリンクメニューのウイスキーを指さした。
名前だけは知ってるヤツである。でも、高い。
そりゃあデートの費用は黒瀬が全額払ってくれている。
だからこそ、月歌はあまり高いものは注文しないようにしていた。
「じゃあ、それを月歌さんに。由紀さんは日本酒で、俺らは烏龍茶で」
月歌の遠慮を察したのか、黒瀬がそう言って店員を呼んだ。
(あれ?)
そのときふと、何か重要な疑問が頭に浮かびかけたが、どうしても形にならなかった。




