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ワールドヘイト  作者: 三ki
第1部
44/65

44話 再会

ゼルはライカに飛びついた。そしてライカもゼルを強く抱き返す。それによってゼルの不安定だった心は安定してきた。


「ライカ!! 良かった無事で!!

みんなは!? どうやって無事だったの!?」


「みんな無事だよ。

どうやってかは後で説明するね。というより、みんなのところへ行けば分かるかな。」


ライカはゼルをみんなのところへ案内してくれる。

すると、少ししたところでライカは立ち止まってしゃがんだ。ゼルが目を凝らすと、そこは地下への扉となっていた。

ライカが扉を開ける。


「もう絶対に魔獣に誰も殺されないようにって、みんなで地下を作ってたんだ。そしたら村を警備してくれてた兵士さん達も協力してくれて、結構早くに出来たの。みんなはここにいるよ。」


地下への階段を降りていくと、そこには広い空間があった。そしてそこにいた人達は、ゼルがよく知る人達ばかりだった。ファルにマーフィにルミネータ、そしてサラさんや一緒に農作業をした人達など。


「ゼルッ!!」


ファルが一番に気付いて、ゼルの元へ駆け寄ってくる。その後に他のみんなも気付いて、駆け寄って来てくれる。

心配の声や、激励の声など様々な嬉しいことを言われた。ゼルはずっとここにいたいように感じたが、残念ながらそう言うわけには行かなかった。


「悪いけどもう行かなくちゃいけない。こうしている今も多くの人が死に、多くの人が戦っているはずだから。」


ファルとマーフィはまだここに残ってよ的な発言をするが、他の人達は激励の言葉をくれて、快く送り出してくれた。

ゼルは今降りてきた階段を登りだす。


「じゃあ、私は見送りに行ってくるね。」


ライカはそう言ってゼルの後を追いかけた。




ライカは、誰も付いてきていないことを確認して、ゼルに話しかける。


「ゼル、学校での調子はどうなの?

その…混血の件とか?」


「……今のところまだ進展はない…な。

結局俺は、怖くて一歩も踏み出せないでいる…」


ゼルは階段を登る足を止めてしまう。

そして2人の間に少しの沈黙が出来る。


「ゼル…また本当の姿のゼルを見せてよ。」


「え? まあ…いいけど。」


本当のゼルは、右目が紅色、左目が白色のオッドアイで、髪色も紅と白が混ざった感じだ。

それを”創造”の魔術で、紅を白に染め白人だとカモフラージュしている。

ゼルは”破壊”の魔術を使って髪の染料と目のカラーコンタクトを破壊する。

するとライカは、手をゼルの後ろに回してキスをした。


「ごめんね、我が儘言って。

でも私はやっぱり、本当のゼルを愛したいからさ。


ねえゼル、これだけは忘れないで。

あなたがどんな姿になろうが、私はいついかなる時も、絶対にあなたの味方だから。」


「…うん。」


ゼルは少し涙ぐみながら答えた。

そして今度はゼルの方からライカにキスをした。

その時間はゼルにとって、長いようでとても短い時間だった。


「じゃあ、今度こそ本当に行ってくるよ。

戦ってくる、白人として。」


ゼルは”創造”の魔術で目と髪を白に染める。

そして決意を固めた表情をした。


「うん、行ってらっしゃい。」


ライカの顔は笑顔だった。

ゼルに見てほしい顔は笑顔だから、最後に送る顔は笑顔でいようと思ったのだ。


「ああそれと、俺からも1つ言っておく。」


「ん?」


「俺は絶対にこの世界を創り変えて、お前と結婚するぞ。」


「…うん!」


泣き出しそうになりながらも、なんとかライカは笑顔を保ったまま返事をした。

ゼルは地下から出ていく。

そして今まさに出ようというところで、ライカに向かって軽く手を上げた。


「じゃあ、また!」


「うん! またね!」

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