40話 マルク&ドルタvsノア(1)
ここは、レヴォシティに隣接するコルポシティ。
ここで、人類対魔の頂上決戦が行われようとしていた。アルステーデのレッドスター第一席マルク&カルティアのレッドスター第一席ドルタVS魔王ノア。
倒れていたニールは、マルクの部下に避難させた。
今この場にはマルクとドルタとノアの3人しかいない。この戦いを見物しようと見に来てる者もいない。そんなことをする余裕も、できる実力を持っている者もいない。
「マルクにドルタか…貴様等がいなければ魔人を増やす必要もない。容赦なく殺すぞ?」
全身の強化を終えたノアがゆっくりと2人に近づく。歴戦の猛者である2人にも緊張が走る。
「必要? お前が人類を蹂躙しようとするのはどうしてだ?」
ドルタが冷静に敵の目的を測ろうとする。
「動機か、確かに考えたこともなかった。どうしてだろうな…ただ1つ言えるのは、私が生きていく上で貴様等は邪魔だということ。」
「生きていく上で…?」
「…そうか。貴様達の考えでは、魔人はもう死人だったな。なるほど…ようやく答えが出た。
だから私は…俺は…貴様等が嫌いなんだ!」
ノアは右腕をドルタとマルクの間に伸ばして、その真ん中で四方八方に腕が枝分かれする。
この攻撃はニールに教えてもらってたこともあって、2人とも軽々と避ける。そしてマルクは反撃のため、木の板を手に取り”破壊”の伝播でノアの腕を破壊する。マルクの魔術はニールよりも練度が高いため、ノアの硬い体にもヒビを入れることができるだろう。しかしノアもそれを予測しており、すでに自身で腕を切断していた。さらに、先のノアの攻撃によりドルタと一時的に離れたマルクの元へ一直線に凄いスピードで向かってくる。リガー戦でも、ニール戦でも、ほとんど動くことのなかったノアの足がここで動く。ノアは魔獣細胞で自身の手に剣を創造する。そしてそれをマルクに投げつける。
マルクもドルタも、ただのナイフ投げだろうと思っていたが、どうやら細い魔獣細胞の糸でノアの腕と剣は繋がっており、マルクに当たる直前で、剣が5つに分裂した。あまりに急なことにマルクは避けれなかった。だが、咄嗟に”破壊”の魔術で防御をしたので、ノアの剣はマルクに刺さった瞬間に崩れた。急に分裂した剣だったからこそ、即効性に特化した剣で柔らかかったのだろう。マルクからは血が数ヶ所流れる程度だ。
一方のノアは剣を分裂させた後すぐに糸を切り離したのでノーダメージだ。
「マルク、大丈夫か?」
「問題ない、どこもかすり傷程度だ。
それより分断に気をつけろ。」
「ああ。」
次にノアは魔獣細胞を液体に変えて、2人に向かって大量に飛ばす。この攻撃はニールの言った情報にはなかったが、2人は余裕で躱すことができた。それほどに大した攻撃でわなかった。しかし…
液体となった魔獣細胞は地面の中に溶けていく。
ノアは自分の手を地面の中に突っ込む。
地面が急に騒がしくなった。
ニールの情報と自らがみたノアの能力から、次の攻撃をなんとなく予想した2人は、上空へ大きく飛んだ。
すると、予想通り地面から鋭く尖った魔獣細胞が飛び出してきた。上空に飛んだ程度では一時的な回避にしかならない。マルクの方には追撃がなかったが、ドルタの方は集中して追撃を受けた。追撃を防ぐために、ドルタは頑丈な盾を創り、それを防ぐ。しかし、魔獣細胞の攻撃は横からも来ていた。急いで盾を横にも増設する。
しかし、防ぎきれそうになかったので、盾を足場にさらに上空へと避難する。それを見てノアは魔獣細胞の追撃を中止した。あまりに魔獣細胞を広げ過ぎるのを躊躇したのだろうか。
しかし、ノアはそこら辺に飛んでいる鳥の魔獣を数匹呼び寄せると、その一匹に乗ってドルタに向かってきた。
ドルタはそれを見て、爆弾の創造を始める。
白人No,1のドルタが約1秒もかけて創る爆弾。それはとても巨大なものだった。それをノアに向かって投げつける。ノアは腕を伸ばして爆弾を攻撃し、直撃を回避する。それなのに、鳥の魔獣皆死に、ノアも遠くへ吹き飛ばされた。ただノア自身はノーダメージだ。ドルタも爆弾の熱を避けるための盾を創っていたので、火傷などの外傷は負わなかった。
一方地上では、地面が古代闘技場を思わせるように変形していた。無論それはマルクの仕業だ。ノアの仕込んだ魔獣細胞を全部除去するために、広範囲の地面を破壊する必要があった。
まずノアが着地してから、ドルタが着地する。
「防戦は不利だな。」
「ああ。」
「じゃあここからは、反撃開始だ。」




