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ワールドヘイト  作者: 三ki
第1部
22/65

22話 レベルアップ(1)

食堂に着くと、アドラがすでに座っていた。正面には女の子が2人座っている。たしか同じ学年にいた子達だ。


「おう、ゼル戻ったか。何の話だったんだ?」


「ああ、えっと…アドバイスみたいな…」


「へぇ、メルタがそんなことするんだ。」


力を隠してるって怪しまれたなど、あまり教えない方がいいだろうと思って嘘をついたが、少しまずい嘘だったかもしれない。


「まあいいや。それより紹介するよ。同じ学年のハニカとクラーラ。この4人が仕事の班だ。」


2人がよろしく、と軽く挨拶をする。ゼルもそれに合わせて挨拶をする。


「班なんてあったんだ。」


「ああ、寮の同部屋から2組ずつな。つまりハニカとクラーラは同部屋だ。」


「なるほど…ん? それなら2人余らないか?

4人1組ってことだろ、それ。」


「ラキとメルタは、それぞれ親父のとこに行ってるからな。だから正確に言えば4人1組が4つと1人が2つ。」


「なるほど。」


ゼルも用意されていた食事を食べ始める。


「そういえばゼル君、さっきの試合凄かったね。」


ハニカがゼルの試合について言う。


「ゼルでいいよ、同じ班だし。でもメルタには手も足もだなかったよ。」


「あれと比べたらダメだよ。ここ数年でも例がない天才って言われてるぐらいだから。」


「…ところでさ、軍の仕事ってどんなのなの?」


「大体は、魔獣狩りと警備だね。今日は魔獣の方だったかな。」


ゼルが聞くと、クラーラが教えてくれた。


「魔獣狩りってどういうこと? 山や森に入るの?」


「いやそれは流石に危険過ぎだよ。魔獣って人間を好んで襲うでしょ? その習性を利用して誘き寄せることが出来るんだよ。それで狩るの。」


「へぇ。」


「多分私達以外にも何人かいると思うよ。慎重に協力して狩るんだ。」


4人は昼食を食べ終え、都心部を出て辺境の方へ来ていた。そこには闘技場のような周囲の自然からは似つかわしくない人工物があった。そしてそこには、5人の大人の人がいた。


「あの人達5人と俺達、この合計9人が今回の仕事仲間だ。詳しい説明は多分向こう行けばされると思うからその時にな。」


横にいたアドラがゼルにそう説明してくれた。

ゼル達4人は、早速闘技場のような所に向かう。


「来たか、君達だね? 今回の仲間というのは。

私はこの隊の隊長のトーレスだ。よろしく。

では、まずは順に自己紹介と行こうか。」


まずはトーレス隊の人達が、次にゼル達4人が自己紹介していった。


「さて、では早速だが説明に入る。もう知っているかもしれないが、今回使うのはこの人球だ。」


トーレスはそう言って、少し赤みがかった球を取り出した。


「これを使うと人間の強力な臭いが放たれる。これをここが中心になるように周囲に撒いていく。そうして魔獣共をここに集める。大体そんな感じだ。」


トーレスは、では行ってくると言ってそのまま行ってしまった。


「え? どういうこと? あの人が撒きに行ったってこと?」


「そうだね。」


「危険じゃない?」


「大丈夫だと思うよ。あの人ダブルスターだし。今回はただ撒きながら逃げるだけだからね。」


ハニカがゼルの疑問に答えてくれていると、少ししてトーレスが帰ってきた。そして、中央に人球を3個置いて、それを切り、異臭を放った。

その臭いは、確かに人間の臭いという感じがした。かなり不快な臭いだった。


「臭いかもしれんが我慢してくれ。魔獣の臭いに耐えるためにも鼻栓しておいた方がいいぞ。それよりすぐに魔獣に備えろ。」


トーレスは手をハンカチで拭くと、すぐにそれを捨て、剣を創造した。

それを見て、他のみんなも各々武器を構える。ゼルは剣を構えた。

すると、すぐに魔獣はやってきて、ゼル達を攻撃する。ゼル達はそれに応じた。


1時間して、臭いも抑まり、魔獣が来ることも無くなった。今回は100匹近い魔獣が来ていた。


「お疲れ様、今日はこれで終了だ。では解散としよう。またどこかで会うことがあったらその時はよろしくな。」


トーレスがそういうと9人は解散し、ゼルとアドラとハニカとクラーラは寮へと向かった。その帰路で、アドラはとある疑問をゼルにぶつけた。


「ゼル、お前もしかして爆弾と銃創れないのか?」


「え、うん。」


「やっぱりか。」

「なんか意外だね。」

「でもまあ当然か、ずっと辺境の村にいたんだもんね。」


アドラとハニカとクラーラは三者三様の反応を見せた。


「よし、寮に戻ったら俺が教えてやるよ。軍人の基本だしな。」


「そうなんだ、その内創れるかな程度に思ってたんだけど…じゃあお願いするよ。」


そして寮に着くと、ハニカとクラーラの部屋の前で2人と別れて、アドラと一緒の部屋に入った。


「よし、じゃあまずは銃からな。」


そう言ってアドラは右手に銃を創り、それをテーブルの上に置いた。そして次に、銃の部品を創った。


「やっぱり銃の仕組みを理解するのが1番の早道だな。だから今からこれらから銃を組み立ててみようか。」


そう言って、もう一度銃の部品を創った。


「俺も組み立てるから、一緒にやってくれ。」


「ああ、ありがとう。」


ゼルとアドラは一緒に部品から銃を組み立てた。


「よし、完成だな。じゃあもっかい組み立ててみようか。」


アドラはもう一回部品を創った。


「いや、もう創れる気がする。」


ゼルはそう言うと、右手に銃を創った。


「…っえ?

お前…やっぱ化け物だな。たった一度でマスターするなんて…」


「実は昔一回銃を使ったやつと戦ったことがあるんだ。だからイメージし易かったんじゃないかな?」


「それにしても凄いし…ていうかなんで戦ったことがあるんだよ。

まあいいか…じゃあ次は爆弾だな。」


アドラは今度は火薬を創った。


「爆弾は火薬さえ創れればあとは簡単だからなまずはこれで火薬を創れるようにしてくれ。


あと、お前なら今日中に閃光弾とか発煙弾とかも創れるかもな。創れるにこしたことはないから、一応それも教えるよ。」


「ありがとう。」


ゼルは爆弾をすぐにマスターし、そして閃光弾、発煙弾もすぐにマスターしてしまった。


「…ヤバ。」


「アドラの説明が上手いからだよ。

それと折角だからあと一個質問良い?


今日の模擬戦でメルタが地面に手を当てると、俺の足元から地面が飛び出してきたんだけど、あれはどうやってやるんだ?」


「ああ、あれか。実は俺、あれは出来ないんだ。超上級者向けの技なんだよ、あれは。だから良く分からないんだ、すまんな。メルタにでも聞いてくれ。」


「そうなのか、じゃあ明日にでも聞いてみるか。」


メルタには、本気でないことを怪しまれていたので、正直近寄りたくはないのだが、強くなるためには仕方ないと思い、ゼルは決意した。


「そうしてくれ。今日はもう遅いから寝よう。」


「うん、おやすみ。」

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