12話 ゼルVS拉致犯
ゼルの鎖が引きちぎられたのを見た見張りは、動揺してしまい、何もできないままゼルに首を蹴られ意識を失う。
ゼルは次にライカの鎖を引きちぎる。
ライカはゼルほど頑丈に縛られていないし、ゼルが力を入れやすくなったので、”破壊”の魔術を使うまでもなくちぎれた。
そして大きな盾を創造し、ライカに渡す。
「これで銃から身を守ってくれ。」
「んぇ…え、うん…」
ライカはまだ混乱しているが、ゼルの盾を受け取る。
すると、談笑中の3人の男達がゼルに気づいた。
「お前…なんで…どうやって…?」
ゼルは嘲笑するように笑うだけで答えた。
男達は銃を取り出す。
ゼルはさっき髪を掴まれた男から倒したかったが、そいつは右手を負傷していたので後回しだ。初めはその男の右にいた男から倒すことにした。
ナイフを創造し、そいつに投げつける。
その男はビックリして体勢を崩す。そのまま頭を床に叩きつけ意識を奪う。残りの2人に銃を向けられたので、盾を創造し身を守る。
さっき倒した男の銃を奪い、残りの2人の足に向かって放つ。ゼルは銃を使うのは初めてだったが、見事に狙い通りに命中した。
その隙に創造した角棒で殴り、意識を奪う。
すると、倉庫の入り口からリーダー風の男が入ってきた。
「なんだ、さっき銃声がしたが…
ん、おい、お前らどうした?」
ゼルがさっきと同じように、銃で足を狙う。
しかし、それは避けられてしまった。
「フッ、お前か、クソ強ぇガキってのは。」
ゼルは返事をせずもう一発放つが、やはり避けられる。
「まさか鎖を引きちぎれるほどの力だとは思っていなかったが、」
ゼルはもう一発放つが、やはり避けられる。
すると、リーダーの男は銃を創造しゼル目掛けて放った。
ゼルは驚いて、ギリギリで避けることになり、体勢を崩す。
その隙にもう一発撃たれるが、それは盾で防いだ。
ゼルは銃のイメージ力が足りないため、銃を創れない。そのため、銃を創れるリーダーの男に動揺したのだ。
銃を盾で防いだのはいいが、未だ体勢が悪いままのゼル。そこへリーダーの男が近寄り、剣を創造して斬りかかる。
ゼルは盾で横に受け流し、体勢を整えるため一旦距離をとった。
「確かに強ぇな、ガキにしちゃ十分過ぎるほどだ。
だが所詮はガキだ。お前には経験が足りねぇ。」
リーダーはの男そう言うと閃光弾を創り、床に向かって思いっきり投げつける。ゼルはそれに反応し、光を遮るためと、光にやられている間のリーダーの男からの攻撃に備えるために、盾の後ろに隠れる。
ゼルは、リーダーの男は光の中で接近して斬りかかるか、銃を撃ってくるのだと思っていた。だが、そのどちらでもなく、手榴弾を投げてきたのだ。それはゼルの盾の上を超え、ゼルの上で爆発する。
ゼルは盾の後ろで隠れていたため、反応が遅れた。
「ほう、あれを耐えるか。」
ゼルは全てを防ぐことは出来なかったが、正面に構えていた盾を少し斜めに向きを変えて、直撃を防いでいた。
「諦めて大人しくしたらどうだ。そうすればお前は売られるが死ぬことはない。」
リーダーの男は数ヶ所火傷したゼルに向かってそう言う。
「確かに俺は経験が足りないかもしれないな。
銃も創れないし爆弾も創れない。」
「フッ、ああそうだ。」
「だが俺はお前にはないものを持っている。」
「あぁ? それはなんだ?」
ゼルは笑って頭を指差す。
そして「ここだ」と言う。
リーダーの男は一瞬でキレて、顔に血管が浮き出る。
「ガキが… そうかよ、じゃあ見せてもらおうか。」
そう言うと、さっきと同じように閃光弾で光を発してから手榴弾を投げる。さっきと同じで、ゼルは視界を奪われた。だがそれはリーダーの男も同じだ。
ゼルは少し前へ出ると、さっきの盾を捨て、より大きい盾、と言うより板を創る。そして、手榴弾を前からその板で防ぐ。すると、爆発の風圧で板と共にゼルがリーダーの男目掛けてすごいスピードで飛んでいく。それと共に右手に剣を創造すると、リーダーの男を斬りつける。
リーダーの男は悲鳴を上げて、倒れた。
「経験あるくせに咄嗟の状況には対応出来ないんだね。」
ゼルはそう言い残し、ライカの元へと向かった。




