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11:ダンジョンについて考えてみる

 どこから空気を調達しているんだろう?


 なろうファンタジー世界では一大ジャンル、というかタグでたびたび登場します。ダンジョン。もはや手垢にまみれ過ぎて、ダンジョンって何? っていう説明が省かれるくらいポピュラー。ドラゴンって何? って聞くような奴が作中に存在しないように、ファンタジー世界の住人ならみんな知ってる。それがダンジョン。


 しかしよく分からないんですよね。ダンジョン。どっから空気を調達してるの? ダンジョンに住む連中の生態系にとって、食事はどうにかなるかもしれない。空気も適応できる身体かもしれない。しかしね、ダンジョンに侵入する主人公連中、ガスマスクや酸素ボンベは時代にそぐわないから一万歩譲るにせよ、せめてカナリアくらい持ってかないの? 火山性の地形で空気が硫化水素だったら一瞬で即死ですよ。何で無防備で突入するの? これが多くの冒険者が確認したダンジョンならともかく、初見のダンジョンでもすぐ突入してたりしますしね。そこから嘘くさく感じてしまう。考えすぎですかそうですか。


 なろう的ダンジョンはだいたいこんな感じ。


①複数の階層からなる。

②どの階層へ行っても空気がある

③奥の階層へ行くほど強いモンスターがいる

④めちゃくちゃ広い

⑤地下にある


 現実世界にあるような、水が岩を削ってできる構造の洞窟じゃないんですよね。アリの巣でもない。イメージとしてはRPGにおける迷宮が地下にできたもの、またはトルネコの不思議なダンジョン。トリコでは「ピラミッドが地下に埋まってしまった遺跡」がありますけど、あれに近い。


 ともあれ、不思議なんですよね。ダンジョンの中にはゴブリンがいる、オークがいる、スケルトンその他さまざまな化け物がいる、最深部には魔王やドラゴンがいたりします。

 どうやって暮らしているの?


 生物が住み暮らす、それも人間を超えた高度な生物がたくさん暮らすとなると、絶対にこれが必要というものがあるんですよね。まあ、生命活動が停止しているアンデッドは別かもしれない。けれど連中だって魔力やら魂やらを動力源にしたりしている以上、栄養の供給先があるはずです。


 とにもかくにも必要なものとして、


1.呼吸できる空気

2.水

3.食料

4.自分のいる部屋から外へつながる通路


 このへんでしょうか。ちなみにこれらが全部ないダンジョンがあります。王族を埋葬した後のピラミッド。複雑な仕掛けで出口を塞いでいます。ともあれ、住人が死んでない限りは生命活動がいるし、動き回りもするわけで、1~4のうち、最低でも1と4は満たさないと勇者パーティだってダンジョン内に踏み込めません。例外としてコンプレッサーを使って空気を送り、落盤を防ぐためのつっかえを用意して……採掘現場の装備を持って穴を掘りながら進むなら話は別ですけど。そう、アルマゲドンである。


 ともあれ、1~4をどうやって用意するか考えてみましょう。


1.呼吸できる空気

「作る」か「持ってくる」か「高濃度にあるので呼吸程度では減らない」のどれかになります。


1-1作る

 みんな大好き理科の実験。過酸化水素水と二酸化マンガンの化学反応で酸素ができる。潜水艦だと超酸化カリウムを用いる非常用の酸素マスクがあって、二酸化炭素を吸収して酸素を出します。これは非常用でして、通常運用だと海水から真水を抽出または精製した後に電気分解で酸素と水素を取り出します。


 この方法ですと真水がある場所ならあとは「魔法で電気分解して酸素をつくりました」って言えば説明がつくか。こういう時に魔法って便利ですね。それ以上つっこみが入れづらい。


 派生として暗闇でも光合成する生物がたくさんいる、という案も現実味がありそう。光の代わりに魔法で光合成、って言えばつっこみが(以下略)


1-2持ってくる

 外の世界からコンプレッサー的なもので強制的に、という案。

 この場合、ダンジョンの構造が入り組んでるとどうしても空気が行きわたらないデッドスペースができそうです。そこに入ったら勇者様ご一行は即全滅、酸素呼吸する魔物も即死する天然のトラップ。突入したダンジョンで魔王が酸欠で死んでたら笑えますね。そこから蘇生して恋が芽生えたとかいうスタートで中編を一本書けそうな。


 この場合の外の世界とは、2パターン。「ダンジョン上層部の、人間たちが住む世界」と「ダンジョン最下層よりはるか先の、地獄的な異世界」のどちらか。

 古今東西、土の下には何階層にも分かたれた死者の国(冥界)があるわけで、ダンジョンがそこに繋がっているのなら、そこから酸素を持ってくるのも可能かもしれません。底だけに。

 いずれにせよ、空気循環を適正に行うシステムが必要となりますので、”風がないダンジョン”ですとこの案は採用できないでしょう。


1-3高濃度にあるので呼吸程度では減らない

 例えばダンジョンの地形を為す鉱物が1-1で書いた超酸化カリウムの場合、二酸化炭素が排出されるつど、化学反応をして酸素が供給されるわけです。あるいは高気圧で圧縮された酸素ボンベ的なものが随所にあって、酸素濃度が一定以下になったら平衡状態を保つべく供給されるとか。ファンタジー世界ですので、「洞窟にあるこの魔法石は酸素を吐き出してくれるんだぜ」もいけますね。いやあ、魔法って以下略



2.水

 これも空気と一緒ですね。「作る」「持ってくる」「たくさんあるから減らない」


2-1作る

「作る」1-1と同じく化学反応または生物内の反応を用いる方法が主になると思うので割愛。そういえば童話には”無限に水が湧き出す容器”の話があったかと思います。ファンタジー世界ならアリかと思いますが、それだったら湧水ってことにした方が自然ですね。こだわってもしょうがない。


2-2持ってくる

 ダンジョンのどこかから湧水が出るとか、地下水脈と繋がっているとか、あるいは召喚呪文で川と繋がっているとかね。奇をてらうならNARUTOの水トンの術で口から吐くとか。余談ですが、「空気中の水分を集めて大量の氷を作ってぶつける」とかいう魔法ありますけど、空気中の水分ってたかが知れてますから。冷気を操るって設定でやるなら窒素を凍らせればいいのに。たったのマイナス210℃で凍るよ。


2-3たくさんあるから減らない

 ダンジョン内に泉があるとか、ダンジョン内にいる生物の活動で水が一定量に保たれるとかね。換気があまりない密閉空間ならば水が揮発してなくなる量はたかが知れてますし、あとは土中にしみこんで失われる水さえ回収できればいけるかもしれない。


 しかし、ファイアドラゴンがいるダンジョンだとどうなるんでしょうね? 数千度の炎を使ったら空気中の酸素もダンジョン中の水も一気になくなりそうですけど。勇者様ご一行様の死因「ファイアドラゴンの出した炎による酸欠」とか。ギャグになりそうですけど、トンネル火災とかだと実際ありますからね酸欠で亡くなる事故。


 さて、3以降は明日以降に書いてみます。

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