表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/104

第六十 『誓立』

「……」

「あら、例の人登場よ。」

「そうね、七音。"女の敵"ね。」

「……ぐすっ」

柊花は泣いたまま、ロトを見つめる。

「……█▓▓█▓█、我が最愛」

「█▓█様……」

ロトが柊花へと近づいていく。

女子たちはロトを睨んでいたはずなのに、近づくたびに表情が蕩けていく。

嘘だろ、と口をあんぐりしていると、ぽんぽんっと肩を叩かれる。

どんまい、という顔だ、なんだこいつ。

舌打ちを返し、ロトへと視線を戻す。

「来ないでっ!」

「……なぜだ、こんなに愛いのに。」

「…ッ……嘘でしょっ!」

「我は嘘をつかない。

すまなかった、我が最愛よ。」

柊花の髪を一房手に取り、キスを送っている。

イケメン仕草ってイケメンだからこそだな、様になる。

「……」

だが、柊花は未だむすっとしている。

「我がここに来たのは、█▓▓█▓█、君を迎えに来たんだ。

共に帰ろう。」

「……イヤッ」

「…………ここで渡すつもりはなかったが、これを。」

「なにこれ、モノで釣れる安い女って言いたいのっ!?」

ごくりと息を呑む、勝負に出ている。

頼む、上手くいってくれ。

「結婚をしよう。約束ではない、今ここで、契ろう。」

「……え」

左手を手に取り、またキスを送っている。

柊花の顔はまだ困惑に満ちている。

だが、怒りはもう感じない。

葛藤だ。

「だって、え、█▓█様は、もう……」

「愛している。

またお前がいなくなっても、また迎えに来よう。

必ず。」

「あ、█▓█様……、うそ……」

ロトはフッと笑いを浮かべる。

「嘘はつかない」

「……嬉しいっ!」

柊花はロトに抱きついた。

一件落着か……?

「あんなこと、好きな人にされたら、誰でも許しちゃうわよ」

「よっぽど嫌われてない限りはね」

「……いつの間に」

七音と会長は、いつの間にか柊花の近くを離れ、俺らの近くへ移動していた。

抱きしめ合う2人を教室の隅から眺める。

——良かった。

キュウ、約束守れたぞ。

胸ポケットに触れると、何かが入っていることに気づく。

——白詰草。

……。

…………破損した世界を誰が修復したのか、はっきりとは分からない。

……もしかした、プレイヤーが直したのかもしれない。

でも。

『game over』の裏側にあった穂波のアイテムと、キュウ。

あそこは穂波の場所(ファイル)だった。

……違うかもしれないけど……もしかしたら、キュウが直したのかな。

ありがとう、キュウ。

俺の勘違いだったとしても、いい。

キュウはずっと、最後まで、俺の味方であったのだから。

「健」

ふと、ロトに呼ばれる。

「挙式をあげる、神父として招待してやろう。」

「あ、はい」

「えへ♡ここにいるみんなも招待してあげるぅ♡」

2人が指を鳴らすと、パッと景色が一変する。

みんなの服もスーツやドレスになっている。

「ゔっ……やっぱり、これ酔う……。」

「七音、エレベーターとかも嫌っていうもんね……」

「私たちもいつか、ね……」

「健!!!早く終わらせろっ!!!」

「あら、次は私たちはこの後に、ってことかしら」

「やっぱり、いい!!!!ごゆっくりっ!!!!」

会長に抱き……締められているコウちゃんに十字を切って、祭壇に立つ。

「あー……こういうの初めてなので、噛んでも怒らないで」

「当然」

「早くぅ♡」

これで平和になるのであれば、なんでもいい。

俺は、適当に教科書を開き、なんちゃって神父を始める。

「えー……。

新郎ロト、あなたは柊花を妻とし

健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、

愛することを誓いますか?」

「誓おう」

「じゃあ……新婦柊花、あなたはロトを夫とし

健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、

愛することを誓いますか?

「もちろん♡誓いまぁす♡」

「では、誓いのキスをどうぞ」

2人の熱烈なキスを間近で見ることになってしまった。

鐘の音が鳴る。

ゴーン、ゴーン。

拍手の音も響く。

……そういえば、もう指輪を嵌めてたからいいよな。

指輪のデザイン、すげえ豪華に変えたんだなぁ。

穂波はドラゴンとか言ってたなぁ。

……小学生の時だからなぁ、と耽っていると、いつの間にか教室に戻っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ