第五十五 『傷心と共感』
「………………」
「………………」
雷の轟く音が聞こえる。
クラスメイトたちは、ずっとざわついているだけだ。
恐怖で震えるものもいる。
「あら、愛しの彼は?」
「黙れ」
「ぐっ……」
「あの人、あの人は……。」
黒い霧が、ふわふわと辺りを漂う。
柊花自体が震えている、それを見て、動揺すると黒い霧が連動するのかと、頭では考えれているが、身体の震えが止まらない。
「……男なんかクソだ……、もうやだ……」
黒い霧から、ぽつぽつと雨が降り始める。
「………………」
「…………痴話喧嘩ね」
「……犬連れてこいよ」
「うるさいうるさいうるさい!!!
もう、いやだぁ……、もうやだぁ………」
びぇぇんと泣き声をあげる柊花を見て、呆然となる。
七音、会長と目を合わせる、と頷いてくれた。
「分かるわ、私もこのバカに振り回されたわ。」
「でも、そいつもお前も人間でしょっ!
分かるわけないもんっ……」
「いいえ、傷心に関しては、女も男も、人間も人外も関係ないわ」
「…………」
「貴方の魅力が強すぎたのよ、何があったのか話してみなさい、聞いてあげるわ」
「ほんと……?」
「ええ、協力することが出来るなら、協力もするわ」
女性陣が、柊花を慰める。
教室の中に入ってきて、椅子に座り始めた。
クラスメイトたちは、ずっと困惑しっぱなしだ。
俺は、コウちゃんに合図を出し、教室から出ていく。
「なんだよ、あれ……」
「多分女にならねえと分かんないぞ」
「ふぅ〜、経験者は語るってか。
……で?どこ行くんだよ」
「あいつが話聞こえないとこ」
学校から出て、反対側に向かう。
あいつが来た方向とは違う方向。
「男同士積もる話もあるだろ、あいつの婚約者とやらを呼ぶぞ。」




