第五十 『…補習?』
▽補習に移動中…………
▽移動中……
▽移動
▽…………
▽どうして
▽いつもいうことを
▽聞いてくれない
▽戻ってきなさい
▽………………
▽移動が失敗しました
▽飯岡健のアパートに戻ります
▽移動中……
▽移動中…………
▽移動完了しました
▽今しばらくお待ちください
「っはぁっ!!!」
「起きた」
はぁっ、はぁっと息を整える。
起き上がり、部屋にいる人物が誰かを確認する。
……前に頬を叩かれる。
多分手加減はされてるけど、いてぇ。
なんで、俺の部屋にいるんだ。
頬を抑えながら、面々を確認していると、盛大なため息をつかれる。
「……はぁ」
「会長」
「諦めない、足掻く、それはいいわ。
私もそれを肯定したもの。
けれど、それは最終手段にしなさい、と言ったでしょう。」
「でもっ」
「でもではないでしょ、罠だったらどうしてたわけ?」
「そうだぞ、会長がログを見てなかったら、お前は消えてたかもしれないし」
「きえ……?」
言い訳をしようとすると、七音とコウちゃんが変なことを言い始めた。
「……もう一回引っ叩いていいかしら」
「勘弁してください、消えるってなんですか」
「貴方補習ってなにか分かる?」
「ヒントとか、アドバイスとか……」
「そうね、その補習が行われているのは?」
「あいつの領域……」
いまだに結びつかない。
消えるってなんだ。
「リセット前にいた場所でしょう。
あの時、恐らくだけれど、魂だけを連れて行かれたわけじゃない。
ここまで言えば伝わるかしら。」
「…………本体ごと?」
「ええ、来てたら、貴方の体は消え掛かっているし。
読み込み中だし、介入して引き戻すしかなかったわ。
だから、叩くわね。覚悟なさい。」
「会長、待って待って」
「たとえ霜井戸くんでも止められないわ。
事の重大さを分からせるためよ。」
「ゔっ……」
パチンと叩かれる。
いや、自業自得なんで、まあ受け入れますけど。
こんな性格だったか?会長。
「疑問に答えてあげる。
我慢することをやめて、諦めないを選んだ結果よ。
……この世界にも、影響力があることを忘れないでちょうだい。
貴方たちが終われば、次はこの世界よ。」
「……すみません」
「分かればいいわ。
……貴方の代わりに穂波くんが戻っても、きっとまた繰り返しよ。
私なら、そうするもの。」
「……そこまで、バレてんすね。
多分リセット前と同じ結果ですよ。
後悔しなさい、と言われたんで。」
私も起きてたから知ってるわ。と一言を返しながら、委員長はカバンの中から、紙を取り出した。
「七音から、全て聞いているわ。
契約のこと、番号のこと。」
「………………」
「もう、試したかしら」
「……………………はい。」
「よし、もう一回よ。
もう二度と勝手をしないよう、その体に叩き込んであげる。」
すでに臨戦体勢を取っている会長をコウちゃんが後ろから羽交い締めにして止めてくれる。
「よし、よしよし、会長。
健のほっぺがぱんぱんに腫れあがっちまうから、止めよう。
七音、お前もなんか言え!!」
「フッ、いい気味」
「あ゙〜!くそっ!
会長、なっ、止めたら、次の攻略は会長にするから、なっ!?」
「……………………………………………………仕方ないわね。
病める時も健やかなる時も私を愛すると誓ってちょうだい」
数秒の熟考、会長は主人公を選び、俺の頬はコウちゃんによって守られた。
コウちゃんはトホホと涙を流して、項垂れている。
なんか、まじごめん。お幸せに……。




