第四十九 『行ってみよう』
「…………」
待機音が鳴り響く。
やっぱりだめか。
きゅうきゅうとキュウが鳴く。
パンをちぎり分け与えながら、どうするかと考える。
『飯岡健、あの女を利用するのは、最終手段にしなさい。』
……今が、その時かな。
みんなの安否が確認された今、俺が出来ることはそれしかない。
コウちゃんのメモを眺める。
たくさん変更点がある。
ちょこちょこと書き直していく。
【ALLDAY〜あなたとのキスは恋の味〜】
ギャルゲー
▶︎主人公
霜井戸孝乃
→コウちゃん
▶︎攻略対象
・上野七音
・宇保町明日
・小崎古味
・前原高菜
・旗靡園
【ア・カペラの星】
乙女ゲー
▶︎ヒロイン
黒八木柊花
→人外
魅了させることが可能(現時点では七音たちに効いていない→中身が違うから?)
《契約者》
高岡穂波(契約内容:不明、恐らく入れ替わり)
上野七音(契約内容:元に戻る)
▶︎攻略対象
・飯岡健
・高岡穂波(契約により行方不明)
・その他大勢(消息不明、あいつの領域内)
▶︎その他
・キュウ
→柊花の眷属、俺のサポート。
→補習(ヒント、アドバイス)にいつでもいける?
▶︎入れ替わった理由
・恐らく契約
▶︎七音たちが戻れる方法
→戻れた。
書き直すとこんな感じだよなぁ。
「キュウ、穂波の場所……分からないよなぁ……」
「きゅ、きゅき、きゅう……」
「俺、お前の言葉分かんないよ。
……お前、ネトネトするな、やっぱ。」
「きゅっ!」
俺の手の上で地団駄を踏み始める。
痛くはない。
はあ、仕方ない。
「補習とやらに行こう。」
「…………きゅう」
「うん、頼む。」
手のひらの上で、キュウは小さな足で膝たちになり、なにかを祈り始めた。




