第四十八 『謝罪と許し』
昼休み、屋上でパンを食べながら、紙を眺める。
どうしたものか。
穂波がいないと、決断が遅れてしまう。
いつだって穂波がいたから。
「あれ」
「旗靡、昼飯?」
「そ、一緒にいい?」
紙をポッケにしまい、どうぞと隣を促す。
ありがと、と言って座る彼女の髪はゆらゆらと風に揺れている。
「……なんかずっと言えてなかったんだけどさ、
あんがとね。」
「え?」
「私が高菜ちゃんをいじめてた件、あっさりあの子も許して、あんたらも私を日常に溶け込ませてくれた。
あいつらとはつるむのをやめたし、もういじめない。
けど……私は許されないことをしてたし、謝っても本来なら許されない。許されちゃいけない。
でも、許された。あんたらと話せて、笑えて。」
それって本当はダメなんだけど。と旗靡は苦笑いをこぼす。
「……最初はさ、霜井戸のことが本当に好きでさ、どうしても許せなかった。高菜ちゃんが選ばれたこと。
好きな人を取られるのは苦しかったから、同じ苦しみを味合わせてやりたいって、考えちゃって。
…………設定の影響力を強く間に受けてた。
いつしかそれが義務になって、罪悪感に変わって、やめられなくて。」
「…………」
「本当にこんなことを言う資格はない。
私も責任をとりたかった。
けど、あんたと、高菜ちゃんは止めた。
あんなことをした私を高菜ちゃんは味方でいてくれた。友達ってまた言ってくれた。
——健がいなかったら、私、ずっとあのままだったかもしれない……って考えた。
そんなの、自業自得なんだけど。」
「高菜ちゃんが許したんだ。
友達って言ったのも高菜ちゃんだ。
それに、関係ない俺にも謝ってくれた。
もう高菜ちゃんにひどいことをしないんだったら、俺は君たちのことを見守るよ。
友達だからね。」
まだやり直せるのなら、やり直して、もう二度とそんなことがないようにしたらいいんだ。
あの子は全てを許したんだから。
俺がそう言うと、旗靡は少し笑みを浮かべて話す。
「…………あんたらって本当にお人よし。
——園って呼んでよ、友達でしょ」
「…………あはは、そうだねお人よしだよ。
ありがとう、園。決心がついた。」
「あんまり無茶しないでよ、高菜ちゃんが心配するからさ」
そうやって駄弁りながら、お昼休みは終わっていった。




