第四十四 『打開策提案』
「……だから人がいなかったのね。
もうすでに皆廃人にされていたから」
「……七音たちにすら言えてなかった。
ごめん。」
「私が会った時、すでに明日はやられかけていた。
それを考えると腑が煮え繰り返るけれど……
まあ、私の告白ルートを代理してくれたもの。
それでいいわ」
「怖かったけど……七音がいたからっ!大丈夫!」
「…………」
コウちゃんが、後ろから背中を叩いてくれる。
「あいつら強いから、大丈夫だ。
ただ次からは何も隠し事をしないでやってくれ。
……七音なんか、かなり譲歩してくれてる。
相手が俺だったら……」
「幼馴染相手に遠慮なんかいらないわよね」
地獄耳……と後ろでコウちゃんが呟く。
こいつ、主人公なのに尻に敷かれすぎだろ。
気にするなと励ましてくれる3人に胸が痛む。
七音たちがやられていたら、元も子もなかった。
助けなんか求められなかった、きっと諦めてしまっていたから。
そんな3人の励ましを受け止めていたら、胸ポケットでキュウが鳴く。
「キュウ……」
「なんの鳴き声?」
胸ポケットから、キュウを取り出す。
「あいつの眷属……今は一応俺の味方のキュウ」
「キュウ、キュッ」
「可愛い…」
手のひらサイズだったからか、高菜ちゃんには好評なようだ。
「てか、穂波くん助けるのはいいんだけど、そんな怪物倒す手段とかあんの?」
「……あの女はいつでも余裕ある態度を取ってた。
けど、一つだけ態度を変えたことがあった。
"あいつの婚約者"だ。」
「フッ、腐れ女に婚約者なんて世も末ね」
「……そうね、他の人間に手を出すから、自分もやり返すっていう幼稚なくそ女よ」
七音と会長が鼻で笑いながら、貶している。
なんだか、怖い。
「こいつがチクるかもしれないんだから、そのへんにしとけ」
「キュッ!」
コウちゃんがキュウを指しながら、貶しを止めている。
キュウは触手でバツをつくって、怒っている。
チクらないよってことか?
「で?
その婚約者がどこにいるかだよね」
「……」
そう、婚約者に手を出せば、それまでな気がする。
迎えるのは全滅だ。
ただ、その婚約者が、もし、黒八木柊花の元へ戻ったら?
もしかしたら、ここを去ってくれるかもしれない。




