表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/108

第三十五 『悪夢』

「ケン!」

嬉しそうな男の声が聞こえる。

健ちゃんは後ろ姿しか見えない。

「コウちゃん、呼び出してどうしたんだ」

その声は、いつも俺に話しかけてくれるような声音だった。

やだ、健ちゃんには知らないやつだったはずだろ。

七音として一緒にいただけじゃん。

健ちゃんの考えが全部流れてくる。

(いつも隣にいた)

(隣にいるのが当たり前だった)

…………。

そいつじゃない、健ちゃんの幼馴染は、俺だろ。

高岡穂波、ただ1人しか、いなかったはずだろ。

ずっと、ずっと隣にいたのは俺だった!

そんなやつに期待すんなよ、おかしいじゃん。

違う、違う、これは夢だ。

()()()()()()()()()()()()()()

なあ、これは夢だろっ!

『いいえ、夢ではないの。

……さあ、最終局面(ラスト)よ、貴方の幼馴染の、感動シーンを最後まで見なさい♡』

…………視界を2人に固定される。

——なんで、そいつの手を掴むんだよっ!

くそっ、嬉しそうにするなっ……声が出ない、カヒュカヒュッと音が聞こえる。

呼吸が上手く出来ていないのだと、遠い意識で理解した。

そんな中、ついにハッピーエンドへの切り札が出される。

「ずっと前から、出会った時から好きだった。

付き合ってほしい」

「俺も、好きだ」

夕陽に照らされた影が重なる。

——ああ、俺は、なんのために。

——なんのために。

後ろから視界を手で覆われる。

耳元で甘い声で語りかけられる。

「一途で、可愛い穂波くん♡

悪夢だと信じてやまない貴方♡

——なんのために、貴方たち2人をこの世界に送ったのか、忘れちゃう可愛い子♡

今はすこし、眠りなさい♡」

だめ、だめだ、寝ちゃいけない。

きっと何かの、間違いだと。

……確認、を。

しなきゃ、いけ、ない、の、に。

…………………………。

「——いい子……♡」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ