第三十 『作戦会議』
「……」
「つまり、まぁ、なんか情報あれば吐けってことですけど」
「急に口悪ぃな、補習するほどやばかったけ」
「いや、ガチ補習じゃなくて…」
「なんかの比喩?だと思うんだけどね」
コウちゃんちに着き、助けを求める。
「……会長のことはあまり分かんないんだ。」
が、あまり使えないことが判明した。
「えーー?!」
「俺だって、何周はしてるけど、俺のことが好きって、執着してる以外は知らねーよ。」
「まじかぁ」
「……あのさ、その何周ってどういう風に数えてるの?
エンドを迎えた数?」
「その考えでいい」
「じゃあ…その、リセットされる時ってどういう時?」
「…………」
今まで考えたことなかった、高菜ちゃんにも1周目?と聞かれたことがあったなぁと思い出す。
何十周としていても、リセットされる時がある。
七音がリセットされたと思ったからこそ、1周目?と聞いたのだから。
「……俺も分からない。
ただなんの記憶も……いや、主人公としての生まれてから今までの記憶を持って生まれて、プレイヤーに操られる。
それだけを理解して始める。俺はそれを1周目と呼んでる。
以前の俺がどうなったかは知らない、がちゃんとした答えだな。」
「予想だけど、操る側が変わったら、リセットだと思ってる。
それともう一つ、殺された時。」
「いや、殺害リセットはない。
高菜ちゃんは旗靡に何度も殺されてる記憶がある。」
「旗靡えげつな」
「それはまぁ、話した俺が悪いけど本人らのご事情だから、でしゃばらないで。」
「本当にお前が悪い、気になるだろうが」
「……てか、待って、プレイヤーに助けを求めるってのは?」
「むー、り、じゃない…?」
「なんで?」
「だって、俺らが勝手に動けるのは、起動されてないからじゃねぇの?」
「……あー。
やってらんねぇー!!」
もうなに考えても、これはないあれはない、これじゃないって失策ばかり。
もうー!!とコウちゃんのベッドにぼふんと音を立てて倒れる。
「俺のベッドだぞ」
「加齢臭くさい…」
「男臭い…」
二人で顔を顰めると、コウちゃんは嘘つけ!と怒鳴る。
ちょっとした冗談じゃん。
てか、プレイヤーが変わる時なんて、前のデータ残さないだろ。
大体消して…、消して…?
「あーー!!!!!?」
「急に叫ぶなよ!」
「び、っくりしたぁ…」
2人に怒られるが、気づいちゃったぁ俺!
「データが消された時だよ!灯台下暗し!
特殊なリセットに固執してたから、ガチリセットなら、全員リセットされるはず!」
世紀の大発見!と俺が天に指を指していると、幼馴染たちは顔を見合わせて、あー、と声を漏らした。
「…………まぁ、そうだけど、それが分かっても、リセットされるの困るよねで終わっちゃうんだよ。
もう一つが知りたいの。」
「……じゃあさ!会長の知ってること全部教えて、コウちゃん!」
もういい拗ねてやると、なにも知らないだろうコウちゃんに無茶振りをする。
「まぁ、その……じいちゃん家に行った時に出来た友達?
ど田舎なんだけど、そこで、結婚の約束をしたとかなんとか。」
「…………そりゃもう、結婚しなきゃ」
「約束したならねぇ…」
「お前らそういうけど、記憶に残ってない約束を果たせって方が無理あるだろう!それも幼少期!」
まさかそんな負けヒロインみたいなムーヴしてるとは思わなかったんだよ。
負けヒロインを勝たせようぜ、と意気込む俺らにコウちゃんは若干苛立っている。
やばいやばい、真面目にしなきゃ。
「てかさてかさ、その、会長に協力してもらったら、百人力なワケなんだよ!
コウちゃん、頼む!協力して!」
手を合わせて膝立ちになり懇願する。
「ほら、珍しい健ちゃんの必死なお願いだよ。」
「本物の七音でも見たことねぇわ、写真撮るか」
パシャリと頭上で聞こえる。
ごめん、七音!
多分気の強い子だからボコってきそうだけど、先に謝っとこ。
「まぁ、そこまでするならな、仕方ねぇな。
また俺のお願いも聞いてくれよ」
「もちのろん!」
よし、次の日に作戦決行だ…!
《コウちゃん生贄大作戦!》




