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→とっても すてきな こ きにいっちゃったXD

…赤い、赤い。

それ以外は普通の光景、ファンタジー世界でもなく、家が並んでいる。

まるで病室のように思えたあの部屋から、こんな道につながっているのが不思議だったので、後ろを振り向いたて驚く。

「さ、さっきいた場所は…?」

「…進もう」

「……うん」

…建物など何もなく、工事現場になっていた。

そもそも体が変わっているのだから、何が起きても不思議ではない。

見知らぬ家のドアを叩くが、誰もいない。

…元の場所でもこんな家屋はただの背景であるのは理解している。

ただ、なんの情報がないまま右往左往するよりマシだと思っただけ。

なんの収穫もないまま、歩き疲れる。

「ねぇ、七音…」

「大丈夫よ」

腕にしがみついたまま、一緒に歩く明日の頭を撫でる。

…男性の体になり、明日の方が高くなった。

その明日は体を縮めて姿勢が悪いまま、しがみつき歩く。

あとで体が痛いと泣かないといいけれど…。

そう考えながら、前を向き直す。

ふと、前に少女が立っているのが見えた。

が、背中がゾワゾワする。

寒気が止まらない。

まるで近づいてはいけないものに近づいてしまったような感覚。

あれは見つけちゃいけない、いや、()()()()()()()()()()

そう本能が叫ぶ。

……明日が震えてる。隣から歯がガチガチとなる音が聞こえる。

落ち着かせないと、いけな…い…。

………しまった。

遠くにいる少女はこちらを向いていた。

気づかれた。

明日を後ろに下がらせて、接触を図る。

(私じゃ対処出来なかったら、逃げて)

小声で明日に伝えると、明日の目からポタポタと涙が落ちる。

……言うこと聞かないんだろうな。

「んふふ…こんにちは」

「こんにちは」

「……やだぁ、効かないのね。

おもしろぉい…」

目の前の少女は舌なめずりをし、品定めをするような視線を向ける。

不快だ。

あいつの言っていたことが今になって分かった。

「あぁ…待って………

思い出したぁ!健君と…穂波君ね!」

「……そうじゃないとしたら?」

「知ってるわぁ」

相手は嬉しそうにまだ笑っている。

知ってる?

私たちがこの体の持ち主じゃないことを?

警戒心を上げる。

「ねぇ、契約しない?」

「…」

「ふふ、貴方の元の身体…私知ってるの。

七音ちゃんと明日ちゃん♡」

「ッ!」

後ろにいる明日が息を飲み込む。

「…契約内容言いなさいよ」

「…察しの悪い子ぉ、好感度マイナスよ?

でも、気に入ったから…特別♡

『元の体に戻してあげる』」

…罠だ。

罠だとは分かっている。

こいつ以外を探せば、なにか帰れる手段があるかもしれない。

しかし、歩いても歩いても人っこ1人、モブも見つけれない。

不安になる。

そんな心に付け入る毒を持った蛇が、目の前にいる。

「条件は?」

「いい子♡

うーん、そうだなぁ…

後ろの」

「『私達2人が元の体に戻れる』の条件よ」

「……いいわぁ

食べちゃいたいくらいゾクゾクする…♡

はぁ…あの人以来のドキドキ…

もぉっと気に入っちゃった。

契約はやめましょ♡

代わりにぃ…これをあげるわ」

彼女はどこからともなくスマホを差し出してきた。

「んふふ…元の世界に繋がるスマホ、連絡先は制限してあるけどぉ…。

きっと貴方たちは自分たちで解決してしまうのよね♡

同じ()()()()として、見守ってるわぁ

じゃあね♡」

一方的に話して消えてしまう。

「…ねぇ、七音、おかしいの」

「分かってるわ、おかしい人なのは」

「違う………——これ」

「…もしかして」

「好感度表、変動してる…」

「………くそ主人公共(プレイヤー)…っ!」

「違う、違うの。

おかしいのは、これが…誰の好感度表ってこと…」

「——上野七音?」

「…電話、してみる?」

「ああ…そうね、こんなところでボッーとしてても時間の無駄だわ…

……………………これ…」

「あれ、私の…私の………体を乗っ取った人と話すの?」

明日の顔がみるみるうちに青くなる。

しゃがみこみ絶望と不安を抱いたその表情は私の胸をちくちくと痛める。

膝立ちになり、明日を包み込むように背中に腕を回す。

「大丈夫よ、あっちには私の幼馴染(腐れ野郎)もいるもの、完全に乗っ取られることもなければ、貴方がどうにかなることもないわ」

「…うん」

「まずはどこかの家に入りましょう、いつあの女が来るか分からないもの」

「うん…——ありがとう七音、貴方が私の親友で良かった」

「…ええ、貴方を導く貴方の誇りになり得ることが私の幸せだもの」

「えへへ、もう七音は私の誇りだよ」

そんな会話を広げながら、2人手を繋いで歩く。

さっきより痛く…重くなる心を無視して、歩みを進める。

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