↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

ep5 接触の儀② 口吸いの儀

 ちょっと待て、「抱き合い」は、まだ分かる。要するに「ハグ」だろ。

まあ、欧米では普通?かな。


「口吸い」って、「口と口とのキス」のことか?


そんなことする国は、多分ねーぞ。(はっきり言って、俺はいやだ!)


ぜってー、ガイドブックが間違っている。もしくは、翻訳ミスだ。


 

 俺は、マンボウのご機嫌をそこねないように、おそるおそる、言った。


「それは、たぶん、ホホとホホを合わせる、チーク・キスのことだと思うんですが・・・」


マンボウの目が、ギロリと光る。俺をにらんでいる。(こわいっ)



 「ガイドブックは、絶対でござる、もし、ガイドブックにしたがわねば・」


「したがわねば(全世界がゴクッ 固唾を飲む)、友好は中止。戦でござる!」


全世界、阿鼻叫喚の嵐。「キャー!」、「ワー!」、「ギャー!」


「アァァー!」「うわぁぁん!」



 続いては「ヤレー」、「ことわるなー、たのむー」、「がまんしろー」


「やらんと、〇〇す」等の、哀願、激励、恫喝の声が、


 世界中の言葉で、俺にブッス、ブス、突き刺さる。



 俺は、ジョッキのチューハイを一口、グイっと飲み干した。


(♪これが、酔わずにおらりょう~か♪ もう、ヤケ歌だ)


「わっ、分かりました。ガイドブックのとおりに」


「分かれば、よいのじゃ、では」



 マンボウが五本の足をかがめ、顔を近づけてきた。


(ウッ、何て臭いだ、さすが、マンボウ、魚臭い、鼻が曲がりそうだ)


俺が顔をそむけかけると、ヒロシが大声で


「スマイル!」と叫ぶ。(ふざけんな、笑えるかっっんだ!)



 その時だった。


テレビの中から、「スマイル! スマイル! スマイル!」の大合唱。


世界の心が一つになるとは、このことか。(なんなんだよ?)



 俺は、必死に作り笑いを、(多分、引きつっていた)


しながら、待つのみ。


少しずつ、迫りくる、マンボウのくちびる


上クチビル10センチ、下クチビル10センチが


だんだん、近づいてくる。



 ベロベロ、ドロドロ、グニュグニュが!


(ギョエー、心の声)


(デカイ、クサイ、キモチワルイ、三拍子そろっている)


来たっ!「ベチュー ドゥロロー グニュルー」



 俺の顔全体が


マンボウの巨大なクチビルに、覆われた。


顔全体が、魚臭い、


魚臭いくずまんじゅうに、飲み込まれる。


ズニュルルルール、ベッチョベチョーリーーン。


(いっ、息が、いきが、できねぇ、くせぇー、目がみえねぇー)


俺は気を失った。




♪苦難は つづくよ どこまでも♪











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。