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ep3 全世界中継

 すると、突然「ドンドンドン」と、アパートの


ペラペラの木のドアが、ノックされると、


真っ赤なスーツに、黄色い蝶ネクタイをしめた


いかにも、「ザ・司会者」という優男が、テレビカメラ、クルーとともに


部屋に飛び込んできた。



 「こんにちは!ヨコ・ヒロシです。一週間のごぶさたでした」


「ハイライト、ハイライト、今週のハイライト


             全世界同時中継・ナーン星人、地球に来たる」と


よくとおる声で、うるさく叫ぶ。



 「何なんだよ?」と俺。


「いや、全世界・同時中継ですよ」、ABC(アサビ放送)からZBC(ゼンバブエ・


民間放送)まで、666局全世界・全局ネット、史上初ですよ、


オリンピック超えてますよォ」と、一人騒ぐ。



そして、「サシバ首相から、『交渉のお願い』があります。」と言うと


画面が、いつもテレビで見ている、首相官邸に切り替わった。


「首相のサシバであります。酔酔ダルムさん(俺のペンネームだ。くだらねぇだろ)


日本国民を代表して、ナーン星との友好担当代表就任、(いつ、なったんだよ)


まことにご愁傷、いや、お疲れ様でございます。



 国連を初め、全世界の研究機関およびコンピューターを、しった激励


(本当は、恫喝とわいろと甘言)して、


ナーン星と星人の情報を全力で収集しました。



(ほぉ、俺、思わず、期待に、身を乗り出す)


「で、その結果は」


(結果は?俺、身を乗り出し過ぎて、こたつから落ちそう)


「なし」


(ここで、落ちたッ。ボテッ、いてっ!)



 「ナッシスング、ネアン、シン、ニル、100%ゼーロ」(外国語でいうなぁ!)


(しかも、最後、100%ゆう~き、の節で歌いやがった)


(ダメ押しするんじゃねぇ、『ザ・殺意』)



 「で、話をききましたところ、ナーン星人様(いつ、様になったんだよ)は、


日本語はもちろん、敬語も使えるぐらい


ガイドブック(だから、古ぃんだよ、多分、江戸時代のだってば、)で、


勉強しておられるとのこと。



 このうえは、酔酔様におかれましては、


ナーン星人様(だから、いつ偉くなったんだよ、この、マンボウがよ)の


仰せの通りに、友好の儀式、


(儀式やんのかよ、めんどくせーよ)、を行われ


星人様を満足させられましたのち


(俺が満足させんのかよ)


穏便に、お帰りになることを、国際連合、国際宇宙友好協会、宇宙平和協会な


らびに、全232か国の首相・大統領・国王・元首・大佐・首領様の連名にて、


酔酔様(連呼するな、恥ずいよ!)に、お願いする次第であります。」



 ここで、画面が切り替わる。


国際連合大会議場、国際宇宙友好協会大広間、宇宙平和協会大宴会場等々


そして、各国首脳入れ替わり、立ち代わり、俺に頼んでくる。


言葉はほとんど分からないが、下に字幕が出ている。



 「お願いします。」


「何とか平和に」


「地球のためにがんばって」


「早く帰ってもらって」


「オーネガーイネー」の哀願系から。


 「ちゃんとしないと、どうなるかわかってるな」


「やらねーと、ためにならねーぞ」


「鼻の穴から手ぇ突っ込んで、前歯ガタガタ言わせたろか?」


(やれるもん、ならやってみろってんだ!)



 「無事に返してくれたら、副首相にします」


「一生、月110万、年金あげます」


「ウォッカ、一生飲み放題」(俺は焼酎しか飲まねぇ!)


「3人の美人妻アゲルネ」(これは、ちょっと、ヤッテミタイ)


 のわいろ・甘言系まで


 ありとあらゆる、激励?説得?誘惑?を受けて、俺は切れた。



 「とにかく、もう一杯飲ませろ、ヒロシ、濃いめのチューハイ


9:1だ、レモン多め」と言って、ヒロシに作らせ、


グッとジョッキ半分、あけた。


♬はーなしは~つづくよ♪



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