シリルが嬉しかったこと
〜〜〜〜
〜屋敷の中〜
「なっ……! 」
「その壁は厚さ1mはあるんだぞ?!」
真空波で壁に穴を開けた。
パラパラ……。
「縦1メートル」
「ちょろいちょろい」
「ワイワイ」
後ろ姿だけであったが、鎧を着ている兵士のように思えた。
その前を跳び跳ねる小さな女の子。
「あなたも逃げなさい」
今まで攻撃をしていたはず。
だがビビって退散していく。
「あれ……剣を抜いてない」
「よろしくお願いします」
「礼儀正しい」
「何話してんだよ兄貴」
「私だって恋歌歌詞もんね」
「勝手に私の部屋」
「入らないでよ」
「何でいいじゃねえかシリル」
「ってもう呼び捨てなの」
イルナはえらそう。
「もうちょっとよくなったら」
「もう」
「仲いいんだなもう」
「……//」
「お屋敷」
「崩れてしまったぞ」
「兄貴ー何とかならないか」
「うーん……」
「チョンチョン……」
「そんな無理を言わないでください」
「助けてくださって」
「本当にありがとうございました」
「何」
「このご恩は一生忘れません」
「ほんとに……ありがとう」
「……//」
「照れてるー!」
「兄貴よりも二回りも若いのに……」
「ああ」
「この子ちゃんとしてるね」
「兄貴も見習えよ」
「うっさい」
「屋敷はいいですから」
「私は別に移りますので」
「すぐ治りますよ」
「え?」
そのその方が
地面に何やらな魔法界で一滴の水を垂らす。
パアア。
瞬く間に屋敷は元の姿に元通りになっていった。
「おお!」
炎につつまれる前の、綺麗な元の姿に。
「私のいる目の前でしなくたって……」
「兄貴」
「こんなことまですげーな」
「……本当に」
「もうなんか人間じゃねえみたいな兄貴」
「凄すぎて」
「すまん勝手に片付けてしまったぞ」
「え? ええ」
あの時の彼の背中。
とても大きく、とても眩しかった。
〜〜〜〜
「早くいくぞシリル」
「う、うん」




