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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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128/131

p117

ヴァルターはハッチに向かって声を張った。


「……フリンツ。お前も見てきたはずだ。

街路に積みあがった死体。

命令のために無意味に死んでいった連中を」


「違うぞ、ヴァルター」

フリンツの声が鋭く跳ねた。


「あれは“弱体化したドイツ”が招いた必然だ。

腐った政治、退廃した文化、

外国資本に媚びるだけの無力な国家……

だから俺たちは戦ったんじゃないのか!?」



「……違うな。フリンツ」


梯子を上った兵器士官が、背後をすり抜けハッチの縁へ取りついた。

接合部に爆薬を貼り、導火線を整え、短くうなずく。


「勝つために戦ったんだ」


短い合図の直後、ハッチが弾け飛ぶ鈍い爆鳴が響く。

秒速四十メートルを超える水流が一気に流れ込み、金属の悲鳴のような甲高い軋みと、鋼板のし曲がる低い唸りを上げながら、司令塔の隅々へ叩きつけた。






「司令塔区画を封鎖。

タンクに圧縮空気を送れ。全速浮上だ」


機関長の号令とともに、艦内に凄まじい排気音が響き渡る。

バラストタンクから水が押し出され、艦体は重い枷を外された獣のように急角度で上昇を開始した。やがて、艦橋の上で低く唸りを立てていた海水が、激しい飛沫とともに左右へ割れる。


ヴァルターは血の混じった海水が滴るハッチを押し開け、甲板へ躍り出た。

夜の黒海は不気味なほど静まり返り、遠く沿岸に微かな灯火が見える。


「救難信号を送れ。国際救難周波数だ。

我々はドイツ海軍潜水艦、現在位置を伝えろ」

もはや潜行能力を失ったUボートに、隠れる術はない。


「注水弁開放! 爆薬準備!」


艦底からゴボゴボと空気が漏れる不気味な音が響くなか、兵士たちは次々とゴム

ボートを膨らませ、漆黒の海へと身を投じた。機関長が最後に艦を離れた直後、

鈍い爆発音とともにUボートはその巨体をゆっくりと傾け、冷たい黒海の底へ

吸い込まれていった。


→p.120

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