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お泊り会パート0

先輩との練習会を終えてしばらく経った日。だんだんとお泊り会兼ロベリアを癒す会が近づいていた。

「壮行パーティーの時ってドレスじゃなきゃいけないのかしら……」

ドレス着るのは嫌いじゃないけど気疲れしちゃうのよね。

「ドレスじゃなくて制服でくる子もいるって聞くわよ?」

「曲がりなりにも選手になってると制服着てたら目立ちそうじゃない?」

遠い昔の記憶だけどこういう壮行会のようなものは、選手の紹介みたいなのが軽く入るはず。周りの選手がドレスでキメているのに一人制服はちょっと目立ちそうな気がする。私としては制服の方が楽でいいのだけど……。と言うか、制服にマントみたいなのと装飾ついてるんだから十分立派よね。

「あら、意外とそう言うの気にするのね。ミア」

「そりゃね。私一人ならいいけど私の友達が変な目で見られるのはね……。って、エイリーン⁉」

さっきまでネイの壮行会の服装を考えていたはずなのにエイリーンに入れ替わっていた。イリュージョン⁉

「今更気づいた?ふふっ」

「いつから変わってたのよ!びっくりした……」

「さっきよさっき。ネイも快く代わってくれたわ。きっとお泊り会のための荷造りに行ったんだと思う」

「そう言えばそれもお願いしてたっけ……ドレスにするかくらいは自分で考えなきゃ、よね」

「私も手伝ってあげるわ」

「と言うかそもそもエイリーンがどうしてここにいるのよ。出発は明日の朝じゃなかったかしら」

ネイが荷造りをしてたのも明日出発だからだし……今日は何もない日だったはずだけれど。

「あら、用がなきゃ来ちゃダメだった?」

「そ、そんなことはないけど……」

「じゃあ、大丈夫よね。今日は私泊まるから、よろしく」

「えっ⁉」

驚かせ続けてくる彼女。ちょっとくらい休ませてほしいかも。

「ネイには前に話を通しておいたから問題ないわよ?」

「あ、そうなの……」

「それで、ドレスにするの?制服にするの?」

一気にさっきの考え事に引き戻される。ドレスを着るなら前に着たものにしようかと思っていた。せっかく二戸に作ってもらったんだしたくさん着ておきたい。

「うーん……」

目の前に吊るしてあるドレスを眺めながらうんうんとうなる。

「エイリーンはどうする予定なの?」

一人で悩んで答えが出てこないならちょうどいいし隣の子に聞いてみるべきだろう。

「私?もちろん私はドレスよ?」

当たり前でしょ?と言った顔で答えてくれた。そりゃそうか……エイリーンだし。

「あとロベリアもドレスにする、って言ってたかしらね」

「そうなの?そうなるとそっちの方がいいのかしら……レイは私に合わせちゃうだろうし。ノアはどうするのかしらね」

「たぶん……ドレスにするんじゃないかしら。ちょっと前に相談は受けたし」

「そ、そうなのね……」

やっぱりみんなドレスを着るらしい。制服より着る機会は少ないし美しく見えるのはその通りだしなぁ。

「やっぱりドレスにしようかしら」

「いいんじゃない?久しぶりに貴女のドレス、見てみたいし」

「見ても面白い物じゃないわよ」

「そりゃそうよ。綺麗なもの、なんだから」

うっ……なんか想定外の返しをされてしまった。本気の顔で綺麗な、何て言われたら少し照れくさくなっちゃう。

「ありがと……」

「ふふっ。照れちゃってかわいい」


「ミア様~?壮行パーティーに着ていく衣装は決まりましたか?」

しばらくしてネイが様子を見にきた。たぶん荷造りが終わったのだろう。

「ええ。ドレスにするわ」

「かしこまりました。やはりエイリーン様をお通しして良かったみたいですね」

姉のように柔らかく笑うネイ。全部見通されていたみたいだ。確かに一人で悩んでいてもずっと迷っていた気がする。

「そうね……エイリーンのおかげだわ」

「あんまり褒めなくてもいいのよ~?」

ネイが入れてくれたお茶を飲みながら少しドヤ顔をする彼女。何とも言えない気持ちになっていたところで少し外に出ていたレイが戻ってきていた。

「ただいまです」

「あ、おかえり。レイ」

「おかえり~」

「あ、エイリーンさんもいたんですね」

「今日は泊まりだからよろしくね~」

「えっ」



結局その日の夕方にはエトラとノアも荷造りを終えて私の部屋に集合していた。ネイも上機嫌で晩ご飯を作ってくれた。

「ふぅ……ほんとに賑やかねぇ」

とっぷりと夜も更けてノアとエトラの二人は眠くなったらしく自分の部屋に戻ってしまった。

「ミアも結構賑やかだったと思うけどねぇ」

「最近の姉様は前より明るくなった気がします」

「そう……かしらねぇ」

確かにみんなと過ごすようになって楽しく感じることは多い。あんまりテンション上げすぎている感じはないけど。

「お泊り会でどんなミアが見られるか楽しみね」

「もう……私より温泉を楽しみにしなさいっ」

段々眠くなってきた。少し油断するとまぶたがずしっと降りてきた。


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