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お茶会と恋バナ

何度か天丼をかましたところで、いじわるせずにセイラに結果を教える。

「えっ……⁉」

素っ頓狂な声を出すセイラ。

「え……?」

「すごいじゃん!おめでとう皆~!」

そう言いながら隣にいたノアに抱き着くセイラ。想像より驚いてる彼女を見てむしろこっちの方が驚いている。

「応援しがいがあるね……!ネイさんと一緒に全力で応援するから!」

「え、ええ。応援係は貴女に任せるわ」

あのエイリーンですら少したじろいでいる。

「エトラもいるから一緒によろしくね」

「お、そうなの?よろしくね~!」

ノアの横でおとなしくしていたエトラが急に見つかってびくぅっと体を跳ねさせる。なんか猫みたい。

「あ、はい……よろしくお願いしますぅ……」

セイラが目をキラーンと光らせて、座っているエトラの後ろにまわってぎゅーっと抱きしめる。抱きしめられた彼女は目を真ん丸にしてフリーズしてしまっている。

「え、エトラ……大丈夫?」

エイリーンが隣で固まっている彼女に思わず声をかけている。

「ふわふわ……あったか……」

残念ながら彼女は上の空で何かつぶやいているだけになっているみたいだけど。

「それでどんな感じの競技に出るの?」

胸元で上の空のエトラを抱えたまま彼女は尋ねる。そう言えばセイラに競技の話あんまりしてなかったっけ。

「私は魔銃で射撃。あんまり派手さはないけど……」

「こらこら、私達と一緒に旗を取るでしょ?」

「旗?面白そうだね」

「私は正直、レイとエイリーンのサポートだからなぁ」

興味深そうにこちらを見てうんうんと頷いている。

「貴女もしっかり働いてもらうわよ?私たちのリーダーなんだから」

「えぇっ!?」

突然初めて聞いた事実に驚いた。リーダーはエイリーンだと思っていたんだけど。

「何驚いてるの?」

「ほら、エイリーンとかロベリアの方がリーダーに向いてるかなって……思ってたから……ね?」

「ね、じゃないわよ?私たちが集まってるのは誰の部屋?普通に考えたらみんなの中心にいる子がまとめ役でしょ?」

「……レイの部屋でもあるし、セイラの部屋でも……」

「諦めが悪いですよ、姉様」

「私もミアがリーダーだと思うなぁ~」

「私も~!」

まずい……みんな私がリーダーという流れにしてきてる。柄じゃないのに……。

「頑張って、ミア」

エイリーンが私の肩をぽんぽんと叩いて微笑んでくる。

「……わかったわ」

仕方ない、皆が推薦するなら私がやるしかないかぁ。きっと困ったらみんな助けてくれるはずだし。

「応援道具作っておく!任せて!」

セイラも別方面で応援してくれてるみたいだし。

「ま、リーダーって役割があるわけじゃないし……気楽にやってちょうだいね」

「う、うん」


「そう言えば、今日はロベリアさんいないの?いつもなら変なことしてたらツッコみしてくれるのに」

エトラを解放してからお茶飲んで一息ついたところで尋ねるセイラ。

「あー……ロベリアは今日は用事があるって言ってた」

「そうなんだ」

「最近忙しそうだよね」

「ってそうじゃない!今日はあの子の事で作戦会議もするって言ってたじゃない!」

エイリーンがハッとして、思い出したように大きい声を出す。

「あ、そうだった」

「ロベリアの様子を探るんだったのよね」

とはいえ彼女と普通にしゃべってたら、会話の中で探り出すのは結構難しい気がする。少なくとも私の会話スキルじゃ厳しい。

「普段の会話じゃ難しいですよね……きっと」

レイも同じ考えみたい。

「あんまり自分の家族の話もしたがりませんもんね」

「とりあえずさっき彼女の事を少し調べるように依頼はしたわ」

「一旦はそれの結果次第なのかしらね」

実際のところ大貴族の一人娘の事をどれほど調べられるものかはあんまりわからないけど。

「で、でも……最近ため息、多いですよね……ロベリアさん」

エトラも気づいているみたいだ。ロベリアは悩み事を表に出す子でもないしため息も多い子じゃない。別にため息自体が悪いと言っているわけではないけど、やっぱり数が多いと気になってしまう。

「もしかして……恋煩いとか!?」

セイラがちょっといたずらっ子ぽく、思春期の女の子っぽいことを言ってくる。

「こ、恋煩い……?ロベリアが?」

思わず聞き返してしまった。ロベリアが誰かに恋い焦がれる……あってしかるべき年齢ではあるけど、想像しづらい。

「恋、ねぇ」

「でも最近ずっと一緒に過ごしてたイメージがあってあんまり誰かに恋する、なんて思えないですよね、姉様」

「そうねぇ」

「一目惚れ、ってやつじゃない?」

ろ、ロベリアが一目惚れかぁ……。

「ほら、ミアもそういう経験無いの?一回見ただけで好きになっちゃったみたいな」

「気になるわね……あるの?」

ロベリアの話してたのに急に私の方に矛先が向いてきた。

「な、ないわよ」

「姉様の恋バナはあんまり聞いたことないですね……」

「一つもないの?」

「うーん」

いつの間にか私の代わりにレイが答えている。私を放置して話を進めないで欲しい

。みんな急に興味津々に恋バナに興じ始めた。


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