表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
198/209

気づき

エイリーンたちに肩を叩かれて現実に戻ってきたところでまわりの生徒が講堂を出ているのに気づく。

「あ、危ない。意識が飛ぶところだった」

「飛んでいましたわよ」

「ぽやーっとしてる二人もかわいかったけどね」

二人とも苦笑しながらそう言ってくれる。手のかかる妹を見るみたいな目。ちょっと恥ずかしい。

「……はっ!ストリーツァ校長が居た気がしました……」

「いたわよ」

「夢じゃなかった⁉」

エトラもどうやら私たちと同じように現実から離脱していたみたいだ。

「もう……皆移動したみたいだし、私達も移動しましょ?」

「移動って言っても……どこに?」

今日はこの後特に用事はなかったはず。教室に行くこともないし。もしかして私の部屋……?

「もちろんミアたちの部屋よ?」

「やっぱり……」

「いいじゃない。私たちの集合場所でしょ?」

「いいけど……ネイに言っておけばよかったわ」

「……申し訳ないですわ。私、少し用事があるのでこの後帰らせてもらいます」

「あら、そうなの?」

「終わったらゆっくり休むのよ~」

少し申し訳なさそうにロベリアが言う。いつものような元気さがなくて本当に心配になってしまうけど……足早に彼女が出て行ってしまったので一言しか返すことができなかった。

私達しか残っていないしんとした講堂で、彼女が出て行った扉を少し見ながら沈黙が流れる。

「……ちょっと気になるわね」

「ロベリア?」

「あら、ミアも?」

エイリーンがこっちを見て尋ねてくる。やっぱり少し気になっていたみたい。

「ちょっと……様子がいつもと違う気がね」

ロベリアは私たちの中でも結構大人っぽいというか、しっかりものと言う感じだし……何かあったとしてもちゃんと相談してくれるだろうか少し心配だ。あれから信頼度は積んできたしいざとなったら頼ってくれると信じてはいるけど。

「姉様たちもそう思います?」

「レイも?」

「はい……」

「何だろう、実家関係かしら……」

私達と一緒に過ごすようになってから彼女があまりお家の事を話すことや連れて行ってくれることが少なかったからすっかり忘れてたけど彼女、大貴族の娘だし……。いろいろしがらみがあるんだろう。

「少しくらい相談してほしいものだけれどねぇ」

「でもロベリアなら私たちに迷惑をかけまいとしそうだしね」

「そうなのよねぇ……ちょっとメイドに調べさせようかしら」

少し危ない橋を渡ろうとするエイリーン。でも正直彼女がどんなことで悩んでいるのか気になるし、手助けができるならしてあげたい。

「作戦会議も兼ねて、とりあえずミアの部屋に行かない?」

ノアがパチッとウィンクをしてそう提案してくる。確かに彼女の言う通り、こんなところで話し合ってるよりはふかふかソファーの上でお茶でも飲みながら考えた方がいいかも。ネイやセイラの意見も少し聞きたいし。

「そうね。移動しましょ」



『おっかえり~っ!ミア~!』

元気な声でセイラが迎えてくれる。どうやらネイは今留守にしているみたい。

「ただいま。みんな一緒に来たからお茶の用意をお願いしてもいい?」

「は~い!」

バタバタとキッチンの方へ走っていく彼女を後ろから見ながらリビングの方へ皆を案内する。

「ふぅ。実家みたいに落ち着くわね」

「へへ……ふかふかで眠っちゃいそうです」

「エトラ起きて~?これからが本番だよ~?」

「姉様、一旦お着換えしますか?」

各々ソファーですっかりリラックスしている。気を抜かせすぎたかもしれないわね……。

「え、ええ。着替えるわ」

「じゃあ私が……」

「お二人のお召し物はこちらに」

レイが私の服を取りに行く前にオーバが既に私たち二人の分を用意してくれていた。仕事が早い……。

「あ、ありがとうオーバ」

「ありがと」

「いえ。メイドの務めです。ネイは少し外に出ておりますのでその間は私とセイラでお世話いたします」

淡々と仕事をこなすオーバにちょっと残念そうなレイ。寝室の方で手早く着替えさせてもらったところでリビングに戻るとセイラがすでに皆にお茶を出していた。

「あ、二人とも戻ってきた~」

「お待たせ」

「彼女の淹れるお茶、おいしいわね」

「でしょう?最近彼女、上手になったのよ」

セイラにも聞こえていたようでふふんと自慢げだ。

「って、私の事はどうでもいいのよ!皆選考会はどうなったの?気になって夜しか眠れないよ」

「そ、そんなに気になってたのね」

「応援しに行くんだから当たり前でしょ?」

少し唇を尖らせてツーンとしつつもほのかに口元が笑っている。

「ご、ごめん」

思わず謝ってしまった。そんなに楽しみにしてたなんて……。ついお茶を一口。

「ってお茶飲むより教えてよ~!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ